- 仕事やビジネスって難しいですよね。うまくいくこともあれば、いかないこともある。
- 実は、「常に悲観的にいられると」いろんなことで悩まなくなるし、結果うまくいくことも増えるかも。
- なぜなら、仕事やビジネスは、そもそも利害関係の調整なので、うまくいかないものだからです。
- 本書は、『ストーリーとしての競争戦略』で有名な楠木建さんによる、仕事に向き合う視点集的1冊です。
- 本書を通じて、目からウロコの仕事の向き合い方、考え方の見立てをもらえるでしょう。
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「絶対悲観主義」とは!?
ビジネスは、利害関係の調整によって、行われています。だから、そもそもうまくいかないものなのです。それでも、私たちは淡い期待を持ってしまいます。「あー、今回のプレゼン、とれるよね!」「今回は、きっとうまくいくよね!」「今回の契約まとめられるに違いない!」などなど。なんと淡い期待の多いことか。そして、結果を見て、成功していれば良いのですが、失敗したときの辛さは尋常じゃないものがあります。
それに対して、楠木建さんは、「絶対悲観主義」を提唱します。
仕事である以上、絶対に自分の思いどおりにはならないと僕は割り切っています。「世の中は甘くない」「物事は自分に都合のいいようにはならない」、もっと言えば「うまくいくことなんてひとつもない」――これが絶対悲観主義です。
第1章 絶対悲観主義
ただの悲観主義ではなく、「絶対」というのが味噌です。仕事の種類は、状況に限らず、あらゆるものごとで、うまくいかない前提に立つということがポイントです。
僕の考える最強のソリューションは「成功しない」です。
第1章 絶対悲観主義
成功するとかしないとか、決めつけないのが、最強だといいます。そもそもですが、成功って、何をもって成功というのでしょうか。受注できたり、成約できたから、成功?でも、その成功の背景には、違う失敗も迫っているかも。その成功が合ったことで、他のチャンスロスに繋がったり、あるいは損失につながることだってあるはずです。時系列や空間を自由自在に生きられたら、別ですけど、そんなことはできないので、だれも、一義的に成功を定義することはできないんです。でも、私たちは、どうしても成功を定義したがってしまう。ここに楠木建さんが指摘するソリューションのポイントがあります。
そういえば、過去の投稿「【ブッダの教えのやり方とは!?】これも修行のうち。実践!あらゆる悩みに「反応しない」生活|草薙龍瞬」で、仏教もこの「判断」を嫌うという内容がありました。いちいち、反応して、○×をつけるのではなく、あるがままを見る、そして、受け取る。そういうスタンスが大切なのかも知れません。こうしてみてみると、楠木建さんの「絶対悲観主義」もあるがままを受け取るためのこころの準備体操のようなものだという受け取り方もできそうですね。
「絶対悲観主義」的メリットとは!?
絶対悲観主義にはいくつもの利点があります。
第1章 絶対悲観主義
1)実行が極めてシンプルで、簡単です!
なんといっても、事前の期待値をゼロに持ってくれば良いわけですから、簡単です!
2)仕事への速度が上がります!
事前の期待値がゼロなので、まずやってみればいい、ということで、すぐに取りかかれます!
3)リスク耐性が高くなります!
事前の期待値がゼロなので、失敗してもそれが普通とはじめから割り切れます!
4)失敗が現実のものとなったときの耐性も高くなります!
失敗しても、予定通りです!
5)自然に顧客志向になり、相手の立場でものごとを考えられるようになります!
楠木建さんは、「原稿の〆切を必ず守る」という事例を出して説明しています。相手がこちらを忖度してくれるなどという淡い期待を生むことがなくなるため、自然と相手に合わせられるということになるということです。たしかに、成功するという期待は、なんとも独りよがりというか、こっち都合という前提になってしまいますものね。
6)すぐにではなくとも、10年ほどやっているうちに自分の固有の能力なり才能なりのありかがはっきりしてきます!
事前の期待がゼロでも、うまく行ってしまうことがあります。そして、悲観的に動いているからこそ、打席が多いので、その方向性にあたりを付けることもできるようになってきます。結果的に、自分の得意な領域やどうしても消せない個性というものが見え隠れするということです。
そういえば、昔、テレビで見たのですが、書道について「そうなんだ!」と思ったことがありました。書道って、見本があって、それをなぞるのですが、私はその芸術性がよく理解できていなかったんです。でも、そのテレビに出てきた書道の大家は、その点について語っていました。見本の通り、真似しようと思って、頑張って真似するが、どうしても真似できない部分が出てきてしまう。例えば、心の機微だったり、あるいは身体的な特徴によって、文字がよることがあるだろうと。そして、そのどうしても真似できない部分が、個性であるから、芸術性を帯びてくるのである、ということでした。
若干うろ覚えなので、正確でないかもしれないのですが、今回の楠木建さんの話に触れて思い出されました。
「絶対悲観主義」の好循環とは!?
そんなに悲観的で、やる気が滅亡するのでは!?と思いましたか?私も思いました。
でも、楠木建さんなりのロジックを見ていくと、実は悲観的だからこそ、努力をしましょう。という内発的な方向性へのポジティブさが見えてきます。
自分に都合よく考えない。「何とかなる」では何ともならない。だからこそ、精進を重ねようという気持ちにもなります。それでも、成功を期待しない。だから、気楽に取り組める。失敗しても、いちいちダメージを受けない。自然と次に動き出せる。紆余曲折を経た挙句、振り返ってみたときに、自分なりの確かな道ができている。それが絶対悲観主義者の活きる道です。
第1章 絶対悲観主義
「なんとかならないから、精進する」この心構えが、なんと大切なことでしょう。
いつだか、とある社長にうかがったことを思い出します。「常に、修行」とその成功者の方はおっしゃっていて、「あー、そういうものなのかな」と思って聞いていたのですが、楠木建さんの言葉を通じて、その方のご発言をあらためて、噛みしめるところです。
まとめ
- 「絶対悲観主義」とは!?――「うまくいくかも」という淡い期待を捨てて、「うまくいかないものだ」という前提で、ものごとにあたり、行動していくことです。
- 「絶対悲観主義」的メリットとは!?――6つのポイントが結果的に期待できます。
- 「絶対悲観主義」の好循環とは!?――淡い期待を捨てられるので、常に精進に集中できます。
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