【ファイナンスってなんだ!?】ざっくり分かるファイナンス~経営センスを磨くための財務~|石野雄一

ざっくり分かるファイナンス~経営センスを磨くための財務~
  • 経営に必要なお金のこと、全体像を持っていますか!?
  • 実は、近年さらにファイナンスの注目度が高まっています。
  • なぜなら、アカウンティングは過去視点、ファイナンスは未来視点でものごとを考え、戦略的に経営の舵取りを考えるのに役立つからです。
  • 本書は、ファイナンスにかかわる全体像に関する1冊です。
  • 本書を通じて、文字通りざっくりと俯瞰してファイナンスの知識地図を得ることができます。
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アカウンティングとファイナンスとは!?

アカウンティング=会計、ファイナンス=財務とは、何がちがうのでしょうか!?

会計は、企業の「過去」に視点を置いているのに対して、ファイナンスは、「現在から未来」に視点を置いています。その意味で、現在はファイナンスの重要性が高まっているといえるのです。

第2章 ファイナンス、基本のキ

会計は「利益」を扱い、ファイナンスは「キャッシュ」を扱います。会計の「利益」は残高を調整できるのに対して、ファイナンスが扱う「キャッシュ」は残高を調節することができません。そして、キャッシュが枯渇すれば、たとえ黒字であっても、倒産することにもなりかねないのです。「黒字倒産」とはまさにそんな現象を指す言葉で、売上や利益は確保されているのに、キャッシュの入ってくるタイミングが遅れることで、発生してしまいます。

それぞれが取り扱う時間軸も大きく異なります。

会計が扱うのは、あくまでも企業の「過去」の業績です。決算書を構成する要素であるバランスシートや損益計算書、キャッシュフロー計算書はいずれも過去の数値です。

一方で、ファイナンスは「未来」の数字を取り扱うことに特徴があります。

ファイナンスの取り扱うこととは!?

ファイナンスが近年、重要視されるようになった理由はまさにこの点にあります。というのも、経営者自身が、常に「現在」と「未来」の二つの時間を考える必要に迫られているからです。言い換えれば、経営者は、常に「現在の投資」と「将来のリターン」のバランスをとる必要があるということです。投資なくして、将来のリターンがないのはあたりまえです。

第1章 会計とファイナスはどう違う?

ファイナンスは、3つの意思決定を支援します。

1)投資に関する意思決定(投資の決定)

その投資に関する、
2)資金調達に関する意思決定(資金の調達)

そして、運用して得たお金を
3)どう配分するかという意思決定(配当政策)

3つの意思決定の目的は、「企業価値の最大化」です。

経営の意思決定については、こちらの投稿「両利きの経営―「二兎を追う」戦略が未来を切り拓く |チャールズ・A・オライリー,マイケル・L・タッシュマン」の視点にふれることでも養われると思います。

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テイク・リスクの正しいマインドとは!?

「リスク」という言葉にどのような印象を持ちますか!?

もしかしたら、多くの人が、危険、デンジャー、そんなニュアンスではないでしょうか。ひとつの側面を見れば、それは正しいです。でも、リスクには、もう一つの側面、つまり「機会」「オポチュニティ」の側面もあることを忘れてはなりません。リスクは避けるべきものだけではなく、正しく取り入れるものでもあるのです。

私たち実務レベルの人間は、リスクとどのように向き合えばいいのかを考えるべきです。それは結局、「リスクを避けることではなく、実際にリスクに見合ったリターンを上げているのか」を考えることです。

第2章 ファイナンス、基本のキ

正しくリスクと向き合い、正しく取り込み、適切にリターンを得ることも合わせて考えましょう。リスクに見合った、あるいはそれ以上のリターンを得るには、リスクテイクが重要です。

 *

債権者と株主という会社の支援者のことを考えてみます。

債権者は、会社に融資している人、ある意味では投資してくれている人です。融資してくれている代わりに利息を支払います。これは契約で予め決められたレートになっています。また、株主は会社に投資してくれている人です。彼らは、会社から配当を得ます。配当は年度ごとによって異なる上、企業のコンディションによっては、保有している株式の価値も大きく上下動します。このように、多くのリスクをとっているのは、株主>債権者といえます。

<損益計算書と債権者・株主のイメージ>
 売上高
  売上原価
 売上総利益
  販売費及び一般管理費
 営業利益
  営業外費用 (→利息)・・だいぶ上にある。 to 債権者
 経常利益
  特別利益・損失
 税引前当期純利益
  法人税等
 税引後当期純利益 (→配当金の原資)・・最後に残ったものから to 株主

債権者というのは、同じ投資家でも、この流れにおいて、株主よりも優先順位が先に来ます。なおかつ利息、つまり債権者にとってのリターンは、借り入れをする時点であらかじめ契約によって決まっています。ですから、企業がどれだけ売上を上げようが関係がありません。

第1章 会計とファイナンスはどう違う?

これまで日本では、メインバンク制度があって、資金調達の大部分を銀行融資という形で、実行していました。なので、株主資本コストを意識する必要はなく、投資者の最たる関心事は、「経常利益」でした。

金融機関をはじめとする債権者は、予め決められた契約(取り分)が履行されればある意味、目的を達成されるわけですから、関心事がトップライン(売上)よりも、もしかすると、残余利益に行きがちなのかもしれません。

一方で、投資家に関しては、さらに大きなリターンや企業の社会的評価に基づくインカムとキャピタルゲインを求めるわけですから、企業の全体的な活動活性化を求めるのです。この差に意識的になることで、各利権者との折衝をうまく進める土台となります。

株主が「とにかく売上をあげてくれよ」というマインドになるのも理解できます。そうしないと、自分たちに利益が回ってこないからです(株主の場合、損失は出資金までですから限定的、利益はその半面、青天井ということになります)。

第1章 会計とファイナンスはどう違う?

いまや、しかし時代はうつろい、個人投資家やVCなどのエクイティ投資が盛んになる中、株主資本コストだけを考えていればOKという世界観ではなくなっています。次回の投稿では、では、どうしたら経営者は、債権者・株主に対する資本政策に正しく向き合えるのかを見ていきたいと思います。大切なのは、「バランス」感覚です。

財務諸表等の基本的な知識については、こちらの投稿「【全体観を忘れがちな日本人へ】数字は見るな!3つの図形でわかる決算書超入門|田中靖浩」の1冊も大変おすすめです。

企業を取り巻く権利者、株主、従業員、取引先、経営者の全体観を養うには、こちらの投稿「【いかに長期的に豊かな経営を目指せるか!?】経営者・従業員・株主がみなで豊かになる 三位一体の経営|中神康議」もたいへんおすすめです。企業が得た利益を経営者、従業員、株主の三位一体で、複利発想で再投資していくことで、みんなで豊かになる世界観を説いてくれています。

まとめ

  • アカウンティングとファイナンスとは!?――利益とキャッシュ、現在と未来のお金を取り扱うことの違いがあります。
  • ファイナンスの取り扱うこととは!?――3つの意思決定を適切に行うためです。
  • テイク・リスクの正しいマインドとは!?――現在の投資がなければ、将来のリターンはありません。リスクは機会でもあるのです。
石野雄一
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