- どうしたら、大切なことに集中し続けることができるでしょうか!?
- 実は、自分の内面に対する知恵が大切かも。
- なぜなら、この世界の認識は私たちの意識が勝手に作っているからです。
- 本書は、考えすぎない練習を進める1冊です。
- 本書を通じて、自分の内面と向き合うヒントを得ることができます。
世界を認識するものとは!?
どうしたら、喜びや、苦しみに振り回されずに、自らの意識をコントロールしながら、正しく人生を歩んでいくことが可能でしょうか!?
真実はすべての人の中に、すべてのものの中にあります。
はじめに 本書でわかることと、最大限の活用方法
大切な視点は、私たちがコントロール不可能だと思っているこの世界について見立てを導入することです。もちろん、世界やそこでおこるものごと、あるいは、他者の存在などは、制御不能です。しかし、一見制御不能であると思われた世界のあれこれについて、実は制御することが可能なことが1つあります。
それは、そのあれこれについての自分の意識です。
「人生において、第一の矢は必ずしも制御できるわけではない。しかし、第二の矢は第一の矢に対する私たちの反応である。第二の矢を受けるか否かは選択できる」
Chapter 01 苦しみの根本原因を探る旅――ブッダ
私たちは、自分たちの「考え」の中を生きているのです。世界という事実を、私の考えというフィルターを通じて、私たちははじめて認識することができるからです。
ひとつの一見ビハインドなものごとが降り掛かってきたとしましょう。例えば、雨が降った。としてみましょう。面倒だなとか、着る服をどうしようか、傘を持っていくのがいやだな・・と思ってしまうと、その雨はネガティブな思考をまといます。一方、せっかくの雨の日だから、じっくり読書の時間を楽しもう!と捉えられることができれば、ポジティブな考え方のもと、ひとつの現象を受け入れることができます。
この思考は自由です。ひとつの事実をどう受け止めるかは、私たちに委ねられています。
「考えは現実ではない。だが、考えを通して私たちの現実はつくられる」
Chapter 02 すべての苦しみの根本原因
私たちの多くは、同じ出来事を体験しても、同じ時間に同じ場所にいても、まったく異なる経験をしているのです。
「考え」と「思考」は違う!?
もし自由や幸せ、安らぎを手に入れ、愛に満ちた状態でいたいなら、脳内の声だけに耳を傾けるのをやめて、生存だけではなく心身の健康を助けるもっと大きなものに意識を向ける必要があります。
Chapter 03 なぜ私たちは考えていまうのか
脳の仕事は私たちから、危険を遠ざけることです。私たちの生命を脅かすものはないか、私たちはいま安全か、頭脳はそうした外的な情報を積極的に取り入れ、さまざまに解釈をし続ける機能を持っています。時に、この機能が勝手に働き続けて、生存本能のもといろいろな考えを作り出してしまい、それに自らが苦しめられている状態が継続していることがあるのです。
この現代には過剰には必要なくなった、生存本能と上手に付き合うためには、「考え」と「思考」の違いを意識してみることがポイントです。
「考え(Thought)」は、私たちがこの世のあらゆるものを作り出すための「知的素材」です。これはエネルギーであると言っても良いでしょう。この「考え」がなければ、私たちは何も経験できません。「考え」は名詞であり、私たちが行っている行為ではなく、「持っている」おのだと理解してみましょう。
一方、「思考(考えること・Thinking)」は自分の「考え」について思考する行為です。思考するは、動詞です。これを発動させるためには、相当なエネルギーや労力が必要です。また、限りあるリソースである、意志力が不可欠です。思考するということは、自分の中の「考え」と積極的に向き合うことです。「考え」と向き合えば、それは思考することになります。
誰かの質問を受ける時、私たちはとっさに「考え」が浮かびます。それは本当に自然な形で、どこからか提供されるようなそんな瞬間です。このひらめきに近い印象の「考え」はそもそも悪いものではありません。また、良いものでもない、フラットなものであるととらえたほうがよいでしょう。私たちも感情を載せずに、素直に受け取ることができるでしょう。しかし、この「考え」について感情も含めて深く向き合っていくと、「思考」が続けられていきます。
自分の考えについて思考すると、私たちはその考えについて判断や批判を始め、あらゆる種類の感情的な苦しみを経験するのです。
Chapter 04 「考え(Thought)」と「思考(Thinking)」
「考え」は創造をもたらし、「思考」は破壊をもたらします。考えているときしか、ネガティブな感情を抱くことができないためです。ポジティブな感情でいるために、わざわざ思考することなど必要ありません。思考したりする必要は決してないのです。
たとえば、赤ちゃんを見てみましょう。赤ちゃんは、非常に自然です。赤ちゃんは生まれつきストレスや不安、おそれ自意識を抱いていません。もちろん、身体的なストレスなどがかかっていれば、別ですが、自然な状態でネガティブな状態に自ら陥っていることなど決してありません。
私たちの自然な存在状態は、喜び、愛、安らぎです。
Chapter 05 ポジティブな感情を持つには、ポジティブに考える必要があるか?
「考え(Thought)」と「思考(Thinking)」を比べてみましょう。
属性 | 考え(Thought) | 思考(Thinking) |
---|---|---|
源 | 宇宙 | 自己 |
重さ | 軽い | 思い |
エネルギー | 開放的 | 制約的 |
性質 | 無限 | 有限 |
特性 | 創造的 | 破壊的 |
パワー | ポジティブ | ネガティブ |
本質 | 神聖な力 | 人間の力 |
気分 | 活力に満ちている | ストレスに満ちている |
感情 | 愛 | 恐れ |
信念 | 無限の可能性 | 限定的 |
感覚 | 全体的 | 個別的 |
労力 | 不要 | 必要 |
どうしたら「思考」せずに済むか!?
「問題は、それをつくり出したときと同じ意識レベルでは解決できない」
アルバート・アインシュタイン
アルバート・アインシュタインは、問題に行き詰まった時、その問題と向き合うのを辞めて、バイオリンを弾いたと言います。弾いているうちにどこからともなく、答えが浮かび、問題の解決策を見出しました。アインシュタインは、考えすぎないように、神聖なメッセージを上手に受け取れるように、頭の中に余白を作っていました。
問題に直面した時に「考え」中心でいられる工夫(プロセス)は次のとおりです。
1)思考がすべてのネガティブな感情の根本原因であることを意識します。
2)自分個人の頭から意識的な思考を手放すことによって余白を作り出します。
3)思考を手放した時に生じる感情を意識し、愛や安らぎ、喜びといった感情を称えましょう。
直面している問題に、シンプルな愛をもって接すると、答えが自ずともたらされます。
キーは、「余白」にあります。
自分がものごとを問題と認識しないことで、私たちは、極めて安らかな生活を手に入れることができます。これまでの人生で感じたことのない馴染みのない感覚を得ます。実際には、幸せで何も考えていない無思考状態にあるとき、私たちの生産性は最大限に高まります。作業は楽になり、パフォーマンスは向上し、周囲の人を惹きつけ、たくさんの豊かさを引き寄せて、どこからともなく「奇跡」が起こり始めます。
このときいちばん重要なのは、何事もうまくいくと信じる気持ちです。
Chapter 16 考えない生活を始めると起こること
自分と世界、あるいは偉大なる大きなものごとと、直接接点を持っているようなイメージを大切にしましょう。そこから「考え」をダウンロードして、その愛や、奇跡に触れ続けていること、「考え」に対して素直な自分でいられることを重視してみるのです。
こうした考えについてはこちらの1冊「【大きな何かよ、導きたまえ!?】運気を磨く~心を浄化する三つの技法~|田坂広志」も多くのヒントとなる「考え」を提供してくれます。ぜひご覧ください。おすすめです。
まとめ
- 世界を認識するものとは!?――自分が作り出すフィルターです。
- 「考え」と「思考」は違う!?――「考え」は自然、「思考」は過剰です。
- どうしたら「思考」せずに済むか!?――余白を上手に作ることです。