- 「繋がりの時代なのに、なぜか満たされない・・」と、孤独を感じることはありませんか。
- 実は、人類史上、最も「コミュニティ不足」なのが、現代なのです。
- なぜなら、人は暮らし方を自由にできましたが、それとは引き換えに所属しなければならないコミュニティ(ムラ、家族、等)からも自由になってしまったのです。
- 本書では、講談社で編集者として世に「ドラゴン桜」や「宇宙兄弟」など人気作品を送り出し、独立。ご自身の会社では、オンラインコミュニティも運営している佐渡島さんから、現代のコミュニティのあり方について学べます。
- 本書を読み終えると、現代に必要なコミュニティと、その作り方についての方向性を見つけられるでしょう。
今まで、人は、意志とは関係なく、コミュニティに所属していた。
問題は、コミュニティをあまりにも自明のこととして捉えていたので、その知識をまだ誰も持っていないことだ。
安心と自由、どちらを選ぶ?
本書の導入でやっぱり目を引くのは、タイトルじゃないでしょうか。We are lonely, but not alone. 私たちは孤独だ、でもひとりじゃない。うーん、たしかにそうだなぁと思いつつも、孤独を受け入れられない自分もいるなぁと思ったりしました。
著者は、誰もが感じたことのある孤独について、「コミュニティのなさ」をひとつの原因として語ってくれています。名は体を表すという言葉があるように、人間というのは、人と人の間と書くんですね。まさに、実は人を人たらしめているのは、コミュニティがもたらす繋がりなのです。
これまで、人間は、(変な言い方ですが)繋がりたがろうが、繋がりたくなからろうが、コミュニティに所属してきました。たとえば、家族、地域、学校などなど。
「単身化世帯」が増加する中で、コミュニティのあり方が問われています。でも、私たちにとってコミュニティは、ごくごく当たり前の存在であたからこそ、それをイチから作ることを知らないと言います。
しかし!!!
現代は、インターネットがあります。インターネットは、人と人を簡単に繋げられて、コミュニティに自由をもたらしました。新しいつながりの可能性がオンラインを活用した先にあるかもしれません。
まずは、安全・安心。その後に熱狂でコミュニティが大事。
コミュニティの中に、強い人、偉い人がいる。この思い込みをすべての人が持っている。本当にコミュニティの中を安全・安心の場にしようと思ったら、その思い込みを、すべてのメンバーが捨てる必要がある。
強い人なんていない
コミュニティは、人と人の間をつなぐものです。だからこそ、人と人がお互いに心的安全性を感じられるかがポイントです。
著者は、自己紹介をないがしろにしないように!と言います。自己紹介を充実化させるのって、自己アピールなの?って、思いがちなんですが、でも、自己紹介をしっかりしないことは、コミュニティにおいて、自分勝手な行動だそうです。その場にいるメンバーにとって、安心のために、自分をさらけ出す必要があるそうです。
互いにイメージがわからない状態から抜け出して、互いのことを知り、自分を出せる信頼の土台を作ることが大切です。
著者は、村上春樹さんの引用を引き合いに出します。
「強い人間なんてどこにも居やしない。強い振りのできる人間が居るだけさ」
『風邪の歌を聴け』村上春樹
コミュニティのポイントは、フラットだとも言います。実は、えらい人もおらず、えらくない人もいなくて、何があるかと言うと、自分の先入観だけだそうです。
信頼と編集で、コミュニティを居場所にしよう。
安全・安心を確保した後に目指すのは、進行ではなく、信頼だ。
信仰ではなく、信頼へ
著者は、編集者なので、編集のステップとコミュニティの運営を重ね合わせます。
編集は、
・集めて、
・削って、
・並び替えて、
・補足する。
だそうです。
コミュニティも、熱狂なファンの存在が大切だと思いますが、まずは削ぎ落とすことが大切です。「安心と安全」に特化することだと言います。
まとめ
- 今まで、人は、意志とは関係なく、コミュニティに所属していた。――必然的に所属しないといけないコミュニティが減ってしまって、コミュニティ選択の自由が、逆に不自由になってしまっています。
- まずは、安全・安心。その後に熱狂でコミュニティが大事。――人は、心の安全性を作って、はじめてつながりを持てます。そのために、自己紹介を丁寧に大切にしましょう。
- 信頼と編集で、コミュニティを居場所にしよう。――コミュニティづくりも編集と一緒で、全てを詰め込むのではなく、削ぎ落とす心構えで「安心と安全」の基礎を作りましょう。
コミュニティに関して、客観的な視点と具体的な視点で、いろいろな気付きが得られます。私は、必然的に所属するコミュニティが減ってしまっている環境と、実は、自己紹介を丁寧に作り安心安全を土台にすることが大事!という点が、面白かったです。