- きっと、将来にかけてモノの届け方が変わってくるんだろうなぁと思いませんか。
- 実は、群馬県高崎市の小さなスーパー「まるおか」にそのヒントがあるかも知れません。
- なぜなら、スーパー「まるおか」は、非常にとんがった個性的な店なのです。
- 本書は、スーパー「まるおか」の代表丸岡守さんによるはじめての書籍です。
- 本書を通じて、今後のモノの届け方について、ヒントを得られると思います。
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「まるおか」の品揃えとは!?
ずばり超ストレートです。
しかし、ナショナル部rなどの商品を一切扱わないまるおかでは、安さの勝負はできません。それなら、なんで勝負をすればよいのか……。私の中では答えは決まっていました。「おいしい」と自信をもってお薦めできる、自慢の一品だけを取り揃えるしかsありません。小さな店ですから、隅から隅まで手を抜けません。少しでも手を抜いてしまえば、お客様は二度と足を運んでくださらないでしょう。
■巨大ショッピングモールのすぐ隣で
丸岡守さんは、先代から店舗を継ぐ前から、モノがあふれる社会を疑問視していたといいます。「安ければ、買ってくれる」という、いいものかどうかは二の次のスタンスに、疑問を呈し、独自の店作り(品揃え)をひとつひとつ形にしていきました。
いまでは、結果としてナショナルブランドは、店舗に無いそうです。でも、スーパーマーケットの一般的な商圏が10キロメートルと言われる中、2~3時間以上も時間をかけて通ってくださる常連のお客様がいらっしゃったり、あるいは、常連さんが従業員として志願してくださったり、強い反響を得つづけています。
投稿「【アパレル市場は、未来市場!?】ZARA、ユニクロ圧勝の秘密を明かす 生き残るアパレル 死ぬアパレル|河合拓」で取り上げた、小売(アパレル)の未来に触れるところでもあります。この中で河合拓さんは、将来的にアパレル産業は、「4.超大手と個人事業に二分される」と分析します。私は、多くの製造・小売業で同じことが起きるのではないかと思います。なぜなら、まさに「まるおか」と近隣競合大手スーパーの構造が、まさにこのとおりだからです。
「まるおか」の店舗運営の思想とは!?
まるおかの品揃えの突飛さを取り上げましたが、実は、まるおかはその小回りのきく小ささをいかして、独自の店舗運営を行っています。これがまた、すごい。
まず、いまではスーパーで当たり前の無休運営をしません。かれらは、日曜日きちっと休むのです。
正直に言うと、平日と週末の売上に大きな差がなかったことも、日曜定休に踏み切れた理由の一つです。
■日曜日を定休とする理由
のように、丸岡守さんは、かたります。日曜日をお休みにすることで、人材の定着化に寄与しました。日曜日は、家族を持つパートさんにとって、家族とのくつろぎやイベントの大切な時間。だから、日曜日を罪悪感なく休めるまるおかは、パートさんの定着率が抜群だそうです。これにより、人材の教育コストが省けているようです。さらに、この人材の活かし方にも一癖あります。
担当の部門以外にもいくつかの仕事を掛け持ちしてもらうのが、まるおか流です。
■売れる喜びを知るための兼任担当
これをマトリクス組織といいます。メリットは、自分の業務を客観的に見られ新たな提案を思いつきやすくなることで、作業化を阻止することができます。一方でデメリットは、管理が行き届かなくなるケースもあるのですが、これをまるおかは小さい店舗運営でカバーしています。つまり基本はメリットしか得られない状況を、その規模で作れているのです。例えばレジ打ちだけしているよりも、アイスクリームのバイイングを兼務している人の方が、自分が仕入れた商品がどんな人にどれだけ販売できたのかを、よりリアルな手応えを持って確かめることができます。店舗がどうしたらより良くなれるのか、いくつかの視点でアイデア創出することが可能になるのです。
さらに、兼務を通じて、従業員通しの繋がりがより複雑になります。これも、新しいアイデアを生み出したり、活気を創造したりすることに寄与します!
2つ以上の部門や組織に所属するメリットは、過去の投稿「【越境人材は、2度死ぬから、生きる!?】越境学習入門|石山恒貴,伊達洋駆」などでも確認できると思います。ぜひ、お手に取っていただくことをおすすめします。
これを、丸岡守さんは、手探りで見出していったといいます。すごい。
「まるおか」の人への見立てとは!?
「食べ物が病気をつくり、食べものが病気を治す」これは疑いようのない真実です。だから私は、良いものだけを仕入れると決めました。誰にも嘘のない生き方を選ぶことにしたのです。
プロローグ 小さな店だからできること
こうした、私は「こう人を見立てる!」という独自性が、店作りの原点になっています。本当に高いものは売れないのか?なぜ、安いものが歓迎されるのか?いろいろな社会への問いを持ち、疑問を投げかけていったアンチテーゼのようなお店が、きっと「まるおか」なのです。そんな社会にあって、超個性的だけど、ファンが途切れない小さなスーパーマーケットという、新たなジンテーゼを創出したのです。
ちなみに新しい概念を世の中に生み出す「弁証法」的思考については、過去の投稿「【アウフヘーベンしようぜ?】直線は最短か?~当たり前を疑い創造的に答えを見つける実践弁証法入門~|阪原淳」がおすすめです。
まとめ
- 「まるおか」の品揃えとは!?――「おいしい」「また食べたい」と心から思える商品しか置かれません。結果、ナショナルブランドが品揃えからなくなったといいます。
- 「まるおか」の店舗運営の思想とは!?――モノだけでなく、人を大切にする仕組みを構築しています。
- 「まるおか」の人への見立てとは!?――人は、本来的に量ではなく、質を求めるものであるという思想があります。
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