【実践考②「意味」を問い続ける習慣戦略】ニュータイプの時代|山口周

ニュータイプの時代
  • 「ニュータイプ」へのシフトを毎日の習慣として実践していくためにはどんな視点が必要でしょうか。
  • 実は、まず「意味」について問い続けるマインドセットが重要かも。
  • なぜなら、これからの時代は、より「意味づけ」ができるかどうかに価値が見出されるからです。
  • 本書は、山口周さん提言による新時代のスタンスを「ニュータイプ」としてまとめたものです。
  • 本書を通じて、新しい時代の働き方について、あるいは習慣についてもフィードバックを得られるでしょう。

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山口周
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NO MORE ブルシットジョブ!!

生産性が向上しているのにもかかわらず、労働時間が減っていない理由として、私たちの仕事のかなりの部分が、実際には意味のない「クソ仕事」になっている可能性がある。

第3章 ニュータイプの競争戦略――「役に立つ」から「意味がある」へ

なぜ、時間がこれほどまでにないのか、もっとゆとりを持って働けるのではないか、と思うことがありませんか。その仕事、本当に意味があるかないか、で考えた時、切なくなることもありませんか。ここに向き合うことこそが、「ニュータイプ」シフトを目指す第一歩かも知れません。山口周さんは、この「意味のあるなし」が本当に大切であると説きます。

各種調査によれば、多くの人が自分の仕事に「やりがい」や「意味」を感じることができていない。
人的資源には可変性がある。人の発揮する能力を静的なものとして考える傾向があるが、実際には人の能力は与えられた「意味」によって大きく変わる。

第3章 ニュータイプの競争戦略――「役に立つ」から「意味がある」へ

いま、「パーパス」という言葉が、にわかに注目されています。パーパス、つまり存在意義が論点になる背景として、「なぜ働くのか」を突き詰めた先の、働きがい、や幸せなどの本質的な喜びを目指すインサイトが、社会にあふれているのでしょう。パーパスや、ミッション・ビジョン・バリュー、経営理念は、これまであまりに空気のようなもので、多くの企業が見返してきませんでした。合ってもなくてもいいような言葉が、飾られているだけでは、いよいよいけない時代になっています。

消費者ではなく、いち市民として、人を捉えることをきっかけに、企業のパーパスを紐解く書籍があります。過去の投稿「【理解してる!?】パーパス「意義化」する経済とその先|佐々木康裕,岩嵜博論」を詳しくはご確認頂きたいと思います。山口周さんのレビューと重複するところもあり、より社会インサイトの理解が深まると思いますので、併読をおすすめします。

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私たちの存在意義は?

これからAIが社会実装される中で、さらに生産性は上がるでしょう。そして、さらに、人は人としてどのような仕事あるいは活動に従事するかの考えを持たざるを得ない状況になるでしょう。初めて、人は働かなくてもいいかもしれない世の中で、初めて、より多くの人が働くとは何か?を真剣に考え続ける時代が来ます。

自分自身への問いかけが大切です。そして、その問いを続けることが、自分が関わる仕事や、企業・組織の問いへと繋がり、最終的には、「意味」の発見につながっていくのではないでしょうか。

現在のように未来が不確実で、モチベーションが競争力の大きな源泉となる社会では相対的に「WHAT」と「WHY」の重要性が高まる一方で、「HOW」の重要性が低まる。

第3章 ニュータイプの競争戦略――「役に立つ」から「意味がある」へ

この時に、「ビジョン」が不可欠になります。なぜなら、ビジョン(=あるべき姿・ありたい姿)がなければ、現在とのギャップを描けず、問題点が発見できないのです。つまり、WHATもWHYも見いだせません。

「意味」を見出すを習慣化するには?!

上述の通り、私は「意味」を見出すのには、問いのトレーニングが必要だと思います。日常的に、そもそもそこには意味があるのか、を問い続けられる視野をえるためのおすすめ書籍を紹介したいと思います。

過去の投稿「【そんな先入観、楽しくぶっ壊せ!!】アート思考のドリル|若宮和男」で取り上げた、書籍です。『アート思考のドリル』の若宮和男さんは、「不良設定問題」という概念から、必要な視点を紐解きます。「不良設定問題」というのは、回答するのにいくつもの条件付が必要で、それだけでは解けない問題のことです。実は、世の中にある問題やまだ認識されていない問題の多くは、こうした「不良設定問題」であるといいます。

極めて曖昧な「問い」を抱えながら、なんとかもがいて、自分なりのアプローチを試し続けることが、「アート思考」の一つの考え方だと、若宮和男さんは、説明します。

そして、取り組むひとつのヒントとして「中動態」という状態を生かすことを提唱します。

芸術家は自分が思うとおりに作品をつくるのではなく、つくる過程の中でさまざまな刺激を受けて変化しながら、作品を生み出していくのです。そして作者は作品の制作によって変化し、作品によって改めて作者としての「自分」に出会い直します。このような相互作用的なあり方が「中動態」です。

WORK11 アートは「お持ち帰り」できる?『アート思考のドリル』より

する・されるの間の中動態の状態、ある種動的な「アフォーダンス」とも捉えられる状態を大切にすることが、ヒントです。具体的な例で言えば、人との「対話」や、執筆などの「創作活動」がこれに当てはまるように思います。人との間に重なり合う言葉や、創発される成果物は、動き続けながら、私たちを刺激し、新しい発想や気づきをもたらすきっかけをくれます。

「言葉」にフォーカスした、問いの持ち方の本は、過去の投稿「【本当の自分の見つけ方とは!?】自分の〈ことば〉をつくる あなたにしか語れないことを表現する技術|細川英雄」がとても参考になります。細川英雄さんは、自分の<ことば>を通して、物事を解釈し、自らの考えをもつ重要性を説きます。自分の<ことば>を持つためのステップはこのようなものです。

細川英雄さんは、この自分の<ことば>を見出すステップを大きく以下のように捉えます。

1.オリジナリティ(の追求。という欲求)
 ↓
2.興味・関心(の発見)
 ↓
3.問題関心(の特定)
 ↓
4.問題提起・・・「なぜ」
 ↓
5.自分のテーマ(の創造)
 ↓
6.経験・・・対話 → 「~だから」
 ↓
そして、主張へ。 → 「~と考える。~と思う」

自分の固有の考え方をまず持ち、自分自身の思考や主張にふれることで、自分という存在の「意味」に触れられるようにも感じます。社会の固定観念や人の主張に流されるのではなく、「わたしはこう思うんだけど、どうだろうか」を中動態の中に漂わせて、考えていく過程に、なんとなく「意味」を見出すヒントがあるのではないかなと思いました。

まとめ

  • NO MORE ブルシットジョブ!!――生産性が上がっているのに、意味のない仕事だらけです。
  • 私たちの存在意義は?――「意味」を見出すことです。
  • 「意味」を見出すを習慣化するには?!――アート思考、言葉、などが「問い」の習慣をもたらします。

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