【創造観をアプデしよう!?】模倣と創造 13歳からのクリエイティブの教科書|佐宗邦威

模倣と創造 13歳からのクリエイティブの教科書
  • どうしたら、社会と積極的に関わりながら、自らの価値を高めていけるでしょうか!?
  • 実は、柔軟な発想で、妄想から創造を繰り返していける力が必要かも。
  • なぜなら、かつてのように社会が絶対的な物語を提供してくれないからです。
  • 本書は、自らの世界を作り出していくために必要な創造性に関する1冊です。
  • 本書を通じて、これからの社会を生き抜くために必要な創造力を養うヒントを得ます。

創造とは、模倣から生まれる!?

大切なことは、創造とは必ずしも仰々しいものではないということです。まったく新しいことで、世の中に受け入れられることはありません。すべては、既存のものごとの組み合わせのはずです。

創造する力の根源には、真似があります。真似をすることで、自らの中に、これまでの社会や文化、あるいは技術の文脈を取り込みます。そして、それを自らのフィルターを通じてアウトプットしていくことで、創造性が生み出されていきます。

だから、まったくゼロからものごとを作り出していくのが、創造だ!という誤解を解くところからスタートしてみましょう。少し肩の力が抜けますね。

むしろ大切なのは、そうして肩の力を抜くことかもしれません。なぜなら、創造性にアクセスしていくためには、「自分の気持ちに素直であること」が求められるからです。自分の感覚や違和感を大切にしながら、どうしたらよりよい組み合わせのアイデアを紡ぐことができるのか、アンテナを立ててみることです。

過去の投稿「【真似を恐れるな!?】リバース思考|ロン・フリードマン,南沢篤花」でも、この点については、詳しく言及されていました。ぜひ一度、ご覧いただければと思います。

「創造」することは、希望をつくる力

はじめに 想像する力とは希望をつくる力

創造の3ステップとは!?

まず、模倣から始めましょう。どう模倣するかがキーです。

これまでの作品やカルチャーをトレースする目的は、2つ。それは、「自らの感性のセンサー」を磨き、技術やスキルを習得することです。その時、とくに重要なのが、頭で考えるのではなく、身体で感じながら、なにかすこれは好きだなぁ、とか、これには少し違和感を感じるなぁ、とか、その理由はなにか?ということについて、特に感覚を鋭敏に感じ続けるということです。意識を外に向けて、自分の感性のセンサーが反応するものと出会って行くことが重要です。

さらに、ステップ2では、想像をしていきます。

想像とは、違和感に対して自分だったらこうするなぁ、ということを、見いだすことです。世の中にあるものをちょっとずつ入れ替えたり、組み合わせを変更してみたりすることで、自分らしさを少しずつ入れ込んでいくステップです。

そして、ステップ3が、創造です。

自分なりのテーマやアイデアを具現化するために、実際にアウトプットとジャンプを繰り返していきましょう。創造のサイクル(アウトプット⇔ジャンプ)をどんどん繰り返しながら、制作物に落とし込んでいきます。

上述のこちらの投稿「【真似を恐れるな!?】リバース思考|ロン・フリードマン,南沢篤花」の1冊『リバース思考 超一流に学ぶ「成功を逆算」する方法』において、フィンセント・ファン・ゴッホが創造性を発揮する過程を知ることも、創造に至る3つのステップを詳しく触れることについて、多くのヒントを提供してくれます。

この3段階は、いわば創造性の守破離とも呼ばれるようなものです。

はじめに 創造する力とは希望をつくる力

自分の意見を大切に!?

創造力を高めるために特に大切なことは、「自分の意見」を持つということです。

もしかすると、人によっては、自分の意見は、なかなか持ちづらいものではないでしょうか。例えば、他の人がどう思っているか気になる・・や、正解はなんだろう・・という、発想にとらわれているケースもあるかもしれません。

大切なのは、間違ってもいい、独自の意見でもいい、というスタンスで自らの感性のもと、積極的に自らの意見を大切にすることです。そして、それを表出させていくことも積極的に行いましょう。

自分の感覚に素直になりながら、自らの意見を持つためには、3つの工夫をしてみましょう。

1)目をつむって自分がワクワクするシーンを妄想する。
2)それを物語として言葉で書いたり、スケッチで描いたりして、実際に表現してみる。
3)表現したものを、自宅で使えるところに貼っておく。

積極的に、自分の視野・視点・視座を客観的に見つめてみる工夫を続けてみましょう。

社会はどんどん変遷していきます。絶対的な物語を国や社会が提供してくれる時代ではありません。常に変化していく流動的な社会のなかで、生きていく際に起こるのは、自分は誰なのか?という問いです。なぜなら、戦うべき絶対的な権威も物語もないからです。

まるでそれは、固定的なストーリーのRPGではなく、「あつ森」や「フォートナイト」などのゲームが生み出されてきていることとリンクします。いずれのゲームも、ゲーム自体の楽しみ方は参加者それぞれが、独自に見いだすものになっています。

これからの時代を生きていくためには、やはり、自らの意志や意義を自ら見つめながら進んでいくことが大切です。自分の内面を見つめて、引きこもるのではなく、むしろ、その内面になにか創造性の力になりそうなことを見つめることがポイントになりそうです。

創造とは、かつてのような絶対的な物語がなくなり、自分自身の存在意義を実感しにくい時代に、自分が自分で自分の生きていく意義をつくることができる力なのです。

おわりに 私はどのように生きるのか?

まとめ

  • 創造とは、模倣から生まれる!?――模倣により過去からの文脈とスキルをインストールしましょう。
  • 創造の3ステップとは!?――模倣→想像→創造の3ステップを進んでいきましょう。
  • 自分の意見を大切に!?――自分の意見を大切に、自ら物語を描いていきましょう。
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