【思考の限界を突破せよ!?】武器としての図で考える習慣:「抽象化思考」のレッスン|平井孝志

武器としての図で考える習慣:「抽象化思考」のレッスン
  • どうしたら、自分の思考の限界を超えられるでしょうか!?
  • 実は、図で考えることが大切です。
  • なぜなら、図には、暗黙裡を駆使して考えを巡らせる効果があるのです。
  • 本書は、図で考えることを説く1冊です。
  • 本書を通じて、どのような図を使いながら、自分の思考を拡張するのか、ヒントを得ます。

なぜこれからの時代に、図で考えるのが大切か!?

AIが実用化される時代になりました。AIと人の分業ということが、これからも社会課題になっていくでしょう。特に、日本は人口が減少していきます。そんな時代にあって、生産性を維持・向上しながら、社会基盤を持続化させるためには、人工知能のちからを借りることは、必要不可欠でしょう。

ちなみに、人口減少社会については、こちらの投稿「【機械化・自動化・ワーキッシュアクトが鍵!?】未来予測2040 労働供給制約社会がやってくる|リクルートワークス研究所」もご覧ください。

AIが得意なこと、私たち人間が得意なことを知ることが、協働の第1歩です。

AIは、あるものの組み合わせを試すこと、つまり数え上げることは得意です。しかし、「紙1枚の上に、何を考えるべきかも含めて考えて、何か描いてみて」というような抽象的な依頼に対しては、答えを導き出すことができません。

一方で、人間にはそれが可能です。なぜなら、AIにはない人間特有の頭の使い方があるからです。それは、「ヒューリスティック」と呼ばれるもので、過去の経験や学んだことなどから、暗黙裡に正解に近い答えに飛ぶ能力のことです。直感力といってもいいかもしれません。

「図で考える力」は思考のOSのようなものではないでしょうか。

英語やプログラミング、MBAよりも先に身につけたいコア・スキル

頭で考えるとは、鳥の目線を得ることになり、ものごと全体を俯瞰することができます。「ビッグ・ピクチャー」があることによって、影響のある範囲全体を捉えることができ、予期せぬ事態を未然に予測することも可能となります。

いろいろなものごとが影響を及ぼし合っている世界で、その構造を図によって把握し、検討を進めていく意義・意味は大きいのです。

過去の投稿「【紙は、脳!】トヨタで学んだ「紙1枚!」にまとめる技術|浅田すぐる」もまさに「ビッグ・ピクチャー」的な思考法を説いてくれていました。

4つの基本の図とは!?

「図で考える」ことによって、ものごとを俯瞰し、ものごとの関係性を知りながら、思考の拡張ができます。図には4つの基本形が存在します。下記に、あげる4つの図は、「さあ!図で考えるぞ!」と思った時に、とても頼りになります。

①論理構造を捉える「ピラミッド」

ピラミッドは、MECE(もれなくだぶりなく)ものごとの序列と構造、含有を見える化することができます。ピラミッドでものごとを整理することができれば、余計な仕事をすることなく、効果効率的に「正しい答えや理解」にたどり着けるようになります。

とくにコンサルティングの現場では、真因の特定にこの「ピラミッド」が利用されます。本当に大切な課題は何か、最大のボトルネックと改善に向けたトリガーはどこにあるかを、見える化し、効果的なアクションにつなげることを志向できます。原因と結果を見える化し、MECEの観点で検討できるのです。

②全体を捉える「田の字」

「田の字」はとてもシンプルな2次元の枠組みです。本質を切り取り、思考の整理をするのにとても役立ちます。さらに、思考の整理だけではななく、いろいろと発想をふくらませることができます。

軸を切るところから始めます。よくある軸の見つけ方は、下記項目を参照ください。

1)対立する2つの項目を見つけてみる(例:質と量、絶対値と比率とか)
2)要素分解をしてみる(例:デザイン×機能性、肌触り×暖かさ、見た目×味とか)
3)原因と結果を見出してみる(例:仕事のがんばりと、出世とか)

ボストンコンサルティンググループが提唱したPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)もこの田の字になっていることに気づきます。

③流れ・動きを捉える「矢バネ」

矢バネは、動きを捉えるのに適していて、矢バネをいじることで理解を深め、問題を解決し、新しい何かを生み出したりすることもできます。

矢バネで、ものごとの順番を記述できたら、3つの視点で、より良い状態を目指すことができるのか、検討をしてみましょう。

1)FIX(矢バネのどれかを直す)
2)Balance(矢バネの間を調整する)
3)Re-organize(矢バネの統合や削除、逆転などの再構築をする)

自社の市場取引の関係性と、強みを見いだすための5フォース分析も実は、矢バネがベースになっています。「売り手」→「業界」→「買い手」は、インプットに付加価値がつけられて、買い手で消費されるまでの流れになっています。これに、業界に対対する圧力となる、「代替品」と「新規参入」が付加されているイメージです。

この5フォース分析は、ビジネスを行う上で本質的に重要な、産業のバリューチェーンと圧力を見える化させてくれます。たとえば、産業バリューチェーンを横軸、企業のカテゴリーを縦軸にとって、企業をマッピングすると自社の立ち位置がはっきりします。

④ダイナミズムを読み解く「ループ」

「ピラミッド」「田の字」「矢バネ」は、分けて考えることを検討するものでしたが、「ループ」はつながりを重視するものです。より、全体的・俯瞰的・動的な発想を可能とさせます。

ものごとには、関係性に本質を見いだせるものです。シュンペーターの新結合も、人の感情も、ご縁も、それは常に間にあるものです。世間や、人間という文字にも間という感じが差し込まれています。何かと何かの間にこそ確かに大事なものがあります。

「真理は『間』にある」

「関係性」の理解で真理に近づく

「ループ」については、こちらの投稿「【なぜあのベンチャーは成功したか?】ビジョナリー・カンパニー 弾み車の法則|ジム・コリンズ,土方奈美」もぜひご覧ください。ジェフ・ベゾスさんも、アマゾンの収益をループモデルで説明されており、はずみ車の名前で有名になりました。

今すぐ始めよう!?

若い頃から「考える力」を養っていくと、将来できる仕事も大きくなる。

終わりに 考え方1つで人生は変わる

自分の価値について、検討してみることも大切です。会社づとめの人は、どうしたら、給料が上がるのかを考えたことがあるひとも少なくないのではないでしょうか。でも残念ながら、資本主義において、労働の対価=給料とは、その人が翌日も働き続けるためのコスト分しかでません。だから、資本家のもとでいくら頑張っても給料は中長期的に上がりづらいのです。

ただし、資本家や社会の中で仕事をしていく上で、自分を高く評価してもらうポイントがあります。それは、自分の価値を高めることです。勉強して、自分にしかないスキルや能力を習得すれば、それが高く評価され、新たな仕事やご縁、あるいは結果的に収入として跳ね返ってくることもあります。

雇用契約の中で、給料が高い低い、ということに固執している時間は正直言ってムダでしかありません。大切なのは、この社会全体の仕組みを理解し、自分がどのように、社会の中で活動していくかの俯瞰的な指針を作り出すことです。そうすれば、この人生に対して積極性をなくすことなく、自ら時間を積み重ねる活動が可能になります。

ぜひこちらの1冊「【自分の「価値」を俯瞰し、鍛錬し続けよ!?】超入門 資本論|木暮太一」もご拝読ください。刺激的です。

まとめ

  • なぜこれからの時代に、図で考えるのが大切か!?――直感力を引き出せるからです。
  • 4つの基本の図とは!?――「ピラミッド」「田の字」「矢バネ」「ループ」を活用しましょう。
  • 今すぐ始めよう!?――図を使い思考拡張し、自らの人生も作り上げていきましょう。
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