- どうしたら、よりよいコミュニケーションを互いに行うことができるでしょうか!?
- 実は、まず、自己理解がキーになるかも。
- なぜなら、コミュニケーションとは、自分の意見や感じていることの交換だからです。
- 本書は、アサーションというマインドセットと方法論からコミュニケーションを1から考えるきっかけを提供してくれる1冊です。
- 本書を通じて、よりよいコミュニケーションの在り方を、基本から考えることができます。
アサーションの進め方!?
前回の投稿「【自他尊重に突破口がある!?】アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法|平木典子」に引き続き、今回もこちらの1冊『アサーション入門――自分も相手も大切にする自己表現法』をレビューしていきたいと思います。
アサーションとは、「自他尊重のための自己表現」のマインドセットと、方法論です。この思想と行動を身につけることによって、自分の気持ちに素直になり、かつ、相手の反応を知りながら、互いによりよいコミュニケーションを積み上げていくことが可能です。
その方法とは、次の3つで整理することができます。
1)自分の思いを確かめること(自分は、どうしたいのか)。
2)事実や状況を共有する(相手と、分かち合う必要がある事実はないか)。
3)提案は具体的に述べる(とりあえず、一つ提案をしてみよう)。
まず起点になるのが自分であることに注目をしてみましょう。コミュニケーションとは相手とのやりとりに焦点が当たることが多いと思います。例えば、話し方とか、聞き方とかです。でも、本当に大切なのは、まず自分が何を考えているのか、ということに気付くことなのです。
自分の意志を見つめて、それを互いに共有をしながら、同じなこと、違うことを認識して、その上で、同意したり、自分を変えたりすること、それがコミュニケーションの本質なのかもしれません。
人と共に生きる力
第4章 アサーションで身につく3つの力
まさにアサーションとは、共に生きる力を養うのですね。
アサーションは一人ひとり違う!?
一人ひとりが違うように、一人ひとりにフィットするアサーションの在り方があります。
たとえ、明朗快活でなくても、世話焼きでなくても、そして頑張っているようには見えなくても、信頼が置ける人、確かな仕事をする人はいるはずです。当てはめ思考で考えるのではなく、その人の個性を認めることもコミュニケーションではとても大切ですね。
一人ひとりの個性を認めるということは、必ずしもコミュニケーションの結果、同意に至るとは限らないということを知ることも大切です。
まず忘れてはならないことは、人はそれぞれ自分の意見や気持ちを持っていますので、アサーションを知っていようといまいと、あなたに同意するとは限らないということです。
第5章 心に届く伝え方
だから、自分の思いをうまく言えば主張が通るとか、配慮すれば相手が同意するという言ったことは原則ないものだと認識をしてみましょう。
だからこそ、アサーションでは、自分の主張や相手の主張があった際に、互いの「反応」に集中するのです。そこで、どうしたリアクションがあるか、それによってどういったフォローアップが必要になっているのかを考え、行動することが、よりよいコミュニケーションを成り立たせる秘訣です。
アサーションは、一発勝負のためのコミュニケーション法ではなく、互いを大切にし合うチャンスを相手任せにせず、自ら創ってみようとする第一声なのだということを覚えておきましょう。
第5章 心に届く伝え方
私メッセージを大切に!?
アサーションは、「私メッセージ」を大切にするということです。「私メッセージ」とは、「私は**と思う」とか「私は、**感じる」という自分視点のメッセージです。
たとえば、次の言葉は誰が主語になっているでしょうか。
- 「大声を出さないで」
- 「早くしなさい」
- 「だらしない」
これらは、
- 「(あなたは)大声を出さないで」
- 「(あなたは)早くしなさい」
- 「(あなたは)だらしない」
というふうに、あなたが主語になっていることに気づきます。これらの表現を「私メッセージ」にしてみましょう。
- 「(私が)声を小さくしてほしい」
- 「(私が)急いでほしい」
- 「(私には)だらしないと思える」
となります。このポイントは、断定的に「あなたが、**」だと決めつけると、相手はそれに対して「そんなことない!」と反応してしまうことがあるということです。そうではなく、「私メッセージ」で伝えることができれば、より率直で、決めつけに聞こえないコミュニケーションの起点を見出すことができます。
アサーティブなやり取りは、アサーティブな自己決断により支えられています。
おわりに
自分にとって大切なことを選び、それでも、人を無視したり、操作したりすることなくアサーティブな行動を選んでいくことは、自分らしい生き方を作ることにつながっていくのです。
まとめ
- アサーションの進め方!?――3つのステップでアサーションを行いましょう。
- アサーションは一人ひとり違う!?――個性を大切にしてよいのです。
- 私メッセージを大切に!?――「私は**」を起点にコミュニケーションをしてみましょう。