- どうしたら、組織のことを本質的にとらえることができるでしょうか!?
- 実は、仕組みがとても大切かも。
- なぜなら、属人化を防ぎ、全体最適を図ることができるからです。
- 本書は、識学安藤広大さんによる、仕組み化に関する1冊です。
- 本書を通じて、マネジメントの本質にふれることができるでしょう。
識学シリーズ3部作のしめくくりが本書です。1部、2部は、こちらの投稿「【5つのポイントにフォーカスせよ!?】リーダーの仮面 ーー 「いちプレーヤー」から「マネジャー」に頭を切り替える思考法|安藤広大」「【不足が、モチベの厳選!?】数値化の鬼――「仕事ができる人」に共通する、たった1つの思考法|安藤広大」もぜひご覧ください。
歯車になることを肯定してみよう!?
歯車という言葉に忌避のイメージを持ってしまうでしょうか!?これだけ「個性の時代」が標榜される中で、どうしても、大きな組織の歯車になることは、毛嫌いされているように思えます。
しかし、組織は、「歯車」を前提とした、全体最適を志向するようにもともと作られています。だから、「歯車」として機能しなければ、そもそもうまくいかないのです。
この印象と実態の矛盾にいかに向かうかを説いた1冊が本書です。
「歯車になること」の力に気づき、いったん受け入れた人から、成長ははじまります。
「組織あっての個人」でしかない
世の中は、自分中心にまわっていません。自分がいなくても、確実に社会は存在するし、地球は回り続けています。それは紛れもない事実です。その事実を受け入れることから、本当の時間がスタートします。
社会と折り合いをつけるのです。
任された機能を果たし、ゴールへと迷わず進むことです。行動の後にきちんと評価を受けること、その評価をもとに試行錯誤をすることです。
その組織の中で求められている役割を理解し、自分自身も仕組みの一部に組み込まれるのです。
「組織あっての個人」でしかない
組織は仕組みで決まる!?
「仕組み化」というのは、「ルールを決めて、ちゃんと運営する」ということです。
「古い仕組み」を「新しい仕組み」で壊す
プロフェッショナルは、ルールを決め、線引をして、仕組みを守りきります。だからこそ、人の上に立つことができるのです。
大切なことは、数字で管理するということです。曖昧な、個人の定性的な評価で、属人化の余地を与えてはいけません。だれもが見ても、公平な視点で管理することのみです。
人は放っておけば、自然に帰っていきます。「水は、低い方に流れる」、これはまぎれもない、自然の摂理です。そして人もそうです。易き方にながれていってしまう・・
それを仕組みでリフトアップするのです。本質的な成長を志向し続けるために。
「性弱説を前提に考えたほうがいい」「組織は放っておくと属人化していく」この2点を押さえて、とにかく仕組み化することを考えるようにしていくのが、本書の目的です。
「とにかく仕組み化」のための5つの考え方
人の上に立つ人は、ルールを決める責任があります。そして、権力とは、権力を持つことを許された人が、それを正しく行使するということを指すのです。
権利には、いい権利と悪い権利があります。
いい権利とは、明文化されていること。そして、全員一致で同じ認識をもっていることです。このいい権利を与えられた状態を、権限があると定義してみましょう。
理念とは!?
そもそも、利益が生み出される順番を考えてみましょう。
正しい流れは以下のようなものです。
創業者がやむにやまれぬ思いを持って、起業する。
↓
企業理念を掲げる。
↓
事業をはじめる。
↓
その下に、仲間が集まる。
↓
試行錯誤する。来る人がいる。去る人もいる。
↓
大きな成果が出る。
↓
全員で利益(給料)を分け合う。
一方で、勘違いしやすい流れはこちらです。
給料のために、就職活動する。
↓
働きがいを求める。
↓
最初は言われたことをやる。
↓
壁にぶち当たり、試行錯誤する。
↓
成長して、より大きなことにチャレンジする。
↓
人の上に立ち、企業理念の深い意味を理解する。
一般的なキャリアは、順番が逆なのです。
もともとある会社の思想を深く理解し、いずれ体感し、「この会社に居続けないと、損な気分になる」という気持ちが芽生えるきっかけをくれる根底、それが理念です。
組織という有機的な活動体に貢献し、進行していく感覚を味わうこと、その結果、あるいはそれを志向するため自分が成長していく、好循環をいかにつくれるか、そこにかかっています。
いかなるときも、「成長したい人」を基準に判断しましょう。「成長する機会」を奪わないことです。
「成長したい人」を基準に据える
2つの軸で、経営理念を考えてみましょう。
・どの方向に成長したいのか?
・どうやって世の中に貢献したいのか?
いまの会社の企業理念と照らし合わせて考えてみましょう。
まとめ
- 歯車になることを肯定してみよう!?――まず受け入れましょう。
- 組織は仕組みで決まる!?――ルールをつくり、数字で管理することです。
- 理念とは!?――先立つものです。本来は。