- どうしたら、人とよりよく働くことができるでしょうか!?
- 実は、まず大切なのは、自分の言葉を使うことかも。
- なぜなら、自分の言葉によって、周囲の人を動かすことができるからです。
- 本書は、そんな自分の言葉の見つけ方に関する1冊です。
- 本書を通じて、周りと一緒に働く時のヒントを見つけることができます。
人に対する勘違いとは!?
人は人とともに仕事をして、社会に対してインパクトを発揮していきます。何をするかよりも、誰とするかのほうが大切だ、ともいわれることがあります。たとえば、こちらのような1冊「【学校で教えてくれないWHOの話とは!?】WHO NOT HOW 「どうやるか」ではなく「誰とやるか」|ダン・サリヴァン,ベンジャミン・ハーディ,森由美子」においても。
人と一緒に働くときに、自分が考えていることを伝えて、その上で、人の行動を引き出すことはとても重要です。結局「活動」がなければ、状況を好転させていくことは難しいですし、外部からのフィードバックを得ることも難しいです。大切なのは、「活動」を続ける共同体をいかに作るか?!ということになります。
自分の言葉をどのように見出して、他者に伝えるかがキーです。
しかし、私たちはどうしても先入観を持つ生き物であることを念頭におくようにしましょう。人に対して次のような感じ方をしていないでしょうか!?
勘違いその1)論理的に伝えれば、人は動く
勘違いその2)正しさが行動に繋がる
勘違いその3)テクニックを使えば人は動く
いずれも残念ながら勘違いです。人は論理だけで動くものではなく、必ずしもテクニックが上等だからといって継続して行動を引き出すことは難しいでしょう。
大切なことは、借り物の言葉ではなく、いかに、自分の生の言葉を使って人に伝えることです。自分の生の言葉には、人の心に伝わり、そして結果的に行動に繋げていく力が宿ります。
ぼくらは「自分を表現できない」のではありません。「自分を表現する方法を知らないだけ」なのです。
おわりに
自分の言葉を見つける視点とは!?
ただ、自分が「言いたいこと」を話せばよいか、というと、これもまた異なります。
実は大切なのは、「言いたいこと」と「認められたい」の中間地点を探ることだと著者の木暮太一さんはいいます。
「言いたいこと」・・「ホント、どうでもいい」と思われてしまいます。
「認められたいこと」・・「嘘っぽい」と思われてしまいます。
この押し引きの絶妙なところを狙うのです。
ポイントは、「教えたいこと」を探すのです。「言いたいこと」ほど、独りよがりでもないし、「認められたいこと」ほど、相手に求め過ぎていない。そんなポジションの言葉です。
「教えたいことは?」という視点で物事を見たとき、まず相手の存在を意識します。
第1章 「教えたいこと」であなたの世界はこんなに変わる
相手ありきであることを忘れてはいけないということです。人は誰しも自分が大切なのです。そのことを互いが了解しながらも、互いが思いやりの言葉を掛け合うことで、よりよい協働が生まれていきます。
まずは、自分から相手のことを積極的に考えて、「教えてあげたいこと」を見つける!という視点で、ものごとをよく観察して、そして、言葉を検討して見るようにしてみましょう。
相手の気持になって、相手の立場に立ってみたら、言葉も自ずと変わるのですね。
「教えたいことの視点」で得られるメリットは次の2つです。
1)人から自然と信頼が得られます。
2)本音のままで、相手が喜ぶ話ができます。
本音はときに鋭利な武器になってしまいます。でもそんな本音を相手の立場の言葉でくるむことができれば、伝わり方も異なります。相手との信頼関係も育むことができます。
自分の言葉を見つけるステップとは!?
どうしたら、「教えたいことの視点」で「自分の言葉」を見つけることができるでしょうか!?次にあげる3つのステップを参考にして、まずは実践をしてみましょう。
ステップ1)「自分の言葉のつくり方」を身につける
ステップ2)「相手を動かす言葉の選び方」を身につける
ステップ3)「言葉の力を強くする方法」を身につける
ステップ1では、感情の震源地に目を向けます。感情は、自分と相手の心を繋ぐ重要な基軸になります。どんな心の触れ合いを創り出すのか、自分と相手との共通の視点・視座とはなにかに意識を向けてみましょう。
そして、ステップ2では、誰に話すかで話すポイントを明確にすることを意識します。相手の状況を察して、本当に伝えるべきことを検討してみましょう。
さらに、ステップ3では、WHYに注目します。なぜ、伝えようと思ったのか、理由を添えてみましょう。とくにステップ1・2で検討したことを意識しながら、感情と相手の立場に触れる理由を一緒に伝えます。
「教えてあげたいこと」という視点をヒントに、自分の言葉を見出し、相手(のこころ)を動かすアプローチを試し続けてみましょう。
世の中が「自分都合で一方的に言いたいこと」ではなく、「あなたに教えたいこと、あなたに教えてあげたいこと」であふれたら、どれだけ楽しくなるでしょうか。
おわりに
相手のことを考えるというのが、実は本書の趣旨でもあります。自分のことを相手に伝える時、最も大切なのが、相手のことを聞くということにほかなりません。相手がどんな立場にあって、どんなことを考えているのかをまず知らなくては、何を「教えてあげたら」よいのか、検討もつかないからです。まずは、相手を知ることを意識してみましょう。伝える言葉を探すのはその後です。
相手のことを知るということについては、こちらの1冊「LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる|ケイト・マーフィ」が多くのヒントをくれます。ぜひご覧ください。
まとめ
- 人に対する勘違いとは!?――正しい論理的な情報だけでは、人は動きません。
- 自分の言葉を見つける視点とは!?――「教えてあげたいこと」を探しましょう。
- 自分の言葉を見つけるステップとは!?――まず、人の立場に立つということです。