【全体観を忘れがちな日本人へ】数字は見るな!3つの図形でわかる決算書超入門|田中靖浩

数字は見るな!3つの図形でわかる決算書超入門
  • 財務・会計なんだか苦手だなぁ、決算書って複雑でよくわからない!と思って、苦手意識から、避けがちになっていませんか?
  • 実は、細かな数字を追っているから、そう思っているだけかも。
  • なぜなら、財務も会計も全体像が大事なんです。
  • 本書では、著者が全体像を持って考えることの重要性と、そのためのイメージの方法として図形を用いた決算書の読み方指南をしてくれます。
  • 本書を読み終えると、俯瞰して決算書を読み解く勘所をつかむことができるでしょう。中小企業診断士や簿記の勉強などで、財務・会計を初学する方や、日常業務の中で決算書を読み解くことが必要なビジネスパーソンに是非読んでいただきたい内容です。

なぜ財務・会計の勉強に挫折してしまうのか?

全体像が見えず数字に弱い日本人

全体像が見えず数字に弱い日本人

全体を知らないことが、初学者の悩みの種です。

財務・会計は、15世紀に原型が作られた、非常に歴史深いジャンルです。だから、ある程度、完成している。そうすると、細かな内容に枝葉が分かれていて、いきなり詳細に入っていくと、何のための数字なのかがよくわからなくなってしまうのです。

あと、著者は、源泉徴収という習慣が日本人のビジネスパーソンから数字に対する感覚を奪ってしまっていると言います。

源泉徴収は(私も知らなかったのですが)、なんとナチスドイツが始めた仕組みだそうです。戦費に回せる税収を予め予測し、確実に獲得するための天引きに由来するもので、日本もこれを真似て導入したものです。

この源泉徴収があるからこそ、とくに会社に務めるビジネスパーソンは自分の責任をもって、自分のBS / PLを管理する習慣を奪われてしまいました。

わたしも、今年始めて個人事業主として確定申告を行うために、BS / PLを作成しました。すると、中小企業診断士で学習した会計の基礎知識がさらにリアルに生かされて、かつ、全体像を把握する力が養われたと思います。

部分的に携わって満足するのではなく、自分で責任を引き受けて、全体像を見に行くことを癖づけることが何事においても大切なのだと思いました。

数字は、作る→読む→活かす。

「作る」は作業が多いので手を使い、「読む」は読むために目を使い、そして「活かす」は考えて頭を使う数字の勉強です。

数字の能力に自身を持てない非経理の人々

著者は、会計の、特に決算書に向き合う時にこの3つのステップがあるといいます。これをごちゃごちゃにしてはいけないのです。特に、勉強を始める順番が肝心です。まずは、「読む」。そして、「活かす」。最後に必要があれば「作る」ところまでやる。この順番で、今自分がどこの何を、どんな目的で学んでいるのかを忘れないようにしましょう。

また、会計と財務の定義も全体像を捉える上では肝心です。

「会計」は、おカネの動きに係わる「記録・計算・報告」全般の仕事。
「財務」は、おカネの「調達と運用」に係わる仕事。

むずかしい「財務・会計・経理」の区別

この定義がごちゃごちゃしてしまっているのが、一般的なビジネスシーンです。

まずは、自分が学習しようとしていることの全体つまり、「森」を押さえること。そして、その次に「木」を見に行くことを忘れずに!どんな勉強においてもそうかもしれないですね。

もっというと、さらにその手前に、WHYがあるのかもしれません。なぜやるのか。それがないと勉強は続きませんね。

決算書の「森」を見る図(イメージ)については、ぜひ、本書をお求めください。

会計最大の弱点とは!?

「動かないものを表現する」ことがすごく苦手なんです。

最後に会計最大の弱点

たとえば、あなたが、英語を勉強したくて塾に10万円かけて通おうかどうしようか迷っているとして、もし塾に通えば費用に10万円が計上され記録に残りますが、いかなければ、10万円は動きがないので、記録に残りません。

つまり、「通わない!」という意思決定があったのに、会計的にはそれが「なかったこと」に(!)なってしまうのでう。

おカネにとらわれ過ぎると、個人も会社もそして、国家も、縮んでしまうのですね。

目先のおカネだけにとらわれるのではなく、長期的な視点で、ものごとを判断して、考えていきたいですね。戒めも込めてトピックスとして大きくメモしたいことがらです。

まとめ

  • なぜ財務・会計の勉強に挫折してしまうのか?――全体像を見ないで、いきなり各論に入っていってしまうからです。
  • 数字は、作る→読む→活かす。――自分が学習しようとしている事柄の全体像をまずおさえましょう。初学者は読むからスタートがおすすめです。財務と会計の言葉の違いも知っておくようにしましょう。
  • 会計最大の弱点!?――おカネの動きがないことが記録されません。でも、その背景には選ばなかった選択肢(未来)があるということを忘れてはいけません。

中小企業診断士の財務・会計の勉強に際して、塾の先生が全体像と図で捉えることを提唱されていました。私は、本当にいい先生に巡り会えたのだなぁと、本書を読みながら思いました。とにかく、図を手で書いて、イメージを湧かせるための訓練をたくさんさせてもらったんです。中小企業診断士という資格の勉強をしながら、同時に、勉強法やビジネスのやり方とかそういうことについても触れさせてもらっていたのだなぁ・・。

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