【変化を取り込め!?】SWITCHCRAFT 切り替える力|エレーヌ・フォックス,栗木さつき

SWITCHCRAFT 切り替える力
  • どうしたら、人生をより良い時間にできるでしょうか!?
  • 実は、スパッと切り替える時間が、起点になるかも。
  • なぜなら、過去にしがみつけば、問題が起こるからです。
  • 本書は、切り替えをキーに、人生を考える1冊です。
  • 本書を通じて、自分がなにに囚われているのか、客観視することができるでしょう。

人生とは選択の連続!?

過去にしがみつけば、問題が生じる。変化を受け入れれば、解決する。

グロリア・スタイネム――アメリカの作家・活動家

人生とは選択の連続で、その選択が「正しい」か、「間違っているか」に、二分されることはめったにありません。これまでの人生を振り返っても自分の選択が、良かったのか悪かったのか、きっぱりと決めつけることは難しいでしょう。過去を振り返った時、あのとき「こうしていればよかった」とか「こういう考え方が大切だった」と振り返ることはあっても、正誤に直結するかというと疑問です。

未来のことはわからない。だから、変化を常に受け入れて、前向きに進んでいくことより、人生をより良くするヒントはないのかもしれません。変化をポジティブに受け入れるということは、多少のリスクを取り続けるということです。リスクを取らなければ、より良い状態を目指すことは困難です。

なぜなら、私たちが「よりよい」と思えるビジョンは、きっとここではないどこかを指すからです。ここではないどこかをめざすにあたっては、現在の状態だけを維持することでは、難しいです。多少のリスクを払って、いまのコンフォートゾーンから一歩外へ、そしてさらにもう一歩、歩みを続けていく必要があります。

幸い、人には、変化や不確実なことを受け入れ、適応する能力があります。適応力は確実に高められます。そのためには、ラクなことだけをこなしていくのではなく、多少難しいこと、困難なことでも、積極的に引き受けながら、ポジティブな環境を自ら作り姿勢を持ち続けましょう。

本書のスイッチクラフトとは、複雑で予測不可能な世界を生きていくための柔軟性を手に入れる思考法です。変化を受け入れるためには、自らが「切り替える」ことが重要です。しなやかに切り替える力を手に入れれば、変化を自ら引き寄せて、成長につなげることができます。

自分のウェルビーイング[心も身体もすこやかで幸せを実感できる状態]を高めるには、変化を迫られるたびに受け身で対応するのではなく、みずからを導いていかなければならない。人生への取り組み方を臨機応変に変えていくのだ。

すばやく最適に切り替える

最初のマインドセットとは!?

まず大切なのは、そもそも人生や世界において、「定常」であることは一切存在しないということを受け入れる点にあります。

これは真実です。すべてのものごとは変化し続けています。むしろ変化しているからこそ、存在していると言ってもいいかもしれません。

私たちは「いまはとくに変化の激しい時代だ」と考えがちだが、歴史を振り返れば、大半の時代が席雪不透明な激動の時代だった。

DNAに組み込まれた「切り替える力」

レジリエンスのキーは、難題や変化にすばやく柔軟に対応するスキルです。慣れ親しんだ世界にしがみつくのを辞めましょう。私たちの脳は、どうしても予測マシーンとしての機能を全面に押し出してしまいます。なぜなら、それが生存のためには必要だったからです。ヒヤリハットした記憶を留めて置かなければ、サバンナでライオンに食べられてしまったかもしれないし、不注意な運転で事故を起こして怪我をしてしまうかもしれません。基本的には、その生存の力を根底に備えているという点に、メタ認知を働かせることが起点になります。

科学によると、私たちは眠っている時以外は、「次にどんな行動をとるべきか」について考えを巡らせていると言います。時に予測は、生存に欠かせない正しい判断を人間にもたらしますが、あるときは、予測のおかげで変化を受け入れることを拒んだりもします。

そうした自分の特性を客観視しながら、「切り替える力」を発揮できるマインドセットを作っていきましょう。「切り替える力」は具体的に次の4つの柱でできています。

1)素早く柔軟に対応する――思考・感情・行動を機敏に切り替える。
2)自分を知る――内面を見つめ、「核となる価値観」や能力を把握する。
3)感情への気づき――自己認識の一部で、自分のあらゆる感情を受け入れる。
4)状況をつかむ――ほかの2本の柱、「自分を知る」「感情への気づき」から情報を得ると同時に周囲の状況を把握し、外の世界にも目を向ける。

実は、「切り替える力」というのは、自分の内部を変える力です。ライフ・コーチのウィリアム・ブリッジズは、2つの変化を明確に区別します。

チェンジ(Change)――自分の外で起こる変化のこと。
トランジション(Transition)――自分の内で起こる変化のこと。

「切り替える力」によって、外の変化を内に取り込みながら、成長を続けていく柔軟さを手に入れましょう。

性格を磨こう!?

性格とは何でしょうか。実は性格というのが、トランジションの源泉となります。

性格については多くの考え方があるが、一般的には「状況に応じて、どのように感じ、考え、行動するかを予想する際に基盤となる個性」だと理解されている。

性格とはなにか

自らの信条に客観的になることで、自分の内部の予想を逆手に取ることができるかもしれません。いつもはこうやって捉えているけれど、本当はこういう見方もできるのではないか。などの問いを持てるかどうかが変化を取り入れるキーポイントです。

5つの性格の柱を考えてみます。「ビッグ・ファイブ」と呼ばれる性格診断の指標です。

  • 開放性──新たなことに挑戦する、未知の場所に冒険に出かける、新しいアイデアを積極的に取り入れるなど、新たな体験への意欲の程度を指している。
  • 誠実性──まじめで勤勉、仕事をやり遂げたいという意志の強さをあらわしていて、「やり抜く力」「忍耐力」などと重なる部分も多い。
  • 外向性──どのくらい社交的で交際が得意かを示す。内向的な人は「外向性」の特性が低く、ほかの人と一緒ではなく1人ですごしていると、活力を取り戻す。
  • 協調性──「感じのいい人」でありたい、他人の感情を害したくないと、どのくらい思っているかを示している。
  • 情緒不安定性──不安や心配にさいなまれたり、自尊心が低くなったり、うつ状態におちいったりする傾向がどのくらいあるかを示している。

5つの要素のうちとくに「切り替える力」のために大切なのが、「開放性」です。「開放性」の点数が比較的高い人は、新たな体験をしたいという気持ちが強く、自分の信念や思い込みが間違っている可能性を受け入れ、ときによって考え方を変えることができます。

自分の見解を見直すことは「知的謙虚さ」といいます。知的謙虚さを育むことはすなわち「切り替える力」を養うことになります。

「知的謙虚さ」を育むには、次のような工夫を積み重ねてみましょう

1)注意深く相手の話を聞く・・自分と相手の思考を真剣に比べて、違い・ギャップに気づきます。
2)努力すれば能力は伸ばせると考える・・可変であることを意識しましょう。
3)失敗してよかったと考える・・ものごとは解釈次第であることをしりましょう。

このような考え方や行動、思考を積み重ねながら、トランジションを受け入れる身体を作っていきましょう。ポイントは、常に状況に触れたら、ちょっと立ち止まって、注意深く観察し、他の視点から見つめることができないかを検証することです。

自己理解のためには、こちらの1冊「【頭がいいは、視点で決まる!?】メタ思考~「頭のいい人」の思考法を身につける|澤円」をご覧ください。おすすめです。

まとめ

  • 人生とは選択の連続!?――解釈次第であり、変化を受け入れることから始めるしかありません。
  • 最初のマインドセットとは!?――ものごとはすべて変化し続けていることを知りましょう。
  • 性格を磨こう!?――外界の変化に対する反応パターンが性格なのです。
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