- 読書したいんだけど、なかなか時間がつくれないな!って思う人も少なくないはず。
- 実は、読書のメリットをもう一度考えてみると、習慣化につながるかも。
- なぜなら、読書は知のGoogle Mapを頭に作り、自分の考えを持つことに繋がるのです。
- 本書は、苫野一徳さんによる、読書術の本で、100ページに読書の魅力がたくさんつまってます。
- 本書を通じて、あらためて読書の効用について、触れられるでしょう。
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読書はグーグルマップ!?
夏休みには、読書って、そういえば誰が決めたんでしょうね。毎年夏に、出版社がキャンペーンをうっていますね。懐かしい。時間があるからなのかな。夏休みには、読書感想文の課題も出されるし。なんか相性がいいんでしょうね。
さて、今回取り上げるのは、読書をテーマにした本です。苫野一徳さんは、哲学者でもあり、教育者でもあります。そんな苫野一徳さんが、大量の読書の中で見出した効用を、学生向けにとても明快に語ってくれます。さまざまな、たとえ話による語り口も、ふくめとてもおもしろい本です。おすすめ!!
「読書は僕たちをグーグルマップにする」
はじめに
大学で、よくそんなことを学生たちに話しています。
地図がない旅は、それはそれで、楽しいものです。わたしが学生だった頃には、スマホがなかったので、地球の歩き方で世界の国を旅したものです。当然、紙の地図は紙面が限られているので、情報が粗い。そうすると、困難もあるわけですが、思わぬ出会いもある・・若い頃はそれでも良いかもしれませんが、それだけでは息切れがしてしまうものです。
読書は、そんな知の地図を頭に描くことに役立ちます。大量の読書を通じて、知識ではなく、自分の血肉になった概念の地図ができあがっていきます。これとこれは近い、これとこれは同じようなことを言っている、そんな感じで、自分の考えの引き出しがつくられていきます。
同じレントゲン写真でも、わたしたちの見るレントゲン写真と、医師の見るそれとがまったく違っているように、大量の読書経験を積めば、世界の見え方がまるで変わってしまう、と。「教養を積む」とは、そういうことです。
はじめに
自分の興味や問題意識が、ネットワークの原点になる!?
大量の読書は、いろいろな人のいろいろな意見を元に、疑似体験を生んでくれます。自分だけの経験だけでは、それこそ独りよがりになってしまう可能性もあります。社会は、一人で生きていくもの・作っていくものではありません。だから、人の考え方を知ることはとても大切です。一方で、人の意見や考えと、自分のそれとを「交換する」ということがもっというと大切です。多様さを通じて、対話が生まれ、よりよい世界を築くきっかけがもたらされるからです。
もしわたしたちの頭の中に”教養”がクモの巣のように張り巡らされていれば、ある時突然、そのネットワークに一筋の電流がほとばしり、あらゆる知恵や知識や思考が一つにまとまり、人生の難題を解決するための最適解が見出されることがあるのです。
クモの巣電流流し
このクモの巣を作りあげていく原点にあるのは、わたしたち固有の興味や問題意識です。興味や問題意識がわからないよ!という方も少なくないはず。そんな時には、苫野一徳さんがおすすめする2ステップの読書法を実践してはいかがでしょうか。
1)投網漁法・・10冊、20冊、30冊ととにかく読んでみたいものを乱読する。図書館や本屋さんの平積みもおすすめ。
2)一本釣り漁法・・投網で興味をもったテーマの本を何冊も深掘りするように読んでみる。
この1と2を繰り返していると、知識が蓄えられて、そのことで、読むスピードが早くなります。そして、雪だるま式により多くの知識に触れられ、疑似体験が可能になります。
人間は、すでに知っていることを手がかりに次の学習を進めていく、というのは、認知科学の基本的な知見です。雪だるま式というのは、誇張ではありません。すでに知っていることが増えれば増えるほど、知識は倍々ゲームのように増大していくのです。
知識は雪だるま式に増える
でも、ここで注意が必要です。私たちには、確証バイアスというものがあるのを忘れてはいけません。
信念補強型読書 vs 信念検証型読書とは!?
「信念補強型の読書」とは、文字どおり、自分の信念に都合のいいように本を読んでいくことです。都合の悪いことは無視をして、自分の信念を補強してくれるデータや人の意見ばかり摂取していく姿勢です。心理学では「確証バイアス」と呼ばれています。
「信念補強型の読書」と「信念検証型の読書」
本をたくさん読んでいると、早合点の誤読が起きるようになります。あー、だいたいこういうことが書いてあるな!ってわかるんです。でも、本当にそんな内容が書いてあるかは、ちゃんと読んでないので、推測でしかないんです。
だから、ここは慎重に読まないといけないという嗅覚もとても大切になります。そういう自分との闘いでもある気もします。だから、苫野一徳さんがいうように、補強なのか、しっかり検証のスタンスを持てているのか、を意識したいものです。
また、1冊1冊の向き合い方として、苫野一徳さんがおすすめするのは、次の3つの視点です。
①この本(著者)の問いは何か?
②どのような方法でその問を解こうとしているのか?
③答えは何か?
この問いかけを自分の中で、毎回持つことにより、1冊の構造が把握できるため、長編でも、迷子にならないといいます。
読書に興味が湧いてきた!読書でまずは、一本釣り漁法したい!という方は、こちらの本もとてもおすすめです。「【本は風のように読め!?】乱読のセレンディピティ|外山滋比古」、「【いかに知的戦闘力を高めるか!?】読む力 最新スキル大全|佐々木俊尚」、「【なぜ読書は、今を生き抜く力になるのか?】本を読む人だけが手にするもの|藤原和博」



暑い夏は、クーラーの効いたお部屋で、読書!これに限る!!
大人の自由研究してみましょう~!あなたは、どんなテーマを選んでみますか!?
まとめ
- 読書はグーグルマップ!?――知のネットワークを頭の中に作ると、自分や世界を考えることに繋がります。
- 自分の興味や問題意識が、ネットワークの原点になる!?――自分固有のテーマを見つけ、深掘りしましょう。
- 信念補強型読書 vs 信念検証型読書とは!?――確証バイアスがあることを念頭に、読み進めましょう。
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