【あらためて存在価値を書けるか?】ステートメント宣言。|岡本欣也

ステートメント宣言。
  • 明日が信じられない時代に、企業や事業やブランドは、どのように人と向き合っていったらいいのでしょうか?
  • 実は、「ステートメント」と呼ばれる文を書くことにヒントがあります。
  • なぜなら、「ステートメント」は社会にとっての存在意義をやさしく、柔らかく、気持ちを込めて「ひとり」に伝えるお手紙のようなものだからです。
  • 本書では、コピーライターである岡本欣也さんが、この「ステートメント」とはなにか、そして「ステートメント」を書く心構えや方法を指南してくれます。
  • 本書を読み終えると、これからの時代において企業、事業、ブランドと社会の橋渡しをする言葉の見つけ方を知ることができるでしょう。
岡本欣也
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「ステートメント」が求められる時代

いま現在、これまでとは違ったかたちで「ちょっと長めの文章」が見直されはじめています。キャッチコピーだけでは捉えきれない企業の複雑な状況と、そこにかかわる人々のさまざまな思い。それを、ステートメントにしてほしいという依頼や要望が、この十年くらいで明らかに増えてきました。急増と言ってもいいくらいです。その変化のタイミングは、ボディコピーと呼ばれていたものが、ステートメントと呼ばれはじめた時期と、感覚的には符合します。

第1章 商品が「生まれてきた理由」を探す

パーパスブランディングが、いま盛んに語られています。はやり言葉のようになっていますが、その背景を注意深く想像すると、定常社会になり、コロナに襲われ、生き方や働き方を根底からもう一度考えなくてはいけない時代になったことがあげられるでしょう。

社会全体が本質を問われる時代に置いて、もちろん、人が構成する組織や、人が産み出した事業、ブランドだって、「存在価値」をもう一度、見いださなくては残ることができません。

ブランディングの一環として、ステートメントをすでに掲げていた企業のほとんどが、時代の変更に合わせて、それを上書きする必要が生じたのだとも言えます。いま求められているステートメントは、人々が働くことの新しい意義を見つけたり、あるいはまた、生きるすべての人の希望へと少しでもつながっていくような、そんな大きな言葉、強くて優しい、スケールの大きな言葉に違いありません。

第1章 商品が「生まれてきた理由」を探す

人は、よく前が見えないから、原点に立ち返り、言葉で勇気を得たいのだと思います。

小手先の施策も時に大切な場合がありますが、いま、改めて「なぜ、あるのか?」「どこを目指すのか?」をステートメントに託していきたいです。

ものごとへの着眼点の持ち方

この世に生まれてきたどんな商品、企業にも、存在理由はある。ちゃんと使命がある。

第1章 商品が「生まれてきた理由」を探す

でも、それを言葉にできているでしょうか。

その事業やブランドに関わる人(顧客も、社員も、役員も、取引先も、株主も、みんな)が、「そうなんだ!」って膝をたたいたり、希望を持てたり、気持ちが変わったり、する言葉が必要だと思います。

ふだんは誰も気にも留めない、何気ない顔付きをした幸せ。そんな日常の中に隠された、小さな真理を発見すること。それこそが、言葉の力の源泉だということを、このステートメントは如実に教えてくれます。ちなみにそれは、お金を出して手にい入れるのではなく、コピーライターが身のまわりから見繕って仕入れればいいもの。真理というタカラモノはいつも、手を伸ばせばつかめるところに、無数と言っていいくらいころがっています。

コピーは、つくるものではなく、見つけるもの。

岩崎さんは、日頃からそう言っていました。これはコピー制作上の最重要認識と言っても過言ではないでしょう。コピーはもちろんつくるものなんですが「つくろう」という意識でのぞむと、どうしても心が自然体ではいられなくなる。ときには真実をねじ曲げてしまうこともある。

第1章 商品が「生まれてきた理由」を探す

こねくり回して言葉をうみだすのではなく、そこにあるはずの言葉を探しに行くことが心構えとして大切です。

よくよく考えてみますと、言葉自体、先人が作ったものです。そして、その言葉を通して表現しようとしているのは、これまた他者がつくり上げた商品だったり、ブランドだったり、会社だったりするわけです。だから、つくるのではなく、見つけることを前提に向き合うことが大切だよ、と、岡本さんの師匠岩崎さんもおっしゃっているのかなと思います。

ステートメントの見つけ方

ホームページで得た情報は、読んだそばから忘れましょう。
忘れる自信のない人は、読むのをやめましょう。

第2章 わからないから聞く、わからないから書く

岡本さんは、ホームページというのは、「本当」のことが書かれていないと言います。それは、よそゆきの間違いがないように作られた組織としての言葉だと。企業にはたくさんの人がいて、それぞれいろいろな仕事をしているはずなのに、ホームページにはそれが削ぎ落とされて、正しさだけでコーディングされているようです。

こうした類の文章が面白いわけないし、紋切り型の言葉しか生み出すことができないでしょう。

「存在価値」と向き合うためには、より生の情報にあたっていき、深堀りをしていくことが大切です。

人の話に耳を傾けること。そしてもうひとつは、相手に対して質問すること。

第2章 わからないから聞く、わからないから書く

得意先に質問をしていくことが、最高の取材になります。間違ってもいいから、些細なことでもいいから、わからないことは質問をしていくという心構えが大切です。案外、「あたりまえだからあえて聞くこともないだろう」と思われているようなことに、真理が隠れているかもしれません。

そして、聞いた話の「ニュアンス」も大切にするべきです。
端折られてしまう情報の方に、本質が隠れていることも多々あります。

と、こんなことを書きながら、、
本当は、連日の投稿でももっとかきたいことがあるのですが、かなり端折って、要約のさらにつまみぐいみたいな状態になってしまっていることを反省しています・・捨てていってしまった思考の断片を投稿に書ききることができていないのですが、どちらかと言うと、本を読みながら考えたことやつながったことの方が、価値があるのかもしれないと思いつつも、またこうして端折っています。(反省も込めて・・少しずつ投稿の内容も工夫していきたいと思います!)

迷ったら、原点。そんな言葉があります。

第2章 わからないから聞く、わからないから書く

よく見れば聖人君子やスーパーマンなどではないということ。ただただ、人間であったということです。特権的な立場にもない。約束された成功や未来などこれっぽっちも持ち合わせていない。私たちと変わらないそんな人間くさい人間が、迷ったり、悩んだり、怒ったり泣いたり、ときには深く傷付いたり傷付けたりしながらも、それでも一歩を踏み出した、ということが重要なのです。だからその、人間らしい弱さと強さを、我々にも該当しうる可能性として感じとるべきだと思います。

第2章 わからないから聞く、わからないから書く

文化人類学者の文章を読んでいるような錯覚におちいります。文化人類学者も、他の部族を研究し、自分の文化と比較する中で、差異と共通点に注目します。どちらかを賛美したり、卑下したりするのではなく、「人とはなにか」に近い本質的な問いと向き合うために。

岡本さんの経営者への眼差しにも、近いものを見ます。

人間らしさに純粋に素直に生きた人が、ゼロから1を生むような力を使えるのかもしれません。この人間らしく生き抜くというのがまた難しい・・というのは、岡本太郎さんが語っています。岡本繋がりですし、ぜひこちらの投稿も読んでみてください。「【人間として生きぬくために・・】自分の中に孤独を抱け|岡本太郎」。

そして、こうして見つけた人間的な生き様や、着想や発見の中に、多くの人にとって共感し得る企業の「存在価値」が存在しているということなのでしょう。

まとめ

  • 「ステートメント」が求められる時代――企業、事業、ブランドや商品をはじめおおくのものごとが、その「存在価値」を問い直されています。「存在価値」を言葉にしましょう。
  • ものごとへの着眼点の持ち方――すでに存在するものには、生まれ持った「価値」があります。まずは、その「存在価値」に目を凝らしましょう。
  • ステートメントの見つけ方――問いを持ち、質問を投げかけましょう。ささいなことでもかまわないので、わからないことをほったらかしにしないようにしましょう。さらに、創業の原点を見つめましょう。

ものごとの本質を突き詰めていくときに、問いを持つ必要があるのですが、どうしたら問いをもてるのか?が最近の疑問です。不思議!と思うことの気持ちの裏側には、普通こんなかんじでは?とか、通常こうなるはずという、先入観があるようにも感じて、たぶんこれは文化人類学が、何年もチャレンジされていることなのですが、まだ良くわかりません。

岡本欣也
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