【個性を素直に活かし、人生の期待に応えよう!?】道はるかなりとも|青山俊董

道はるかなりとも
  • どうしたら、よりよい人生の時間を過ごすことができるでしょうか!?
  • 実は、まず自分の個性にフォーカスしてみることがポイントかもしれません。
  • なぜなら、生まれ持った素質を活かすことは幸福に繋がりやすいからです。
  • 本書は、青山俊董さんによるご自身の半生と仏教道を語る1冊です。
  • 本書を通じて、自分の生き方について気づきを得ることができるでしょう。

個性を活かすとは!?

青山俊董さんは、1933年(昭和8年)生まれの曹洞宗の尼僧です。お母さんが俊董さんを妊娠している時に、祖父から「生まれてくる子は、将来出家するだろう」という予言を受けて、4歳(数え5歳)で実家・親元から離れて、塩尻市の無量庵に入門しました。戦争を経験した後、駒澤大学で仏教学科を修めました。その後、無量寺住職、曹洞宗師家会会長などを歴任し、ヨーロッパやタイなどを訪問し宗教交流にも精力的に取り組んでいます。

まだまだ親に甘えたいざかりの幼少期から親元を離れて、運命に従って生きる生き方を本書を通じて知ります。道とは、仏教の言葉で、道理や教え、進むべき道、さとりに近づくための生き方そのものを指すと言います。青山俊董さんの運命を受け入れながら、自らのやることを自ら見出していく生き方に、まさに道のあり方を見ます。

節や曲がった材料が数寄屋普請のあちこちで光彩を放つような、そんな生き方に転ずることこそが大切になるでしょう。

「宿縁」に随順して生きる

おじいさんの言葉に、必ずしも従わなくても良かったかもしれない。物心ついてから、仏道を辞してもよかったかもしれない。でも、そういう選択肢がありながらも、俊董さんは運命を受け入れて、自らを見つめ続けます。

人生自体を、「仏様からの授かりもの」と頂戴し、「そのことのお陰で、こんな人生が展開できた」と思わせていただく、そういう姿勢の大切さを語ります。

自分の人生に、何を期待しているのか?という問いと、
人生は、自分に何を期待しているのか?という問い、どちらも同じようでまったく異なります。

一方は、自らのエゴを全面に出している印象があります。そしてもう片方は、与えられた環境や境遇をどうしたら主体的に捉えて進んでいくか、覚悟を導く印象があります。

多くの人が全者の問いを持ってしまっているのではないでしょうか。たしかにそれも決して間違いではないと思います。でも、そうした問いだけでは、外部の環境が変化したり、自らコントロールできない状態をポジティブに解釈することが難しい局面も出てきてしまいます。

自分は人生が結果的に作り出した存在であり、起こりうる事象をコントロールすることはできないが、その捉え方は自分次第であると思えれば、くじけずしなやかに生きていくことができます。

子どもと、どう接するか!?

子どもが育つということに真剣に向き合う時、人生のあり方や自分の考えを俯瞰的に捉えることが可能になります。

子どもにも、子どもの人生のテーマがあります。それは、決して親と同じ人生ではない、という事実を認めることから始める必要があります。

親には、親の人生があり、それに期待されている。子どもには、子どもの人生があり、それに期待されている。そういうパラレルの関係で一人のかけがえのない人生であることを率先して尊重していく必要があります。

自分から生まれたからと言って、自分の所有物ではないのです。

子どもを名門の学校や大学、あるいは、会社に入れたくて仕方ない親御さんがいるとします。それは、ただの自分のエゴなのかもしれないということを気付けるかどうかが大切です。

心のどこかで、ソロバンをはじいえての子供教育であったり、かわいがりであったら、それは子供をかわいがっているのではなくて、「私」の欲をかわいがっているだけなのです。

愛を着せ、愛を食べさせる

私利私欲に生きてはなりません。子どもを自分に奉仕させているような子育てでは、その子が一人の人として、自らの人生のテーマを生きることができなくなってしまいます。人は生まれながらにして、自分のテーマを持っているのです。それに沿わない生き方をしてしまうと、心を病んだり、繋がりを拒絶してしまうようになってしまうのではないでしょうか。

個性を活かすといえば、簡単なことかもしれませんが、それに対して、親子であっても互いに尊厳と威厳を守りながら、認め合い、その上で、支え合っていくことが大切なのでしょう。

考えがあれば、必ず相手に伝わります。それは、言霊が宿るからです。本心から信じ、真剣な人の想いは必ず伝わるのです。だから、互いを信じる気持ちを大切にして、かけがえのない人生のテーマに取り組んでいく心持ちを大切にしましょう。

学び続ける姿勢とは!?

人間というものは、勉強しろと矯正すればするほど、勉強から遠ざかるものです。これは自ら決定していないからです。他者の意志の中で、人は生きることができませんし、行動することができません。一方で、自分の意志を見出すことができれば、世界最高峰にも登頂しますし、月にだって行くことができます。

大切なのは、自分の意志を大切にすること、そして、その意志をもって生きていくため、社会の意志とのすり合わせがポイントです。社会は繋がりであるためです。一人わがままにするだけでは生きられません。かといって、内発的な意志がなければ、他者とのただしい繋がりも持ちにくいのも事実なのです。

意志の力を素直に引き出すことができれば、万難を排して人は行動します。時間がなくても、なんとかやりくりをするようになります。与えられた仕事を一生懸命、能率をあげてやって、自分で盗むようにして時間を作り出すものです。

だから、自分や自分の子どもに接するときは、例えば、勉強をやらないといけない!勉強をしなさい!ではなく、「いかに生きるか」「いかに生きたいか」を大切に接することが大切なのです。そうした上位の概念を大切に付き合うことで、行動は必ずついてきます。

親は一度の食事のために、一枚の着物のためにどれだけの汗を流しているか、子供と一緒に仕事をすることで、体で子供に分からせることの方が大事です。

やる気さえあれば

生きていくことの大切さ、難しさ、大変さ、楽しさを共有する時間を作ることが良いでしょう。生きるためのやる気を奪わずに、共有し、互いで高め合うことが素晴らしい関係を紡ぎます。

大人も子どもも互いに一人の人として、常に学びを続けて、人生をアップデートしていける存在であるのです。互いにそうした可能性を信じ、支え合い、高めあい、刺激し合えると素敵だと思います。

問題は、どうやって「やる気」を起こさせるかです。起こせばどんなことでもやれるはずです。

やる気さえあれば

次回の投稿では、青山俊董さんの海外との交流の中で、どのように宗教観を磨いていったのか、そして世の中の真理にどう触れて、解釈していったのかについてレビューしてみたいと思います。

仏教の世界観については、こちらの1冊「【仏教の教えを一言でいうと!?】完全版 仏教「超」入門|白取春彦」も大変おすすめです。

まとめ

  • 個性を活かすとは!?――人生に期待されていることを知りましょう。
  • 子どもと、どう接するか!?――子どもの人生のテーマを尊重しましょう。
  • 学び続ける姿勢とは!?――内発的な意志を見出すことがスタートラインです。
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