【ギブ・アンド・テイクにも自己防衛が重要!?】「いい人」の心を消耗させない方法|アダム・グラント,レブ・リベル

「いい人」の心を消耗させない方法
  • 与えるいい人ほど、成功するけど、これって結構疲れない!?そう思いませんか?
  • 実は、その感覚、正しいです。
  • なぜなら、「いい人」は周りに流されて尽力するからこそ燃え尽きて、反対に他者にも貢献できないのです。
  • 本書は、『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』著者アダム・グラントさんによる、続編的ハーバード・ビジネス・レビュー論文です。
  • 本書を通じて、ギブ・アンド・テイクの実践編にふれることができるでしょう。

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人のタイプと成功は関係する!?

本論文の著者であるアダム・グラントさんは、2013年に『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』を上梓し、注目を浴びました。本書では、次のような内容が説かれていました。

そこに描かれているのは、心の広い利他的な人が、他者を追い落とすのではなく、引き上げることにより成功する様子である。このような人は、利己的な人や損得に敏感な人と比べて、組織に大きな価値をもたらすことがわかっている。

「いい人」の心を消耗させない方法

人は大きく次の4つのタイプに分類されるといいます。

自分本位の人

他者と接する機会をすべて自分にとっての利益増大機会と見なし、無防備な相手を疲弊させる。このタイプを見抜くには、助けてもらって当然だという態度を取ったり、平気で他人の時間を奪ったりしないか、注視するとよい。

お互い様重視の人

力添えをするのも得意だが、貸しは返してもらうものだと考えている。損をしないよう用心しながら、厚意の貸し借りをするのである。このような関係は、互いにとって大きな恩恵はないが、自分本位の相手と対応する際には助けとなりうる。

節度ある寛容の人

寛容ではあるが、自分の限界をわきまえている。頼まれたら何でも引き受けるのではなく、利他的な行いを楽しみながら長く続けられるよう、小さな負担で大きな効果が得られる方法を探す。

滅私な人

自分のことは構わずに他者を気遣う。ほぼ無条件に尽くそうとするため、他者、特に自分本位の人々に食い物にされかねない。自分のニーズを顧みないせいで疲れ切ってしまい、皮肉にも、対して他者の力になれずに終わる。

大切なのは、1)「節度ある寛容の人」を目指しつつ、「滅私な人」にならないようにすることと、2)「自分本位の人」が登場した場合は、避けるかあるいは「お互い様重視の人」を演じて切り抜けることがポイントです。

ここで「?」と思われるのが、『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』で描かれている「心の広い人」は「滅私な人」なのでは?という疑問ではないでしょうか。実は、そんなことないんです。「滅私の人」は自分を苦しめるだけではなく、他者にも成果をもたらさないこともあるそうです。

利他的な人が裏目に出る時とは!?

著者は、こんな全米400名超の教員のデータです。年度のはじめにどのように他者を支援するスタイルか?を予めヒアリングしておき、生徒の成績と相関関係をとったものです。その支援スタイルは、次の4つから選ぶものでした。

Q)あなたが担任をするアレックスの授業習熟度を向上させるため放課後の時間を使って補習を行うことにしました。その時、アレックスから、「友達のジュリアンも指導してもらえませんか?」と頼まれます。しかし、ジュリアンは、あなたが担当する生徒ではありません。あなたらならどうしますか?

  • A1)ジュリアンが何に困っているからをよりよく把握するために、放課後に個別の補習を行う。
  • A2)アレックスの補習にジュリアンを招く。
  • A3)「ジュリアンの力になろうとするのは良い心がけだが、まずは自分が授業についていけるように、勉強に専念しなさい」とアレックスを諭す。
  • A4)アレックスに、ジュリアンは担任に助けを求めるべきだと伝える。

さて、あなたなら、どんな対応をするでしょうか。そして、どの支援タイプが生徒の学習効率という面から考えた時、理想なのでしょうか。

A1は、生徒に際限なく手を差し伸べるもので、言わば「滅私」である。このような対応をする教員の場合、自分をいたわる教員と比べ、担当生徒の学年末標準テストの成績が著しく悪かった。

善意が裏目に出る時

つまり、「滅私」のマインドで、とにもかくにも関わりを持つスタイルは、自分にとってもコスト(時間的なものも含む)が過剰にかかるだけでなく、なんと相手先の利も低減させてしまう可能性があるのです。これはオドロキです。良かれと思ってやっていても、「共倒れになることだってある」ということを知る必要があります。

いい具合の「いい人」を目指す対策法とは!?

他方、我々の調査からは、あらゆる業界に共通の傾向として、組織に最も持続的な貢献をする人々、つまり、だれよりも率先して支援に乗り出して最善の意見を述べる人々は、自分の目標を達成するための時間を取っておくことがわかっている。

善意が裏目に出る時

つまり、自己防衛が必要ということになります。なんでもかんでも受けていたら、共倒れになるからです。そして、著者のおふたりは、この自己防衛のヒントを7つの視点でまとめてくれています。

  • 1.自分に寄せられる支援要望に優先順位を着けること。
  • 2.自分の関心や強みが活きる方法を選ぶこと。
  • 3.負担を公平に分かち合うこと。自分に時間やスキルがない場合は、人を紹介すること。
  • 4.まずは、自分の面倒を見ること。自分のニーズから目をそらさないこと。
  • 5.一度に複数人の力になれる方法を探ること。
  • 6.分散せずに、特定の日や時間帯にまとめて行うこと。
  • 7.自分本位の人を見つける術を手に入れ、関わりを持たないこと。

5と6は、「集中」についてですが、実は、「毎日少しずつ貢献する」よりも、「1日にまとめて貢献のアポ」を入れるほうが、なんと、自分の貢献意識や活気も高まるだけではなく、効率も上がったといいます。だから、なるべくまとめて、効率的にこなしていく貢献スタイルを見つけることもポイントなのです。

過剰にGiveな人を目指すのではなく、バランスと節度を保ちつつ、全体最適の目線で、Giveを行っていくことが最善、ということでしょう。日常生活でぜひ、意識してみたいものです。

全体最適の視点を持つための参考として、過去の投稿「【客観性の身につけ方とは!?】マッピング思考―人には見えていないことが見えてくる「メタ論理トレーニング」|ジュリア・ガレフ,児島修」がいいかも!ぜひご一読ください。

まとめ

  • 人のタイプと成功は関係する!?――心が広く利他的な人(Giveの人)が最終的には、成功します。
  • 利他的な人が裏目に出る時とは!?――滅私な人モードでは、自分も相手も共倒れになります。
  • いい具合の「いい人」を目指す対策法とは!?――7つのポイントを重視しながら、自己防衛策を考えてみましょう。

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