- メタバースやWeb3が来るのはわかったけど、どうしたらいいの!?っていう方少なくないのでは?
- 実は、メタバース市場を分解してとらえていくのが良いかもしれません。
- なぜなら、すでに細分化された市場での覇権争いはすでに始まっているからです。
- 本書では、Synamon社COO武井勇樹さんが、これからの市場俯瞰を語ってくれます。
- 本書を通じて、メタバース市場の主要プレイヤーを知れるだけではなく、メタバース普及への課題感についても触れることができるでしょう。
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メタバース市場100兆円!
2022年1月31日の日経のこの記事が目に止まった方も少なくないはず。
2021年10月に米フェイスブックが社名を「メタ」に変え、本格参入したことで注目度が高まった。米マイクロソフトや米エヌビディアも開発に取り組む。日本でもKDDIが東京都渋谷区などと組み、渋谷を仮想で再現した「バーチャル渋谷」を作った。カナダの調査会社の予測では、20年に約5.5兆円だった市場は28年に100兆円に迫る。
メタバースとは 仮想空間、28年に100兆円市場迫る|日本経済新聞2022年1月31日
カナダの調査会社によると、たった6年程度で、飛躍的に市場が拡大するとの予想でした。
市場が拡大するということは、多くのプレイヤーが参入しますが、競争よりも、発展が優先されるので、比較的勝負がし易い環境が続けられると一般的には考えられます。
そんなメタバース市場ですが、いろいろな書籍が出ています。
そんな書籍とやや一線を隠すのが、今回の投稿で取り上げる、本書です。
「100兆円はわかった!で、どんなチャンスがあるの!?」というのが、きっとみなさんの正直な感想だと思います。
これに対して、本書では、メタバース市場を細分化して答えてくれています。
メタバース市場を捉えるカテゴリー
実はメタバース市場のビジネス構造は、パソコンやスマートフォンの世界と同じです。
005 メタバースの経済圏とは?大企業が注目するポテンシャル
デバイス(ハード)があって、それに乗るソフトがあって、通信等のインフラが整うことで、市場拡大の基盤が整います。
武井勇樹さんは、カテゴリーを以下のように分類します。
- 体験・・・FORTNITE、META、YouTube、NETFILIX、Nintendoほか
- 発見・・・Facebook、Unity、Google、Google Play、App Storeほか
- 制作ツール・・・Unity、EPIC GAMES、Adobe、Microsoft、ROBLOXほか
- 空間構築・・・Unity、UNREAL ENGINE、Google AI、OpenAIほか
- 分散システム・・・Microsoft、OpenSea、IBM、Polygon、Ethereum、IOTAほか
- デバイス&ハードウェア・・・Oculus、Apple、XBOX、Playstation、Nintendoほか
- インフラ・・・AWS、Azure、NVIDIA、AMD、Apple、intelほか
こんな風に、市場を細分化することで、機会点を見極めやすくなります。
なお、インフラ側にいくほど、影響力が強くなる(=収益インパクトも大きくなる)ので競争力も激化すると予想されます。
ちなみに、武井勇樹さんがおっしゃるようにメタバース市場は、パソコンやスマホと同じようなハード&ソフト市場であるならば、横断的に市場をおさえるプレイヤーが、覇権を握ることが予想されます。
たとえば、Apple社は、デバイス、ソフトウェア(アプリ)、コンテンツなど垂直横断的に提供して、スマートフォン時代の覇者になりました。Googleもそうですね。垂直横断的に市場覇権が握れなくてApple、Googleの後塵を拝する形となったFacebookは、METAに社運を欠けているというわけですね。
こうした視点で、カテゴリーを見てみると、いくつか注目プレイヤーが見極められる予感もします。
過去の投稿「【乗り遅れるな!?真にパーソナルな時代へ】メタバースとWeb3|國光宏尚」や「【新たなフロンティアとチャンスとは!?】世界2.0 メタバースの歩き方と創り方|佐藤航陽」では、メタバース世界とリアル世界がどのようにクロッシングするのか?そのことで、人間の生活や社会はどんなふうに変容を遂げていくのかを知ることができました。
その上で、市場細分化し、どこにチャンスがあるのかを見極めるのは、非常に意味があることなのではないかと思いました。
ものごとは、全体観と細部両方を行き来して、自分の物にすることが大切と思います。
新しい概念、市場だと、なおさらと考えます。
ぜひ、あわせてお手にとってみて下さい!
メタバース世界普及の課題点とは!?
そして、メタバースとひとくちにいっても、実は大きく2つの概念を含むことを忘れてはいけません。
メタバースには大きく「クローズド」と「オープン」の2つの方向性があり、これらを混同するとやや議論がややこしくなります。
006 クローズドメタバースとオープンメタバースの違い
クローズドは、1社単独で提供しているメタバース、オープンは複数のサービスで相互運用しているものです。将来的な可能性があるのは、オープンでしょう。そして、NFTやブロックチェーンの技術がより求められるのは、相互運用時の信頼性・信用担保が必要なオープンメタバースと考えられます。
これだけではなく、武井勇樹さんはメタバース普及に向けた課題点も整理してくれています。いくつかご紹介すると、
- マスに普及するためにキラーコンテンツが生み出されるか?
- ゲーム以外のユースケースが確立されるか?
- 既存のウェブやリアルのコンテンツとの連携ができるか?
- 手軽なデバイスが登場するか?
- (あるいは)五感すべてで没入できるフルダイブ技術が確立されるか?
などです。
確かに、任天堂のゲームが覇権を握ったときには、「スーパーマリオ」という超大物のコンテンツがあって、その派生としていろいろなキャラクターコンテンツによる経済圏が創られました。
先日、とある飲食店経営者の方と事業再構築のための新規事業のコンセプトについてお話をさせて頂く機会がありました。その中で、「ライフスタイルコンセンプト」は、なぜうまく行きにくいか?という問いを投げかけられました。
「ライフスタイルコンセプト」と言うのは、生活すべてをくくる横断的ブランドのことです。たとえば、成功者でいうと「無印良品」があげられるでしょう。
そのときの経営者の方の言葉が印象的だったのですが、いくつも登場して憂き目に合う「ライフスタイルコンセプト」には、「目玉ながい」・・と。
「何を売りたいのかが分からないものは、消費者になかなか受け入れられない。
必ずこれだ!という目玉を持って、市場導入しないとうまくいかない。」とのこと。
なるほどなぁ、と思いました。
この視点で、無印良品の最初の商品って何だったんだろうって見ると、驚くべきことにいわゆるPBなんですね。このサイトに1980年当時の商品ラインナップが載っているんですけど、まさにPBなんです。「素材の選択」、「工程の点検」、「包装の簡素化」をテーマに食料品と少しの生活雑貨から始めたから、もしかしたら、その背景に託された思想を理解しやすかったのかもしれないと思いました。
まとめ
- メタバース市場100兆円!――2028年までに100兆円規模に成長するとの予想が出ています。
- メタバース市場を捉えるカテゴリー――成長市場をハード&ソフト等で、細分化して捉えてみましょう。
- メタバース世界普及の課題点とは!?――ハード&ソフトの課題があげられます。
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