【論文は、「問い」から始めよう!?】基礎からわかる 論文の書き方|小熊英二

基礎からわかる 論文の書き方
  • 人と、文章でコミュニケーションを取る時に、何か参考にできることはないでしょうか!?
  • 実は、「論文」にヒントがあるかも。
  • なぜなら、「論文」とは、自分の考えを端的に表現するための方法だから。
  • 本書は、小熊英二先生による、論文とはなにか?を説く1冊です。
  • 本書を通じて、ビジネスでもとても役立つ文章のコツを知ることができます。
小熊英二
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論文は、ビジネスに使える!?

まず、本書が大切にしてくれるのは、「論文を、どう書くのか?」ではなく、「論文はなにか?」ということです。つまり論文とは、なんのために、存在するのか、ということから始め、そのために、「何を」書くのかということにフォーカスしてくれています。

「論文を書く」ということは、自分の考えを根拠と論理をもって説明し、他人を説得することにほかならないからです。

第1章 論文とは何か

こうした考えをまとめ、人に伝わり、人に納得してもらうための文章は、それすなわち、ビジネスでとても重要視されるものとなります。論文の考え方を知ると、ビジネスがうまくいくようになるはずです。

例えば、ひとつの商品があったとして、その商品の素晴らしさを説明する時、どうしますか?「素晴らしい商品です!」とだけ伝えても、相手は「?」ですよね。「これまでの商品とどう違うのか」「素晴らしいポイントとしての利点はどこにあるのか」を明確に伝える必要があります。

こうした、論点を網羅して、相手に伝えるための構成を検討することを養えるのが、論文というコミュニケーション・フォーマットということになります。

論文の構成とは!?

論文は、相手を説得する技法から発達したものである。

第1章 論文とはなにか

そんな論文ですが、どのような構成になっているでしょうか。3つ基本的な構成を学んでいきましょう。

1)主題提起
2)論証
3)主題の再確認

というのが、基本的な構成です。

主題提起というのは、問題と主張です。最初に問題点を解決するための結論について、述べる形式を論文ではよく取ります。また、実は最初の最初は、読者のつかみを取るためのフレーズや文章で始めることも多々あります。フックと呼ばれる要素を盛り込むことがそれが可能になります。論文も読んでもらわないとなのでそういう、工夫も必要なんですね。

そして、結論を支えるのが論証です。論証というのは、基本的にはさらに3つのパートに分かれていることが多く、それぞれに役割を持ちます。

とくに3つのパートの内容としては、次のような視点で論拠を構築していきます。

  • 比較 comparison
  • 対比 contrast
  • 過程 process
  • 状況記述 description
  • 原因 cause
  • 影響 effect
  • などなど

最後には、もう一度、主題を確認するのが基本形となります。全体の締めくくりとして予測や、今後の展望などにもふれることもあります。

これらの大まかな流れをパーツで支えていくのが、「パラグラフ」と呼ばれる文章のかたまりです。これは、段落というよりも、一つの内容のまとまりのようなものとして捉えていただくとより良いと思います。

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論文は何から始まる!?

主題について検討してみましょう。主題というのは、問題意識とそれに対する見解や結論などです。問題意識から始まるということは、「問い」の形式を取るということにキーがあります。つまり、問いがなければ、主題というのは始まらないということになります。

すこしものごとを俯瞰してみると、これまでの時代というのは、「問い」は始めから規定されていることが多くて、「答え」をいち早く正しく見つけていくことに価値の軸足が置かれてしました。例えば、いかに早く移動できるか、とか、いかに低コストで生産できるか、のような問いがあって、それに対してより良く答えていくことを競うようなイメージです。

でも、ものやサービスが潤沢にいきわたる世の中において、実は、「問い」自体が枯渇しているかのようであります。解決策やソリューション、技術は十分にあるのですが、新しい「問い」を自ら定義していく必要性のある世の中で、「問い」方が仕事や暮らしの争点になっています。

論文を書くにしても、相手を説得するにしても、なぜ、書くのか、なぜ、説得するのか、そうした「問い」視点が不足してしまっているようでは、その後の活動が根無し草になってしまうかも知れません。

主題は抽象的な問い、対象は具体的に調査できるもの。

第3章 主題と対象

抽象と具体の間を行き来する感覚を大切にしながら、自分の「問い」を見つけて、それについて研究や学習を進めてみることにしてみましょう。

まさに、抽象と具体の行き来こそが、仕事であるという主題の本もいくつかあります。ぜひご参考にしていただきながら、仕事をするとはどういうことか、自分の活動を作り出していくことはどういうことかについて触れていただくと、よりよい視点を得られるかも知れません。

こちらの1冊「【「わかりやすい!!」は、本当に価値なのか!?】具体と抽象|細谷功」やこちら「【具体と抽象の間で仕事が生まれる!?】具体と抽象が、ビジネスを10割解決する。|谷川祐基」もご参考にされてください。

まとめ

  • 論文は、ビジネスに使える!?――説得のコミュニケーションのフォーマットとして活用できます。
  • 論文の構成とは!?――3つの構成で、主題を支え、強調します。
  • 論文は何から始まる!?――それは、パーソナルでソーシャルな「問い」から始まります。
小熊英二
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