- メディアを含む情報環境が激変する中で、広告ビジネスはどうポジティブな変化を志向していきましょうか!?
- 実は、顧客との対話プラットフォームとしての新たな可能性が見えています。
- なぜなら、技術進展によって、事業者・メディア・生活者を横断的に考えられる基盤が整ってきているのです。
- 本書は、博報堂DYグループの安藤元博さんによる、広告ビジネスのこれからを考える1冊です。
- 本書を通して、広告だけではなく、情報、そして顧客との接点をいかに考えるかの視点を得ることができるでしょう。
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経済は、モノからサービスへ!?
デジタル環境の進展で、企業の提供価値は「モノ」から「サービス」へ転換していくと言われています。
モノからコトへの転換は広告ビジネスにも求められる
「モノより思い出。」といったのは、広告です。もっというと、博報堂時代、現在はPOOLとして独立した小西利行さんのコピーです。そして、今の時代、まさにモノが充実化して、問題が少なくなった一方で、モノをシェアしたりうまく回すことで、人中心のサービス事業が注目を集めています。
例えば、クルマであれば、レンタカー、カーシェアリングなどでしょう。
広告はもともとサービス業じゃなか!と思うかもしれませんが、じつは実態としてはメディアの枠、つまり限りあるモノ的な資源を販売代理しているビジネスモデルであるのです。意外に、このメディアの収益がバカにならないから、さまざまな中間業務をサービスとして実施することも可能でした。限りなくモノ的なビジネスだったのです。
ここで言おうとしている「サービス」とは、有形な「モノ」ではないという単純な意味ではなく、市場交換において価値を提供する過程、より正確に言えば、送り手と受け手との相互作用のなかで価値を探索し、浮かび上がらせようとする過程そのものを指しています。
モノからコトへの転換は広告ビジネスにも求められる
この意味でサービスを捉えると、メディアの枠を売り買いしていることから一歩踏み込んだ、事業のあり方を求めたくなってきます。
サービスとしての広告ビジネスのあり方とは!?
企業は広告の「枠」が欲しいわけではなく、広告を通じて生活者とのコミュニケーションを志向し、生活者にとっての価値を産み出すことを目指しているのです。
モノからコトへの転換は広告ビジネスにも求められる
かの有名なT・レビットさんの「ドリルを買う人が欲しいのは「穴」である」という言葉を思い出します。これまで、枠は希少性が高かったため、必ずしも効果がシビアに求められる世界ではなかったというのが事実でしょう。しかし、今では、枠だけではなく顧客とつながる方法が多様化しているので、より、効果を求める必要が出てきているのです。あるいは、言い方を変えれば、効果を求めることができるようになったのかも知れません。以前よりもまして、顧客トラッキング、定量的な調査、モニタリングが可能な技術に安価にリーチできます。
分断されていた「プラニング」「バイイング」「モニタリング」
分断されていた「プラニング」「バイイング」「モニタリング」
広告会社は、企業・事業者、媒体(メディア)、生活者と向き合って、それぞれで最適な「プランニング」「メディア・バイイング」「モニタリング」を個別に行ってきました。しかし、これからは、情報技術の進展を背景に、これらを統合的に行うことができるようになります。分断していたものが、一元管理できるようになる、それが博報堂DYグループが提唱・提供する「AaaS」です。
商品に潜む、そしてそれを提供する企業が潜在的に有する生活者にとっての価値をコミュニケーションによって見出すことが、市場経済における「広告」の意義そのものです。
「広告」と広告会社の果たすべき役割
生活者にとっての価値を生む「場」を提供して、価値の創造に主体的に参画していくことが、広告会社に求められているのです。
新しい広告ビジネスの存在価値とは!?
常にアップーデートされる対象層とそれぞれに最適な施策の継続的な改善が、これ(あらかじめ決められたターゲット層や固定的なメッセージ)にとって代わることになります。この過程全体が市場との、生活者との対話による「価値創造」です。
成熟化した市場環境で、マーケティングに求められること
「プランニング」と「メディア・バイイング」と「モニタリング」がシームレスに繋がることで、動的に顧客を捉え、それに合わせてメッセージの開発と配信をすることが、技術的には可能になります。
しかし、忘れてはいけないのが、そういったシステムを構築すると共に、人の心が必ず介在し、それを動かすためには、人が本来的な仕事を行う必要があるということでしょう。
広告業はきわめて総合的なビジネスです。「人」という観点から見れば、求められるのは「経済/ビジネス」「文化」「メディア」「技術」の領域を架橋する才能です。
広告人の「職能」のこれからを考える
常に、起点となるのは、人です。本来、そうだったはずです。でも、大量生産→大量消費社会の中で、どうしてもシステムの方に人手が割かれてしまっていた・・。これからは、それをAaaSや、AIなどがサポートしてくれるようになる。だから、人は人本来の心を動かすにはどうしたら良いのか?について、部門・分野横断的に考える機会に恵まれるはずです。
この時重要なのが、教養なのかも知れません。私たちはどういったときに心を動かされるのか、感情を抱くのか、これらはまだ解明されていない謎です。でも、確実に私たちは、オドロキ、涙し、笑うのです。これにいかに向き合っていけるかが、新時代の広告パーソン、あるいは、ビジネスパーソンにとってもポイントになるのかも知れません。
心の動かしたかに関しては、過去の投稿「【今、身につけたい人の心を動かす方法とは!?】表現の技術|高崎卓馬」もおすすめです。
まとめ
- 経済は、モノからサービスへ!?――モノを中心に人が動く社会から、人を中心にモノが動く社会に変遷する過程で、あらゆる業種がサービス業化する可能性を秘めています。広告業界も・・!
- サービスとしての広告ビジネスのあり方とは!?――生活者にとっての価値を生む「場」を提供して、価値の創造に主体的に参画していくことです。
- 新しい広告ビジネスの存在価値とは!?――分野、部門横断的に、人中心のサービス業のあり方をテクノロジーの力を借りながら突き詰めていくことです。
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