- パーパスってなんなの?!って、一度整理しておきたいと思いませんか?
- 実は、この本がおすすめかも。
- なぜなら、パーパスが必要とされる背景から、作り方、そして実例まで細かく記載してくれているからです。
- 本書では、コンサルティング会社で活躍される永井恒男さん、後藤照典さんが、あるべきパーパス観を見せてくれます。
- 本書を通じて、本来的なことに着目したい社会のキモチについて触れることができるでしょう。
詳しくは表紙をクリック!! → Amazon
なんで、いま、パーパスなの!?
パーパスは、日本語で言えば、存在意義です。とくに企業の存在意義という意味で使われますが、個人のパーパスというのもあります。企業のパーパス、そこで働く従業員のパーパス、このすり合わせが大事なんです。
でもそもそも、存在意義になぜ注目が集まるのでしょうか?!存在意義って、そりゃ存在しているんだから、あるものでしょって思いますよね。著者のお二人は、存在意義をうまく見つけられていない、多くの企業がそうだと語ります。
なぜ、こんなにも単純なことを多くの企業ができていないのでしょうか。
はじめに
うーん、なぜでしょう。きっと、企業がこれまでの延長線上では、難しい外部環境が訪れているからだと考えます。
著者は大きく5つで説明しています。
1)ミレニアル世代が2025年に労働生産性人口の過半数を超えます。
ミレニアル世代は1980年~1995年の間に生まれた世代と概ね定義されていますが、彼らは、動機づけが異なるそうです。ベスト3は、「1社会やコミュニティに対するインパクト」「2学びがあるか?」「3家族との両立」です。一方、ワースト3は、「3名声を得られるか」「2自主性を発揮できるか」「1金銭的な報酬」です。つまり、社会的意義がいかなるものかをまず判断する世代といっても過言ではありません。
2)VUCA時代です。
予測不能時代を軍事用語で、VUCAといいます。過去の延長線上に社会がなく、指数関数的に発展する科学技術と、突発的な災害や、コロナなどの感染症のまん延、あるいは、数直線的な社会成長が望めない時代です。ごった煮時代において、外部環境は、あてになりません。大切なのは、自分の羅針盤です。
3)多様性が尊重できる社会です。
生物的、医学的、価値観的、社会的、などなどあらゆる考え方が成熟しています。一方で、これまでのように人は企業の中で、ルーティンをこなすだけの能力を発揮しなくても仕事が回る世の中になってきています。ネガの払拭、あるいはポジの増強を通じて、多様性がそもそも尊重されやすくなる外部環境が見受けられています。もともと、人間は多様なのです。これに蓋をしてきた社会のベールが剥がれようとしています。そんな時、多様な人材が共鳴できるような、指針が必要なのです。
4)人材の流動性が高まっています。
これまでの時代に構築してきた社会資産を維持するために、あるいは、産業の構造展開のために、様々な人材の流動性が高まってきています。特にコロナを経て、外部環境が激変したことも、この追い風となっているでしょう。新たな人材のオンボーディングや、これまでの人材との共鳴には、存在意義の提示が不可欠でしょう。
5)SDGsに注目が及んでいます。
2030年までのゴールイメージの解釈が必要でしょう。
パーパスで満たしておくべきこととは?!
ところで、存在意義とはそもそもどういうものでしょうか。
パーパスは、「独自の価値観」と「社会的貢献」の重複するところに存在するはずだと、著者のお二人は言います。社会の捉え方にはさまざまな粒度があります。たとえば、世界と置くことも可能ですし、家族の誰かと置くことも可能です。だから、粒度をコントロールして記述すれば、組織や会社とかそういう大きなものだけではなくて、個人のパーパスの発見も可能になるはずです。
そして、そんなふうに発見したパーパスですが、これが機能すのか!?どういうふうにチェックするべきでしょうか。著者のお二人はこのように語ります。「ティール組織」を引用しています。
パーパスはできあがった文言自体ではなく、その文言がメンバーに対して「問い続けている状態」を保つことがエボリューショナリー・パーパスを通じて表現したかったことなのです。
6.パーパス・ドリブン・経営が組織を進化させる
組織に所属する人間が、いまこの瞬間にどんな判断をすればいいのか、あるいは、その判断に基づくどんな言動をすればいいのか、そのベクトルを常に問い続けられるか、にパーパス自体の存在意義がかかっています。すでに存在している組織でパーパスを作るときには、正解ではなく、熱源探しをすることが重要です。正しいことだけではなくて、キモチが伴わなくては、長い間運用できませんし、他者との協働が前提となる時代に、巻き込み力が不足してしまいますね。
パーパスの発見とは、「正解探し」ではなくて「熱源探し」です。
6.パーパス・ドリブン・経営が組織を進化させる
あと、策定ではなくて、発見というのが大切ですよね。きっともう、存在意義というのは、そこにあるんです。言葉にならない、存在意義を見つけてあげることが大切です。また、著者は、アウフヘーベンを引き合いに、すでにある存在価値を1つの意義として昇華させることも大切だと言います。安直な例で申し訳ないのですが、たとえば、利益 vs 貢献というような対立構造に、事業共創のような、上位概念でくくっていくイメージでしょうか。
パーパスの記述の仕方とは!?
「この組織は何のために存在しているか?」という組織の「Why?」の部分がパーパスに当たります。
1.パーパスの定義は「Why」
なぜ、存在しているかを意識しながら、実際の言葉を見てみましょう。
- パタゴニア――「私たちは、故郷である地球を救うためにビジネスを営む」
- ユニリーバ――「サルテナビリテを暮らしの”あたりまえ”に」
- ネスレ――「生活の質を高め、さらに健康な未来づくりに貢献します」
- LIXIL――「世界中の誰もが願う、豊かで快適な住まいの実現」
- ピジョン――「赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします」
- ぐるなび――「食でつなぐ。人を満たす。」
パーパスをどのように表現するのがいいのか悩む場合は、
2.パーパス発見のポイントとステップ
「自社らしい手段」
×
「対象」
×
「対象の状態/自社の貢献(どうなっている・何をする)」
という形で、いくつかの候補を考えることをおすすめします。
対象というのは、他者です。ここで思い出すのが過去の投稿「【変わっていける自信を持とう!】よりよく生きるとはなにか?|松下耕三」での貢献ということです。松下耕三さんは、「存在意義」の項目の中で、「「人の役に立ちたい」という根源的な欲求を持つ」と語っていました。まさに、そんな人としての根源的な利他的な思想に深く気づきを得られるのがパーパスなのではないかとも思います。
今回は、パーパスとはなにか?についてあえて深掘りをしてみましたが、投稿で取り上げた本書「パーパス・ドリブンな組織のつくり方」は、パーパスを組織に実装するための課題と手法も具体的に提示してくれています。ぜひ、ご一読をおすすめします!!
まとめ
- なんで、いま、パーパスなの!?――これまでの延長線上にない社会環境を生き抜くために、内省が必要なためです。
- パーパスで満たしておくべきこととは?!――独自の価値観と、社会的貢献です。
- パーパスの記述の仕方とは!?――他者への貢献とその内容を主軸に記載してみると良いです。
詳しくは表紙をクリック!! → Amazon