【戦略定石を知るだけで、営業が変わる!?】BtoBマーケティングの定石 なぜ営業とマーケは衝突するのか?|垣内勇威

BtoBマーケティングの定石 なぜ営業とマーケは衝突するのか?
  • BtoBマーケティングをどうやって、社内で展開したら良いのかわからない!
  • 実は、手探りで実践するよりも、もっと簡単な方法があります。
  • それは、戦略定石を知ることです。そしてそれは、確実に存在します。
  • 本書は、そんなBtoBマーケティングの戦略定石をレビューした1冊です。
  • 本書を通じて、自社で展開可能な戦略視点を得ることが可能です。

理想のマーケティングとは!?

理想的なマーケティングの形とはどのようなものでしょうか?垣内勇威さんは、次のように規定します。

マーケティングの理想形は「顧客視点で顧客に価値を提供できている」状態

マーケティングの理想形は小学生でもわかるくらい簡単

相手との信頼関係を築き、相手の言葉に、本質的に耳を傾け、相手の真意や相手が本当に困っていることを聞き出し、あるいは想像し、最終的にソリューションを提供することが、商いの基本です。これをおろそかにして、戦略定石を展開したとしても全くうまくいきません。

実は過去の投稿「【顧客の本当のお困りごとに寄り添え!?】B2B顧客の悩みを解消する「処方箋型」営業|ニコラス・トーマン,ブレント・アダムソン,クリスティーナ・ゴメス」においても、いかに相手の真の問題点と課題点を発見することが重要かが、説かれていました。

顧客の立場に立って、自社のアプローチを俯瞰して見ましょう。顧客視点で連続した心地の良い、体験になっているか、プロダクトやソリューションを見直す視点が必要です。また、営業やマーケティングは、往々にして組織的であるはずです。自社のメンバー内でそうした顧客視点アプローチの考え方が定着できるように心がけましょう。

顧客視点になる練習には、経験則的に5名ほどの顧客にインタビューを行ってみることが、近道です。意見や感想ではなく、どのような体験があるのか「事実」に絞って、自社との取引の歴史を、最初から最近にいたるまで順を追って聞いていくことで、貴重な情報資源となります。

何が戦略定石を規定するか!?

顧客視点で物事を見るクセがついたら、顧客アプローチを検討しましょう。この時、戦略定石は、顧客ターゲットの数で異なってきます。

もし、あなたの会社やビジネスのターゲットが100社以下である場合は、「個別接客戦略」が定石となります。一方で、100社以上の場合は、「既存顧客発掘戦略」「新規顧客発掘戦略」とに、分類されます。また、その先には、顧客が持つ情報量が多い場合は、「説得前倒し戦略」となり、反対であるならば「説得後ろ倒し戦略」が理想となります。

「個別接客戦略」・・顧客のキーパーソンを洗い出し、人海戦術で関係性を構築し、深いアプローチを仕掛けていきます。広いターゲットに向けたアプローチは一切不要です。営業担当による日常的な訪問をきっかけに、信頼関係を構築し、情報交換をし、最適なソリューションを提供していきましょう。究極の形は、後述するソリューション営業(コンサルティング)となります。

「個別接客戦略」におけるマーケターは、営業であり、コンサルタントであり、開発・生産エンジニアです。折を見てお客様からヒアリングした内容をベースに刺さるコンテンツを作り、それをフックに課題解決方法を提案し、現実的な商品を開発・生産します。これほど多岐にわたるスキルセットを持ち合わせた人材は多くいないでしょう。

1社1社営業する「個別接客戦略」

「既存顧客発掘戦略」・・10年以上事業を続けている企業は、すでに保有している顧客リストに焦点を当ててみましょう。リストに対して、区分けを行い、最適なアプローチを検討してみましょう。

「新規顧客発掘戦略」・・既存顧客リストがなければ、新規顧客戦略を選択せざるを得ません。一定のコスト(お金・時間・手間)をかけてリストを収集するところから開始しましょう。

「説明後ろ倒し戦略」・・顧客があまり商品に詳しくないケースなどは、あえて商品の説明を積極的にしないほうがベストです。顧客の要望・ニーズを詳しくヒアリングしながら、本質的な課題を共有した上で、プロダクトに関する情報を提供することが望ましいです。理由は、そうしないと、理解が難しくプロダクトの魅力に気づくことができないからです。

「説明前倒し戦略」・・反対に顧客が商品について詳しい情報を得ている場合は、ストレートに商品の特徴をレビューしたほうがいいでしょう。とくに対面での営業ではなく、ナーチャリングモデルを活用して、事前情報を提供したり、あるいは顧客自身にトライアルを促しておくこともポイントです。

ナーチャリングモデルについては、過去の投稿「【BtoBマーケティングには、『正しい型』がある!?】事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践|栗原康太」が大変おすすめです!!

究極のソリューション営業とは!?

営業部門とリード獲得部門は、なかなか折り合いがつかないことがあります。売上を上げていくという共通の課題はあるものの、リードの質 vs 営業の対応の質という、うまくいかなかった場合の原因のなすりつけが起こりやすいためです。

こうした対立的な構造を解決するために、しばしば話題にあがるのが「ソリューション営業」というアイデアです。もっというと「営業部門」の「ソリューション営業」力強化です。

ソリューション営業は、コンサルティング営業などとも呼ばれ、平たく言えば「お客様の潜在的な課題を抽出・整理して、カスタマイズしたサービス・商品を提案する営業」をさします。

真のソリューション営業とは、「自分を商品にできる」か「商品を作れる」かのどちらかの条件を満たしていなければなりません。

ソリューション営業任せという発想はマーケター失格

まず、「自分を商品にできる」とは、商品がなくても純粋なコンサルティングだけで顧客に価値を提供できることです。コンテンツフィーを請求せず、見返りとして高額な商品を購入いただくケースも含んでいるでしょう。ただし、それは商品ではなく、それを売った人が継続的にサポートしていくという価値が刺さっているのです。

次に、「商品を作れる」とは、お客様の要望にあわせて新たな商品を生み出せることです。まったくあたらしいイノベー諸ナルな商品ということよりも、既存商品という枠にとらわれずに、自ら企画・開発したり、他社の商品を組み合わせて提供したり、柔軟に課題解決の手段を考えられることが大前提です。

こうした「ソリューション営業」は人材として組織内で稀有であったり、育成が難しい場合があります。真のソリューション営業を増やすことは難しいという見方もあります。また、仮にソリューション営業が存在しても、ソリューション営業が1社に対して割く時間は膨大なものになります。なぜなら、課題を抽出することから、エグゼキューション(実行)まですべて寄り添うわけですから、規模を追求することは難しいでしょう。

すべての人材をソリューション営業化することが困難である前提にたち、トップ営業のやり方を情報化技術を味方に拡大していく思想を持つことも重要です。

まとめ

  • 理想のマーケティングとは!?――「顧客視点で顧客に価値を提供できている」状態です。
  • 何が戦略定石を規定するか!?――ターゲット顧客数と、既存顧客リストの有無と、顧客の情報取得状況です。
  • 究極のソリューション営業とは!?――コンサルできる人材ですが、希少であるため、彼らの最適配置と同時に、「トップ営業」のやり方を情報化技術を味方に拡大していく手法を検討してみましょう。
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