- なぜ、私たちはこんなにも忙しいのでしょうか。あらゆるタスクをこなして、さらにタスクが増えています。
- 実は、「人生は有限であることを知ること」が必要なのです。
- なぜなら、青天井の可能性を前提にすると、私たちは、壊れるまで頑張り続けるしかなくなるからです。
- 本書は、イギリス全国紙のライター、オリバー・バークマンさんによる、生き方の書です。
- 本書を通じて、時間を生きるとはどういうことかについて、新しい見解を得ることができるでしょう。
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忙しいのは、タイムマネジメントのせい!?
タイムマネジメントの指南書が教えることといえば、いかに少ない時間で大量のタスクをこなすかだったり、いかに毎朝早起きして規則正しく過ごすかだったり、あるいは日曜日に1週間分の食事をまとめてつくりましょうということだったりする。
イントロダクション 長い目で見れば、僕たちはみんな死んでいる
タイムマネジメントは、TO DOをいかにたくさんこなしていくかを勧めます。そして、実際に手が空くと、さらにTO DOを詰め込んでいくように指南します。これでパフォーマンスが上がっているのかもしれないのですが、なぜか、虚しい気持ちがつきまといます。この問題の根源はどこにあるのでしょうか。いくらなんでも馬車馬にも、燃料が尽きる時があるのです。
生産性とは、罠なのだ。
やり遂げよう。でも、何を?
そもそも忙しさの問題の奥にあるものとは・・!?
忙しさは、問題の入り口にすぎない。
人生のベルトコンベア
よく考えてみると、問題の根っこにあるのは「時間が限られている」という事実だ。
人生80年だとして、たったの4000週間しかないとのことです。このあまりにも短い人生を私たちは、日頃意識することなく活動をしています。死を意識することは、生への強い執着を生み、それはそれで辛いものだからです。でも、この蓋をかぶせて見ないふりをしていることで、青天井に努力をする、あるいはそのためのタイムマネジメントをすることを志向してしまうのです。
どんなに大量の仕事をこなしても、どんなに成功しても、自分は本当にやるべきことをやっていないのではないか、という感覚だ。
やり遂げよう。でも、何を?
こんな感覚を持つことはあるでしょうか。一生懸命がんばっているはずなのに、生産性を突き詰めれば突き詰めるほど、大切な何か、から遠ざかっていく感覚を持つのはなぜでしょうか。
持つべきスタンスとは!?
限りある人生という現実を受け入れ、それに応じて先延ばしをするのは、良いタイムマネジメントの極意だ。逆に、人生の有限性から目をそらしていると、ダメな先延ばしに陥ってしまう。
完璧主義者は身動きできない
人生つまり、時間は自分のものにすることができません。なぜなら、例えば〆切まで3時間、あるいは3日あるといっても、本当にその時間があるかどうかは、過去になってみないと認識することができないからです。モノと時間は異なります。
そして、この時間の特徴を知らないから、私たちは、あたかも時間をたくさん持っているという感覚に陥るのです。でも本当は、いまこの瞬間しか、私たちは時間を手に入れることができていません。
人間の存在の一瞬一瞬が、ハイデガーのいう「有限性」に貫かれているということだ。
死へと向かっていく存在
一瞬一瞬しかない場合、いくら未来への期待をしても取り越し苦労ですし、逆に、大切なのはこの一瞬一瞬をいかに生きるかが未来になっていくはずだ、という起点を変えることです。
時間は無慈悲です。瞬間瞬間でしかなく、そして私たちは当然この流れをコントロールすることができないし、将来時間が保証されることもなく、そして4000週間の未来には、0歳時も平均的に生涯を終えます。
だから、時間やそれに類する大きな対象をコントロールできる!という幻想をまず捨てて、自由を得ましょう。
希望を捨てたとき、あなたは自分の力で歩みだすことができる。
エピローグ 僕たちに希望は必要ない。
自分の限界を認めるとは、すなわち希望を捨てることだ。正しいやり方を身につければ、あるいはもっと頑張れば、どんな無謀なことも成しとげられるという希望。すべてを計画通りにコントロールし、あらゆる苦痛を避けたいという希望。そうした数々の希望の根底にある、いつか本当の人生が始まるんだという希望。今はまだリハーサルで、そのうち自信満々で人生本番を生きられるにちがいないという、途方もない希望。
そんなものは、今すぐ捨てた方がいい。
その上で、著者のオリバー・バークマンさんは、限界性を受け入れるための「10個のティップス」を紹介してくれています。
1.「開放」と「固定」のリストをつくる
2.先延ばし状態に耐える
3.失敗すべきことを決める
4.できなかったことではなく、できたことを意識する
5.配慮の対象を絞り込む
6.退屈で、機能の少ないデバイスを使う
7.ありふれたものに新しさを見出す
8.人間関係に好奇心を取り入れる
9.親切の反射神経を身につける
10.何もしない練習をする
詳しくは、ぜひ本書をお手に取ってみてください。自分が知らず知らずにイメージしている人生への誤解?を客観視するきっっかけを得ることができるでしょう。
過去の投稿「【VUCAの正しい備え方とは!?】最強の教養 不確実性超入門|田淵直也」を思い出します。不確実性も予測ができないものです。まさに、時間の流れとリンクするところです。そして、その予測のできない不確実性に、予測で対応しようとする私たちのスタンスが、自分たちを失敗に追いやっているという趣旨でした。まさに、私たちは、予測という万能感をもって、不確実性やそれを内包する時間と向き合っているうちは、困難に見舞われ続けるということなのかも知れません。
反対に、不確実性を受け入れた上で、「正しいことを、続け、中長期的に成果を期待する」ということが重要です。正しいことを判断するには、今に集中することもきっと必要でしょう。
正しいやり方の効果は長期的にしか現れない
【VUCAの正しい備え方とは!?】最強の教養 不確実性超入門|田淵直也
不確実性への対処を考えるとき、時間軸を意識することはとても本質的で、重要なことである。不確実性のおかげで、短期的には、間違ったやり方でも成功することがあり、また正しいやり方でもうまくいかないことがあるからだ。原因と結果が直感的に結びつかない不確実性のもとでは、正しいやり方の効果は長期的にしか現れない。
まとめ
- 忙しいのは、タイムマネジメントのせい!?――TO DOをこなし続ける中で、新たなTO DOを入る余地を作っています。
- そもそも忙しさの問題の奥にあるものとは・・!?――限界性を認められていない自分の存在があります。
- 持つべきスタンスとは!?――限界性を受け入れて、その上で、今この瞬間に集中することです。
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