【社会は作れる!】自分で始めた人たち~社会を変える新しい民主主義|宇野重規

自分で始めた人たち~社会を変える新しい民主主義
  • この社会は与えられたものだと思っていませんか?半分正解。でも、半分は間違いです。
  • 実は、社会って自分たちの意志があれば、作れるものなんです。
  • なぜなら、SDGsを実現できる社会のあり方も、DXが浸透し仕組みから変容した社会も、現代における子育ても、結構多くのことに答えがまだ出てないからです。現代を生きる私たち一人ひとりが考え行動する結果、それが答えになります。
  • 本書では、東京大学教授の政治学者で、『民主主義とは何か』で有名な、宇野先生が「チャレンジ!!オープンガバナンス(Challenge Open Governance/COG)という企画の優秀賞者との対談をまとめています。「チャレンジ!!オープンガバナンス」は、住民発の小さくも新しい民主主義の形を取り上げる企画です。
  • 本書を読み終えると、社会というのは与えられるものではなくて、その構成員である自分の手で作っていけるものなんだという小さな、しかし確かな希望を感じることができます。
宇野重規
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日本に真の意味で民主的な政治参加の文化を定着させる。

Challenge Open Governance(COG)、あるいはその他の活動でもいいのですが、多くの方にオープンガバナンス(市民と行政が協働で地域の課題解決に取り組むこと)を通じた社会変革に加わっていただくこと、そして日本に真の意味で民主的な政治参加の文化が定着することが、この本の目指すゴールとなります。

はじめに

「政治」「民主主義」と聞くと、どうも自分とは遠い世界のことのように、思えてしまう人も多いのではないでしょうか。

でも、「政治」も「民主主義」も、本当は、社会の仕組みをみんなで作ることなんですよね。

地域のポイ捨てのゴミが気になったり、公園が欲しくなったり、家の近くで桜の木を見て和みたいなとおもったり、保育の質を追求した保育園がほしかったり、これって全て、他人に任せて解決してもらうのではなくて、自分で解決するために動くことだって本当はできるはずです。

そんなふうに、社会というのは、与えられるだけではなくて、作れるんだよ!と、少し背中を押してくれる事例がたくさん出てくる書籍です。

著者は、東京大学の政治学者であり、Challenge Open Governance(COG)という「自分で社会変革を始めた人」を取り上げる企画を主催しています。

このCOG受賞者6名(事業者)との対談の中で、現代の民主主義についてフォーカスしています。

現代の民主主義を取り巻く状況として次の3つを指摘します。

1.「デジタル化時代の民主主義」
急激に変化するテクノロジーが民主主義にいかなる影響を与えるのかを俯瞰します。特別な場所や立場にいなくてもデータにアクセスする権利を私たちは皆持つことができる時代になりました。これまではデータを持つものこそが、社会を構成する影響力を持ちましたが、今後は、データを編集しつなぎ合わせて、うまく活用する人が主役となる時代です。

2.「日常に根ざした民主主義」
そんなデジタル化の中で、人々が自分たちの社会のことを、自分たちの力で解決していく、そんな経験を積み重ねている点を強調します。シビックテックという概念が登場する時代、いわゆる「政府」や「役所」も手段でしかないということを意識することさえできる世の中になってきているでしょう。

3.「社会を変える人の力」
自ら考え、行動し、社会を少しずつ変えようとしている人は、必ずしも皆が、高いスキルを持ち合わせているかというと、必ずしもそうではありません。むしろ、みなを巻き込む不思議な魅力、著者の言葉でいうと「人間力」を備えた人たちです。

本書では、こうした3つのポイントを感じながら、現代社会が新たな局面に入りつつある中で、新しい民主主義のあり方を6つの具体的な事例を持って、実感することができます。

変革の時代。誰も答えを持たない、だから考える、そして作る。

これは、それまでの経済優先社会で希薄になっていた公共性を、もう一度取り戻すプロセスであり、そうした価値観を皆が共有するということでもあるのです。その観点からすると、私たちの社会はまだまだSDGsの本質に近づいていない

経済活動を優先してきた価値観の転換

本書では、6つの取り組み事例の中から、共通のテーマを見ることができます。

たとえば、上記引用のSDGsです。SDGsを別の角度から見ると、私たちがこれまでつくったこともないようなバランス感覚を地球上にもたらすことであると捉えられるでしょう。例えば、経済性と環境がもっとも理解しやすいバランスの一つでしょう。あとは、経済性と倫理観など。

経済成長を追求する勢いの中で、置いてきぼりにされてきた、人間らしい価値観をもう一度、ゆっくりと、でも確実に取り戻すことが求められる時代になっています。

人類の時代のページが新しくめくられる中で、私たちは、これまで経験したことがないような問題解決に取り組まなければならない過渡期にあります。

SDGsの他には、たとえば、「DXと行政のオープンデータのあり方」「子育てのあり方」なども、新しい問題です。

・データは固く閉ざされた金庫に保管することが重要だった社会から、オープンでみんなが使える時代へ。
・子育ては手探りで画一的だった時代から、その子の本質を引き出してあげる時代へ。

これらの難問を認識し、それだけではなく行動する人との対話を本書では収録しています。

社会がいいと思うものよりも、一人がいいと思うものへ。

一人ひとりが「人間」として、社会変革の覚悟を持つ

一人ひとりが「人間」として、社会変革の覚悟を持つ

このDX革命の時代に、ネットワークやデジタル技術で世の中がガラガラポンになることは明らかです。私たちはこれまでの通念にとらわれずに、ものごとを見立て、問題提起し、解決に向けた対話を始めるタイミングにあるのでしょう。

著者は、まず好きなことをせよと言います。そして、その延長線上で、日常生活の手応えや手触りをわすれない範囲で、社会変革を目指してみましょうと、背中を押してくれます。

私は、その言葉を聞いて、「社会は作れる」というふうにポジティブに捉えることができました。

どんな人でも関わりのあるはずの社会。でも、どこか遠くにある社会。それをぐっと解像度上げて、自分の肌で感じて、頭で考えて、もっと居心地を良くしていきたい。きっと時代もそんな気分と行動をもとめているんだ。そう思いました。

まとめ

  • 日本に真の意味で民主的な政治参加の文化を定着させる。――新しい民主主義を考えるヒントとして、COGでの取り組み6団体との取組事例を見てみましょう。
  • 変革の時代。誰も答えを持たない、だから考える、そして作る。――誰かが答えを出してくれる時代ではなくて、誰もわからないからこそ、行動を起こした人が最先端になれる時代。
  • 社会がいいと思うものよりも、一人がいいと思うものへ。――社会や国とかそういう大きく抽象的な対象ではなく、自分や家族、地域など、小さくとも手触りがある単位を大切にしましょう。

「社会は作れる」という言葉を、この本を読んで、気づくと口にしていました。これまで、「政治」や「社会問題」というのは、どこまでいっても遠い存在のように思えてなりませんでした。でも、コロナ禍で働き方が変わって、生活が変わる中で、だれもが、社会のあり方を身近な問題として捉えやすいタイミングのはずです。ぜひ、本書を手にとっていただき、考えるきっかけを得てみてはいかがでしょう。

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