【焦るな!耐えろ!】ネガティブ・ケイパビリティ|帚木蓬生

ネガティブ・ケイパビリティ
  • カオスな状態に見切りを付けて、えいや!で答えを出しまくってませんか?
  • 実は、わかることや答えを出し続けることが、すべて正しいわけではありません。
  • なぜなら、思考停止状態に陥るため、本質的な問題をすくうことができないからです。
  • 本書では、カオスで答えが出ない状況を耐える力「ネガティブ・ケイパビリティ」のあり方について詳しく触れていきます。
  • 本書を読み終えると、VUCA時代にあって、本質的な取り組みを維持する心構えを保つ「ネガティブ・ケイパビリティ」という呪文を身につけることができるでしょう。
帚木蓬生
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分からないことを嫌う脳

私たちの脳は、ともかく何でも分かろうとします。分からないものが目の前にあると、不安で仕方ないのです。

第三章 分かりたがる脳

記号を認識する脳の部位である前頭葉を発達させた人間は、なんでも枠に当てはめます。

文字、数字、符号、図形などで本当はもっともっと複雑な自然や社会の摂理を、シンプルに記述します。

時に、これは文明や文化の発達を助けてきました。

でも冷静にならなくてはいけません。

なぜなら、多くの情報を切り落としているからです。果たして、文字や図形はこの複雑系な世界のどのくらいを切り取れているのでしょうか。

マニュアルに書いていないことが起きた時に、焦ってしまうように、わからないことが目の前にあることにとても耐えられないようになってしまっているのがヒトなのです。

まず、ポジティブ・ケイパビリティとは?

私たちが、いつも念頭に置いて、必死で求めているのは、言うなればポジティブ・ケイパビリティ(positive capability)です。しかしこの能力では、えてして表層の「問題」のみをとらえて、深層にある本当の問題は浮上せず、取り逃してしまいます。いえ、その問題の解決法や処理法がないような状況に立ち至ると、逃げ出すしかありません。それどころか、そうした状況には、はじめから近づかないでしょう。

はじめに――ネガティブ・ケイパビリティとの出会い

これまでほぼ単一の価値観で生きてこられた時代は、社会を単純化して捉えることが機能していたかもしれません。でも、定常社会を迎えたり、自然災害や、格差社会など、地球規模の問題を目の前に、単純化は誤謬を生みだしてしまう可能性をはらみます。

難しいことですが、複雑なものをそのまま複雑系で受け入れる忍耐が求めれているのです。

でも、上記のように人間は、脳の発達によって、こういうカオス状態を嫌います。ここの状態に浸りながらも、考え続けることができるかどうかが問われています。

こうして、書いてみると、もしかして昨今のビジネス書などを中心に、DIALOGUE(対話)が盛んに語られるのは、こうした背景があるからなのかとも思いました。

過去の投稿「【今頼るべきは、国家なのか?】くらしのアナキズム|松村圭一郎」において、未開文明のリーダー像が語られていました。南米先住民、ミラネシア、アフリカなどの先住民のリーダーに共通することとして、率先して部族の皆に奉仕をする態度と行動があるといいます。そして、この奉仕活動のなかに、部の統率があります。そして、この統率方法が面白い。というのも、部族みんなが納得するため根気強く対話するというのです。

待って待って、とにかく待って、みんなの気持ちが同じ方向を向かうことを待つ。

日本でも昔のムラ社会での取り決めごとはそうだったらしいのです。

ひとりひとりの心理や状況こそ複雑系だということに気づきます。そしてその複雑なみんなが集まったムラは、さらに複雑の極まりなのです。本来、属性やペルソナといった手法でくくることができないはずの人間と向き合う姿勢を見ます。

そして、ネガティブ・ケイパビリティとは?

ネガティブ・ケイパビリティ(negative capability 負の能力もしくは陰性能力)とは、「どうにも答えの出ない、どうにも対処しようのない事態に耐える能力」をさします。あるいは、「性急に証明や理由を求めずに、不確実さや不思議さ、懐疑のなかにいることができる能力」を意味します。

はじめに――ネガティブ・ケイパビリティとの出会い

著者は、過去にたまたまであった論文から、このネガティブ・ケイパビリティの概念を見つけました。その論文は学術的なものでありましたが、なんと詩人の言葉を引用していたといいます。

アイデンティティを持たない詩人は、それを必死に模索する中で、ものごとの本質に到達するという、なんとも不安定な心理状況の中を生きるのです。

この世の中の不思議なものごとをそのまま受け入れて、言葉を紡ぐ詩人。かれらの姿勢こそが、ネガティブ・ケイパビリティであるのです。

山鳥先生によれば、分かるといってもその水準はさまざまで、浅い理解と深い理解があるといいます。浅煎り会でとどまりやすいのは、重ね合わせ的理解です。いわゆる小さなこまごまとした理解を積み重ねて、大きな理解を目指します。しかし現実は、そううまくいくものではなく、いくら積み重ねても断片のままで残っているのが実情でしょう。

第三章 分かりたがる脳

答えを急いではいけないです。そして、小さなファクトを積みかねていっても、それは、全体を捉えられるのかというとそういうことでもないのです。全体感を忘れないためにも、複雑に向き合うネガティブ的志向をまえむきに持ちたいものです。

まとめ

  • 分からないことを嫌う脳――記号化を行ってものごとを抽象化・シンプル化するための前頭葉が発達したヒトは、分かりたがりです。でも分けることでは、世界をそのまま理解できることにはならないのです。
  • まず、ポジティブ・ケイパビリティとは?――答えを性急に急ぐことです。
  • そして、ネガティブ・ケイパビリティとは?――世の中を不思議、複雑なまま受け入れる態度のことです。

とらえかたによっては、「ネガティブ・ケイパビリティ」とは単なる忍耐力のようになってしまう可能性があります。でも、そんな当てはめ思考が行けないのですね。「ネガティブ・ケイパビリティ」という概念を知ることが、私たちの行動や考えに与える影響は絶大なものがあると思いました。

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