- 人生の捉え方、捉え直しが、すべての人にとっての課題になる時代です。
- 実は、「本多静六」という人物の生き方がお手本になるかも。
- なぜなら、「職業の道楽化」「人生即努力、努力即幸福」「四分の一天引き貯金と株式投資」「1日1ページの原稿執筆」など、独自の思想に基づいた生き方をした、本質を極めるパイオニア的存在だからです。
- 本書では、「本多静六」の人生を追走することで、彼の思想とそれによる言動の真相に深く触れることができます。
- きっと、生きるための新しい心構えを見つけるヒントを得られると思います。おすすめです。
本多静六という人生
本多静六は、肩書でいえば、東京帝国大学農学部教授をつとめた林学者です。我が国初の林学博士でもあります。多方面での活動は極めて多彩で、一言で言い表せない人生を生きた人でした。
明治日本が近代化のお手本にしたドイツにおいて林学が国家経済のいち分野という位置づけであったように、林業は経済基盤をなし、防雪、防砂、防潮、水源確保、山崩れや洪水の防止など、社会インフラ整備や国土強靭化の役割を担っています。
まさに、国家の基礎をなし、そして未来を作るのが林業なのです。本多静六は、明治から昭和にかけて、その人生のなかで、多くのプロジェクトに関わりました。
その代表例が、「明治神宮御境内林苑計画」でしょう。明治天皇の御霊を祀るため、大正九年(1920年)に実行された国家プロジェクトです。本多静六は、なんと、50年、100年後の風景を想像し、自然のままの原生林が育つ環境を整備しました。いまや、明治神宮は、整備された里山や公園とは一線を画す、原生林さながらの森になっています。多くの野生動物が生息する森に成長したのです。
こうした未来を見る慧眼と、そして本質を見失わない視点を本多静六は持ち合わせていました。ものごとを中長期的に見定める投資でも彼はいかんなくその能力を発揮しました。
株式や山林への投資でも成功を収めた彼は、”蓄財の神様”として世に知られるようになり、現在価値で500億円を下らない資産を築き、障害に367冊もの著作を残した。
プロローグ 永遠の森
そんな、異端の学者、そして投資家でもある、本多静六から、現代を生きるための思想、そして心構えのヒントを貰いましょう。
本多静六にとって、お金とは?
静六は絶えず先を読む人だ。山林投資も根拠なしに始めたわけではない。
貯蓄から投資へ
この元手となったのが、長年続けていた貯蓄です。給与を天引きで4分の1貯蓄に回していたといいます。単にためるだけではなく、長い視点でものごとを捉えて株式投資・山林投資をすることで、確実に資産を増やしてきました。
彼の投資手法としては”10割益半分手放し(株価や土地の価格が倍になった際には半分売却して手持ちの分の原価をゼロにしておく)”や先物取引における”2割上げ利食い”などが有名だ。
貯蓄から投資へ
投資のテクニックを駆使した彼ですが、最も大切にしたのは、銘柄の選定だったといいます。会社の将来性をしっかりと見定めてて、これに納得がなければ、ぜったいに飛びつかなかったといいます。また、時節を待つことにも執着しました。焦らず、怠らず好機が来るのをじっと待つことも忘れませんでした。
こうした活動で、莫大な資産を築いた静六ですが、なんと、還暦を迎えた時、郷里の若者の育英資金として使ってほしいと、所有する山林のすべてを埼玉県に寄付したのです。
金儲けとは理屈でなくて、実際である。計画でなくて、努力である。予算でなくて、結果である。その秘伝はとなると、やっぱり根本的な心構えの問題となる
『私の財産告白』――本多静六著
彼にとって、お金ってなんだったんでしょう。お金を稼ぐということってなんだったんでしょう。
本多静六にとって、人生とは?
本書を読むと、つくづく、本多静六は、仕事や勉強を愛する人だったということがわかります。やらされてそうなるのではなく、自分から取り組むことの意義やこれを支える志を感ぜずにはいられないのです。
人生の最大幸福は職業の道楽化にある。富も、名誉も、美衣美食も、職業道楽の愉快さに比すべくもない
職業の道楽化
これからの時代をどのような心構えで生きていけばいいでしょうか。辛いことも、幸せなこともある人生ですが、なにか支えになる考え方はないでしょうか。
本多静六の人生や言葉に触れることで、きっとすてきな刺激を得られると思います。
『天才マイナス努力』には、『凡才プラス努力』のほうが必ず勝てる
職業の道楽化
彼は、このようにも語ったといいます。非凡な努力の才能を開花させ、多くの著作を生んだ本多静六ですが、1日1ページの著作習慣を持っていたといいます。
人生も、勉学も、仕事も、投資も、お金の問題も、一朝一夕には、なしえません。でも、本多静六という人生があるからこそ、私たちも何かを信じられそうです。
本多静六はいいぞ!とおすすめをされている投資家の藤野英人さんの著作「【幸せな投資とは!?】投資家が「お金」よりも大切にしていること|藤野英人」もとてもおすすめです!
まとめ
- 本多静六という人生――独自の心構えで、未来を信じ、そして創り上げた人です。
- 本多静六がにとって、お金とは――究極は、心構えなのです。
- 本多静六がにとって、人生とは――彼の言う「道楽」が、きっとヒントです。