【これからの働き方の羅針盤!】ニュータイプの時代|山口周

ニュータイプの時代
  • 何か大切なものが見えていないのではないか、と、仕事でふと立ち止まることはありませんか。
  • 実は、「ニュータイプ」を知り、考えることが、あなたにひとつの方向性をくれるかも。
  • なぜなら、「ニュータイプ」は、山口周さんが世の中の大きな潮流を俯瞰して、見出した見立てだからです。
  • 本書は、6つのメガトレンドを背景に新しい働き方を提示した書籍で、発刊から3年経つ今でも注目され続けています。
  • 本書を通して、大きな潮流を見渡して、毎日の自分にフィードバックを得られる大切な機会を得られます。

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山口周
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2019年の発刊から3年間、NHKで取り上げられた他、HRアワードでも受賞歴があり、いまでも数多くの方に読まれている本書を取り上げます。2019年にも拝読しましたが、先日、山口周さんの講演を拝聴し、もう一度、手に取らせていただきました。今回の投稿では、一度、内容を見つめさせていただき、次回から複数にわたって「ニュータイプ」の働き方を実践するには?!をテーマに「実践考」を、私が過去に取り上げさせていただいた、書籍をご紹介しながら、検討してみたいと思います。「ニュータイプ」でも、綿密な計画よりも、まずはやってみることが大切と説かれています。ですので、私もその第一歩として、新しい「編集」を試してみようと思います。

6つのメガトレンドとは!?

「望ましい人材要件」が、その時代における社会の構造やテクノロジーによって規定される

第1章 人材をアップデートする6つのメガトレンド

どのような変化が「ニュータイプ」へのシフトを促すのか、山口周さんは6つの視点で語ります。

1)飽和するモノと枯渇する意味

1960年代と、今の暮らしを比較すると、圧倒的に物質的な豊かさを私たちは手に入れたといえます。いまや、ほとんどの家庭に当時「三種の神器」と言われた「冷蔵庫、洗濯機、テレビ」はあたりまえのようにあります。当時は、これらのモノを手に入れることが、目的で良かった時代でした。でも、いまやこれらのモノを手に入れる、あるいは、そのためにお金を手に入れるを目的にすることに、なにかもの悲しさ、意味のなさを感じるものです。

2)問題の希少化と正解のコモディティ化

人類が誕生して20世紀後半まで、私たちは圧倒的に問題が多い時代を暮らしてきました。捕食者に食べられてしまう、暑すぎる・寒すぎる、食糧が手に入らない、などなど、長い間、生存するさえ問題でした。しかし、今は、そんな問題も極めて少なくなってきたように見えます。その要因担っているのは、問題を解くすきる「課題解決」の多様化と高度化です。私たちは、山積する問題を解く力を身に着け、そのことで産業を作ってきましたが、今度は解く問題自体が不足する事態に陥っているようです。

3)クソ仕事の蔓延

結果、実質的に意味のない、いわゆる「クソ仕事」に携わっているケースが増えています。有用なモノを作るだったり、課題を解決するということが、求められていないのに、どうしても「課題解決」を志向してしまうクセから抜けれれていません。そして、意味のない時間を浪費しているのです。

4)社会のVUCA化

予測不能な社会において、経験・予測・最適化が無価値化しています。

5)スケールメリットの消失

これまでの産業において、強いビジネスは規模が大きいことでした。しかし、さまざまな分野で「限界費用がゼロ化」するなかで、スケールがメリットになりにくい事態になっています。また、大量生産大量消費時代は、メディアと流通をいかに面でおさえるか、が勝負を決していました。そのためには、スケールが必要だったわけですが、メディアも流通も新たな技術革新等により構造が変化しています。いまや、消費者個人でさえ、これらの機能をIT技術で構築することが可能です。

6)寿命の伸長と事業の短命化

人生が長くなり、かつ、事業が短命化している中で、私たちのキャリア戦略のあり方も大きく変化します。一つの会社で、一つの事業を、永く携わっていることが、安定ではなく、リスクとしてとらえられる環境となりました。

「ニュータイプ」のシフト、そのベクトルとは!?

本書において、6つのメガトレンドから山口周さんが、解釈した「ニュータイプ」を24の思考・行動様式としてまとめられています。

20世紀の後半から21世紀の初期にかけて高く評価されてきた、従順で、論理的で、勤勉で、責任感の強い、いわゆる「優秀な人材」は、今後「オールドタイプ」として急速に価値を失っていくことになるでしょう。一方、このようなオールドタイプに対置される、自由で、直感的で、わがままで、好奇心の強い人材=「ニュータイプ」が、今後は大きな価値を生み出し、評価され、本質的な意味での「豊かな人生」を送ることになるでしょう。

第1章 人材をアップデートする6つのメガトレンド

この中で、とくに注目したいことが「意味」の「あり/なし」についてです。今あらためて、哲学に関する書籍が売上を伸ばしているということを聞いたり、「パーパス(存在意義)」に関して議論が盛んになっていることを見ると、時代は「意味」を求めているのかもと思います。これまでは、「役に立つ」ことが市場で高値で取り扱われました。しかし、今後はいかに「意味」を持っているか、あるいは、「意味」を与えることができるか、もっといえば、それを「共創」できるか、についてが論点になるのでしょう。

人は案外素直なものです。意味のない仕事というのは、苦痛でしかないはずです。有名な「3人のレンガ職人」というイソップ寓話があります。

1人目は、「そんなこと見ればわかるだろう。親方の命令で“レンガ”を積んでいるんだよ。暑くて大変だからもういい加減こりごりだよ」と答えました。

2人目は、「レンガを積んで“壁”を作っているんだ。この仕事は大変だけど、金(カネ)が良いからやっているのさ」と。

3人目は、「レンガを積んで、後世に残る“大聖堂”を造っているんだ。こんな仕事に就けてとても光栄だよ」と。

「3人のレンガ職人」イソップ寓話

3人目の職人の人生がいきいきしていることは、間違いないでしょう。最近では、ミレニアル世代やZ世代の生き方が、より顕著にこの「意味」を求めて仕事を探すという分析もあるようです。ミレニアル世代の仕事観については、こちらの投稿「【あなたのパーパスは、なんですか?】パーパス・ドリブンな組織のつくり方|永井恒男,後藤照典」もご覧ください。

私たちは、なんのために働くのか、そして、なぜ生きるのか、これらに対して向き合う人が増える中、組織や社会の役割はどのように変貌していくのでしょうか。そして、私たちは、どのような視点を持ち、どのように毎日の活動を組み立てていけばいいでしょう。

本書では、24の視点で、ニュータイプの思考・行動様式が切り取られています。詳しくは、本書を手にとっていただき、ぜひ、ご一読をおすすめします!

「ニュータイプ」思考を身に着けたい。どうしたらいいか?

山口周さんは、現在のシステムを否定することは、オールドタイプ的思想だと言います。

「これがダメだからアレに変えよう」という「オルタナティブ」の考え方は、対象となるシステムに悪化の真因を求め、それを別のシステムに切り替えることで解決しようという20世紀的オールドタイプの考え方で、大変安易で手軽ではありますが、結局は問題の根本を解決できません。

おわりに

システムの外からそのシステムを否定するのではなくて、システムの中に入り込んで、内側から変革に向けた活動を試し続けることがニュータイプ的です。変化は急激には訪れません。徐々に変革の兆しに気づいた人が、時にあつまり、活動をし、少しずつ新しい時代を作っていくのだと思います。

先日の山口周さんの講演での彼の言葉が印象的でした。山口周さんはいまでは、さまざまなメディアで引っ張りだこの超有名論客の一人ですが、はじめは少しずつ「自分はこう思う!」という情報をできる限りで発信していたと言います。それに、共感してくれる人が集まり、少しずつ運動となっていったそうなのです。私は、そのエピソードも含めて、まさに「ニュータイプ」の実践者であるだなぁ、と感銘を受けました。

今回の投稿の最初にも記載しましたが、「ニュータイプとはこうなんだ!なるほどふむふむ」で、私は満足したくありません。ニュータイプの思想を自分なりに解釈して、どうしたら、仲間を集めて、周囲を変革することに寄与できるのか、を考えていくことこそが、大切なのだと思います。なので、こうした考えをいったん試してみるため、いくつかの視点で、「実践考」をしてみたいと思います。

まとめ

  • 6つのメガトレンドとは!?――大きな潮流をとらえることで、より本質的に物事を考えられます。
  • 「ニュータイプ」のシフト、そのベクトルとは!?――これまでとはまったく異なる思考・行動様式に争点が移ります。
  • 「ニュータイプ」思考を身に着けたい。どうしたらいいか?――システムを外から否定するのではなく、内側に入って変革の行動を起こしていくことが大切です。

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