プロセスエコノミー あなたの物語が価値になる|尾原和啓

プロセスエコノミー あなたの物語が価値になる

安くて良い製品やサービスがあふれる時代、”良いもの”を作るだけでは売れません。これからの時代の差別化要素は、競合が真似しにくい製品やサービスに託す想いやその製造・提供過程のストーリー(プロセス)です。インターネット環境やクラウドファンディング等新しいツールを活用して積極的にプロセスを活用しましょう。

アウトプットだけでは、勝負がしづらい時代へ!

今、”良いもの”を作るだけではモノが売れない時代になりました。

第1章 なぜプロセスに価値が出せるのか

これまでの時代は、製品の品質や流通価格、マーケティングがポイントでした。いいものを作って、安く提供して、適切に知ってもらい、適切に届けるという作り手から受け手への一方通行な消費スタイルです。

しかし、技術革新やインターネットの登場で、ものや情報が簡単により多く行き渡る時代になりました。結果、どこの製品もサービスも似たりよったりの性能や機能で勝負しています。つまり、アウトプットされた製品やサービスだけでは消費者は選べない時代であると言っても過言ではありません。

プロセスを重視したアプローチに勝機!

このような人もモノも埋もれる時代の新しい稼ぎ方が、プロセス自体を売る「プロセスエコノミー」です。

第1章 なぜプロセスに価値が出せるのか

SNSが普及しきって、情報やコンテンツが爆発的に増えました。誰でも自分の仕事やサービス、商品をPRできる環境です。情報化社会は模倣しやすさでアウトプットだけでは勝負しづらい環境を作りましたが、一方で、プロセスを発信しコアなファンを獲得するチャンスも与えてくれます。

たとえ数人であっても商品やサービスに深く共感してくれるコアファンを獲得すれば、継続的な利益を生んでくれるだけではなく、周囲への宣伝という応援までしてくれるようになります。

クリエイターになぞらえて、例えば、制作過程を特別に有料公開するサービスを考えたとしましょう。このクリエイターは、1.成果物ができる前からお金を手に入れることができます。また、2.制作過程において寂しさを解消することができます。さらに、3.長期的なファンの育成にも繋がります。

これを企業や事業で解釈するならば、早期キャッシュイン、開発モチベーション/フィードバックの獲得、LTVの向上というメリットで説明することができるでしょう。

プロセスエコノミーに、本当に必要なのは、”WHY”!

プロセスに価値を乗せるには、作り手がそこにストーリーを込めたり、なぜやるか(Why)という哲学を示すことが大切です。

第1章 なぜプロセスに価値が出せるのか

ただ単に商品の制作過程をオープンにするだけでは、人は魅力を感じてくれません。人が求めるのは、あなたの中にある「Why」(なぜやるのか・哲学・こだわり)です。

正解を出すことにこだわりすぎずにβ版でもいいから出してみようという余白を残して、ファンとともに作り上げていくマインドもまた、重要です。強いWhyがあればあるほど、こうした余白に多くの共犯者が集まってくれて、あなたの事業を盛り上げてくれることでしょう。

与える人、受け取る人という一方通行の関係性を超えて、共に新しいものごとを作り上げていく仲間であるという認識を持てるか、が、キーポイントです。

新たなプロモーションのアプローチを考える方はもちろん、現在のマーケティングが置かれている状況を俯瞰したい方にとっても非常に参考になる良書です。プロセスエコノミーになぜいま、着目するべきなのか、の背景を非常に詳しく書いてくださっています。ざっと社会の状況を俯瞰しながら、自社製品やサービスの販売手法や価値提供の方法を一旦見直すことができます。おすすめです。

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