- どうしたら、よいよい人生を目指すことができるでしょうか。
- 実は、後悔という感情に、蓋をしてはいけないかも。
- なぜなら、後悔に向き合うことでいろいろな良いことがあるからです。
- 本書は、後悔について語るダニエル・ピンクさんの人生論です。
- 本書を通じて、正しく後悔と向き合うマインドを持つことができるでしょう。
後悔をないがしろにしてはいけない!?
後悔について、どういうふうな見立てがあるでしょうか!?
後悔は、したくない!後悔は、しないに越したことがない!後悔なんて、だめだ!というふうに、後悔に蓋をしてしまっていませんか!?
実は、後悔というネガティブな感情にも、とても意味があるのです。過去に「あんなお粗末な選択をしたり、誤った決断をしたり、愚かな行動を取ったりしていなければ、現在もっとよい状況だったはず、未来がもっと明るかったはず」という苦しい感情に向き合うことで、人生をよりよい方向へ向かわせることが可能です。
人はいわば勘定のポートフォリオをもっている。
ネガティブな感情がもつポジティブな力
感情のポートフォリオの中には、愛や誇り、畏敬などのポジティブな感情も含まれますし、悲しみやいらだち、恥などのネガティブな感情も含まれます。私たちは往々にして、ポジティブな感情を過大評価して、ネガティブな感情の評価を過小評価してしまうようです。
多くの人は、一般的な助言や自分自身の直感に従って、ポジティブな感情ばかりをいだこうとします。
ネガティブな感情も大切なのです。ネガティブな感情があるからこそ、人は難を逃れ、生き抜くことが可能になります。サバンナで二足歩行しはじめた祖先にネガティブな感情がなければ、何度も同じ相手に(文字通り)食い物にされて、蛇に足を噛まれたりしつづけてしまったでしょう。
ネガティブな感情で、最も強力なものが、「後悔」です。
後悔はプロセスで、ストーリー!?
なぜ、「後悔」は、強力なのでしょうか。それは後悔を構成するものを見つめることで明らかになります。
人が後悔を感じるプロセスは、人間の精神だけに備わっている二種類の能力ととともに始まる。
「タイムトラベル」と「ストーリーテリング」
ひとつは、脳内で過去と未来を訪ねる能力、そして、もうひとつは、実際に起きかねないことをストーリーとして語る能力です。
この二つの能力が絡み合い、言ってみれば精神の二重らせん構造をつくり出し、それが後悔という感情に息を吹き込んでいる。
「タイムトラベル」と「ストーリーテリング」
たとえば、学位を取得しなかったことについて、後悔しているシーンを想定してみましょう。
この人は、おそらく、何十年も前、若かった頃に学業にウェイトを置かなかったことにきっと想いをはせることでしょう。当時のことをありありと思い出しながら、自分の歴史をタイムトラベルし始めます。その時の判断が誰によってもたらさせれたものなのか、当時の自分の社会的な状況、立ち位置を思い起こしながら、取り返しの付かない過去を、現在に呼び寄せます。そして、再び、現在に戻り、その時の後悔をもとに、その過ちを繰り返さないように新しい物語を始めるのです。これが、ストーリーテリングです。
タイムトラベルとストーリーテリングの能力は、人間だけが持っている「超能力」と言ってもいい。
「タイムトラベル」と「ストーリーテリング」
タイムトラベルとストーリーテリングの中で、人は、過去の自分・今の自分、選択した自分・選択しなかった自分などを「比較」することで、状況をくっきりと認識します。そして、それが「誰の責任によって」もたらされたものなのかを、考えるのです。
人に与えられた能力「~~だったかもしれない」を想像することで、新たな自分を再構築することが可能になります。
この際には、自責でものごとを考えることが大切かもしれません。自責については、こちらの投稿「【7つの力を身につけて、よりよい人生を積み重ねよう!?】一流の人間力|井上裕之」もぜひご覧ください。
後悔の恩恵とは!?
後悔は、3つの大きな恩恵をもたらしてくれます。
1)意思決定の質が改善する
不愉快な感情には、人間にとって大切な機能があります。後悔することを通じて、過去の意思決定でおかした失敗を強く印象づけることが可能になり、将来同様の状況に身をおいたとき、同じ過ちを繰り返さなくなります。
2)課題に対するパフォーマンスが向上する
後悔にあたって、多くの人は、「もし、~~していれば・・・」と考えますが、この過程で、思考のパフォーマンスが向上します。過去の研究では、「もし、~~していれば・・・」と考えた人のほうが、その後のアウトプットパフォーマンスがUPしたとのことです。
3)人生の充実感が高まる
失敗は、学習のトリガーです。失敗と認めることがあるからこそ、次に繋がるのです。だから、怖がらずに後悔を正しくして、向き合い、次の自分の活動や行動に繋がていくことが大切です。
正しく扱えば、後悔は私たちをよりよい人間にする力をもっている。
後悔がもたらす3つの大きな恩恵
そもそも、感情は何のためにあるか考えたことがあるでしょうか!?これも人間が生きていくためには、不可欠なものでした。
だから、感情にどっぷりと浸かるのではなく、感情に正しく向き合うマインドセットが大切なのです。自分を俯瞰してメタ認知して、自分の感情の起因となっている「ものごとのとらえかた」について、知るのです。ものごとは人によって見え方が異なります。ある人にとっては失敗と捉えられるものでも、もしかしたらある人にとっては、成功に映るかもしれません。だから、ひとつの側面からものごとを決めつけすぎずに、柔軟にアクションできる準備を整えて多くことが本書の主張のように感じます。
メタ認知については、こちらの投稿「【頭がいいは、視点で決まる!?】メタ思考~「頭のいい人」の思考法を身につける|澤円」もぜひご覧ください。
まとめ
- 後悔をないがしろにしてはいけない!?――後悔は前に進む力を与えてくれます。
- 後悔はプロセスで、ストーリー!?――「~~だったかもしれない」により、自分を再構築しましょう。
- 後悔の恩恵とは!?――3つの恩恵を受けられるように、後悔と正しく向き合いましょう。