【「わかりやすい!!」は、本当に価値なのか!?】具体と抽象|細谷功

具体と抽象
  • なんでも、「わかりやすいこと」に流れていると思いませんか!?
  • 実は、わかりやすいことは、ものごとの本質を捉える足枷かも。
  • なぜなら、具体ばかりに着目して、抽象化への道をなくすからです。
  • 本書は、具体と抽象から、考えることやものごとの本質に迫る視点を得る1冊です。
  • 本書を通じて、世界を理解する視点の高さと奥行きを得ることができます。
細谷功
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わかりやすいことが求められる!?

仕事をしていたり、普段生活をしている中で、「わかりやすい」ことを価値に感じることはありませんか。あるいは、評価として「それ、わかりやすいね!」とか、「もっと、わかりやすくできないかな?」とかそうした会話って、頻発していると思われます。

世の中、何ごとも「わかりやすい」方向に流れていきます。

はじめに

また、情報化社会の中で、処理する情報の量が潤沢になればなるほど、人はさらにわかりやすいことを目指していくようにも感じます。

わかりやすいということは、多数派に支持されることとなります。こうしたことから、多くの人に歓迎されてわかりやすいことは増殖を繰り返していく一途です。

わかりやすさの象徴に、具体性があります。本でも、テレビ番組でも、公演でも、ネットの情報コンテンツでも、とても具体的に描かれているものは、思わず「わかりやすい」と感じてしまう情報がたくさんあります。多数の人間を相手にした場合は、とくに具体性を意識しなければ、受け容れられにくいものになってしまうのです。

しかし、本書が取り扱うのは、その反対の「抽象」についてです。もうわたしたちは、十分にわかりやすい(具体性)に触れています。というのも、この世界自体が、具体で構成されているからです。人は、脳や考える活動や社会や世界を捉える視点を養いながら、具体の中に「抽象」でまとめ、線引し、捉える営みを続けてきました。人を人たらしめるのは、「抽象」の活動であるといっても過言ではありません。

いま、世界は定常社会をすすんでいます。成長が緩慢になり、物質面、情報面も含めて非常に成熟してきています。こうした世界の中でもとめられるのは、捉えどこがないとも見られがちな「抽象」よりも具体性に偏っていきます。

ところが、具体性ばかり、あるいは、わかりやすさばかりに着目していては、連続的な変化ばかりで、抜本的な非連続のイノベーションを起こすことは難しいのです。

具体だけでは、リスキリングもできない!?

例えば、自分の人生を考えてみてもいいのかも知れません。会社で1つの職務をえて、それに邁進をしているうちに、多くのサラリーパーソンが自らの専門性を特化させていくことになります。その特定の業務についてはスペシャリストで、社内でも右に出るものはいない状態まで突き詰めている人も多々あるでしょう。

しかし、デジタル化やAIの普及などによって、仕事の効率化が徐々に進む中で、自らの仕事が必ずしも永続することがわからなくなったとしたら、こうした専門性を持った人はどうしたらいいでしょうか。そのまま、社内でその専門性を発揮できるポストが残ればいいのですが、仮にBPOやAI、あるいは革新的なSaaSなどによって、置き換わることだってあります。

具体性だけに注目していると、そうした変化の兆しの中で、大きな挑戦や取り組み、あるいは、リスキリングやアンラーニングと呼ばれる成長変化の一歩を踏み出すことが困難になります。

というのも、具体性ばかりに着目しているがあまり、いったい自分の何が強みで、それを他のどんなところで活かせそうか、あるいは、不足するスキルやマインドセットは何なのかを知る由もないからです。

こうした、個人のキャリア視点を切り取ったとしても、必ず具体と抽象という視点の横断は必要不可欠なものになります。

人間のち生のほとんどは抽象化によって成立しているといっても過言ではありませんが、すべて具体性が重視される「わかりやすさの時代」にはそれが退化していってしまう危険性があります。

はじめに

ちなみに、リスキリングの視点については、こちらの1冊「【人的資本をいかに活かすか!?】リスキリングは経営課題~日本企業の「学びとキャリア」考|小林祐児」も大変おすすめです。ぜひご覧下さい。

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抽象を大切に!?

本書は、そんな忘れられがちな「抽象」という視点を駆使しながら、世界、社会、そして自分の人生を構築する考え方について触れるヒントを多く提示してくれます。

抽象化は、「わかりにくさ」からないがしろにされがちですが、これほどまでに人間の思考の基本中の基本であり、人間を人間たらしめ、動物と決定的に異なる存在としている概念は他にはありません。

この「抽象」という言葉に対して正当な評価を与え、「市民権を取り戻す」ことです。

【序章】抽象化なくして生きられない

次回の投稿では、この抽象とは何で、それを捉えることにどんな意味があるのかを、触れていくことにしましょう。

具体と抽象については、多くの先人がさまざまな視点で切り取りをしてくださっています。以下の書籍も大変おすすめです。

【抽象と具体の間!?】見えないときに、見る力。 視点が変わる打開の思考法|谷川祐基」、「【具体と抽象の間で仕事が生まれる!?】具体と抽象が、ビジネスを10割解決する。|谷川祐基」は、それぞれ谷川祐基さんの著書です。谷川さんは、企業コンサルティングでご活躍される方で、実践現場で培った具体と抽象の視点をさまざまな切り口で提供してくれます。特に、具体と抽象の間の往復運動について、読み応えがあります。

また、考えることの本質に迫るこちらの1冊「【考えるとは何か?】はじめて考えるときのように 「わかる」ための哲学的道案内|野矢茂樹,植田真」と具体と抽象の相性も良さそうです。

まとめ

  • わかりやすいことが求められる!?――わかりやすさがなければ受け容れられないほどの一方通行の大きな流れを生みます。
  • 具体だけでは、リスキリングもできない!?――イノベーショナルな1歩を踏み出しにくいです。
  • 抽象を大切に!?――抽象化とは、人間を人間たらしめる思考の視点です。
細谷功
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