【アドラー心理学をリーダーマインドに活かすには!?】みんな違う。それでも、チームで仕事を進めるために大切なこと。|岩井俊憲

みんな違う。それでも、チームで仕事を進めるために大切なこと。
  • 変化の時代、組織のあり方、チームのあり方、個人のあり方も異なる中で、どんなリーダー像が求められているでしょうか。
  • 実は、「アドラー心理学」にヒントがあります。
  • なぜなら、アドラーはフラットな組織(=横のつながり)を大切にしながら、「建設的」であることに主軸を据えた考え方を展開しているからです。
  • 本書は、そんな「アドラー心理学」からみたよきリーダー像のあり方に関する1冊です。
  • 本書を通じて、これからのチーム運営に明るい視点を得ることが可能です。

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岩井俊憲
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常に「建設的」であるとは!?

アドラー心理学は「建設的」という視点を大切にしている

はじめに

建設的である、ことの対義語ってなんでしょう。私は本書を読んで、対立であると思いました。たとえば、「花は美しいから好きだ」「花は枯れるから嫌いだ」という人がいたとしましょう。これらを真っ向から闘わせてしまうと、妥協点が見えないです。でも、建設的であるスタンスで、両者が合意を見出し、そして双方が活きる道を探すとどうでしょうか、すると「花は美しく儚く、枯れるからこそ、種を残す」という論点を見出すことも可能になるのです。私は、これが建設的であることだと思います。アウフヘーベンです。テーゼにアンチテーゼをぶつけ、ジンテーゼを見出すこと、これを地でいくのがアドラーかも知れません。

過去の投稿「【アウフヘーベンしようぜ?】直線は最短か?~当たり前を疑い創造的に答えを見つける実践弁証法入門~|阪原淳」もぜひおすすめです。世の中で対立してしまうことは結構多いものです。「正しい―正しくない」という価値観が固定化していることが原因かも知れません。価値観は、人によって違います。なぜなら、見える世界が異なるためです。自分もそうだし、相手もそう、そういう気持ちで、価値観を固定化せずにアップデートしていくことが、これからの時代を生きていく、あるいは生きやすくするために、なにか重要であるように思います。

人は、二項対立が好きです。白黒はっきりしたほうが、脳が喜ぶのでしょう。でも、ここが落とし穴。過去の投稿「【生きるための知恵の身につけ方とは!?】勉強するのは何のため?|苫野一徳」にとおいて、苫野一徳さんは、二項対立は見せかけの問いで、本質的ではないと説いていました。

そして、「どちらか」ではなく、「どちらも」のスタンスで、「共通理解」を得ることがものごとに対して、人と向き合うためのヒントになると言います。

どんな環境に置かれようとも、「自分の進む方向性は自分で決めることができる」「建設的な道を選べる」という考え方はとても大切です。しかし、「自分で選べる」ということは、言い換えると、「すべては自分しだい」「自分の行動は自分の責任である」ともいえます。

影響は受ける。だが、決定打ではない

不機嫌は、気分だが、上機嫌は、意志である。という言葉を聞いたことがあります。まさに、自分の意志が大切なのです。どんなときも、きっと建設的な道があると思って、進むこと、そして対話を忘れずに、人とともに歩むことがアドラー流なのです。

「建設的」であるためのポイントは!?

まず、大切なのが、「目的」を大切にすることです。

「なぜ少女は不機嫌なのか」と「原因」を考えるのではなく、「何の目的があって不機嫌でいるのか」と「目的」を考えた方が適切といえます。

人が不機嫌になるには「目的」がある

例えば、不機嫌に向き合うとき、「なぜ、~~なのだろうか。」と問いがちです。でも、ここに答えはないのです。大切なのは、「目的」を考えること。不機嫌であること、あるいは、そのような状況になっているのは、目的があるのです。これはリーダーとして部下や上層と向き合うとき、あるいは、対外的なスタンスを導くときに、重要な視点となります。

さらに、「目的」をかんがる時と同じくらい大切なのが、「共同課題」と「個別課題」の切り分けです。課題の分離をして、分けて考えることが大切です。

共同の課題が成立する条件は、大きく分けて、二つです。

「共同の課題」にするには条件がある

1つは、どちら側からでも「相談」「依頼」があった場合
もう1つは、どちらかが「迷惑」を被っている場合です。

これ以外は、個別の課題として向き合うことです。少しドライかも知れませんが、部下には部下の課題もあり、これに踏み込んではいけない領域もあるのです。2つの意味で、領域に勝手に踏み込んではいけません、1つは部下の成長のため、そしてもう1つは、チーム全体の最適のためです。あまりに、パーソナルな課題に向き合っていては、全体への目がいかなくなったり、最適配置ができなかったりすることになります。

共同体意識を磨くために・・!?

「誰かが始めなければならない。他の人が協力的ではないとしても、それはあなたには関係がない。私の助言はこうだ。あなたが始めるべきだ。他の人が協力的であるかどうかなど考えることなく」

他者に関心を寄せ、信頼する。まず自分から

まず、ギブすることです。誰かを待ってはいけない。自分から動くことがポイントです。

過去の投稿「【正しく、”ギバー(Giver)”になるには!?】GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代|アダム・グラント,楠木建」が思い起こされます。この本、本当にいい言葉がたくさん書いてあるんですよね。折を見てまた、繰り返し読んでいきたい1冊です。ぜひ、今回の1冊と併せて読んでいただければと思います。

まとめ

  • 常に「建設的」であるとは!?――アウフヘーベン的に見出される対立ないものごとの見立て方です。
  • 「建設的」であるためのポイントは!?――「目的」や「共同課題」に注目してみましょう!
  • 共同体意識を磨くために・・!?――まず、自分からはじめてみること、Giverになりましょう!

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