- 落ち込んだ時とか、モヤモヤしてるとき、心のなかで、ついつい「○○しないといけない」とか「○○じゃないと」とかが、口癖になっていませんか?
- 実は、それは単なる決めつけかもしれません。
- なぜなら、人生は「解釈」次第で、まったく別ものに見えてくるんです。そして、未来も、過去さえも変える力を持てます。
- 本書では、電通のコピーライターである阿部広太郎氏が、コロナ禍を経て考えた「解釈」のちからを詳しく説明してくれています。
- 本書を読み終えると、自分の人生の「見立て」を更新し、困難に立ち向かえる勇敢さをくれるでしょう。
解釈次第で、人の人生は大きく変わる。「積極的解釈」でいこう。
自己啓発本というより「自己解釈本」として書いていく。
「はじめに」という名の「招待状」
コピーライターは、ものごとを見立て、そしてそれを「伝わる」形に描写する職業です。対象のものごとだけではなくて、時代背景や、人の心理、社会の摂理のようなさまざまな角度から描写の角度を考えます。
そんなコピーライターとして活躍する阿部広太郎さんが、コロナで急激に変わる世界の中で、自分の活動や人生を見つめる中で紡いだ書籍です。
「広太郎」。いい名前ですよね。阿部広太郎と、フルネームにしたときのバランスも良い。
ご自身としてもきっと、そのことを人生を通じて、考えてきたのでしょう。
阿部さんが主宰する言葉のセミナーでは、まず受講者はご自身の名前の由来を解釈することから始まるそうです。
一番近くて、遠い存在の自分。そんな自分の名前を考えることをヒントに、解釈の世界の扉が開かれます。
ものごとは名前をつけられてはじめて認識できるようになります。「美魔女」とか「第3のビール」とか、はじめて名前がつけられることで、人はそれについて考えられるようになります。
その一方で、おそらくまだ世の中には名前がついていないこともあるのです。
もしかしたら、今現在のあなたのモヤモヤや、ドキドキにも名前をつけてあげることが大事かも。
コロナ禍になって、世界が変わっていく中で、生活が激変して、名もなき時間や感情がぶわっと増えました。阿部さんはそんな環境や気持ちを流してしまうのではなくて、きちんと解釈し、名を与えることが重要だと説きます。
そのまま「今」を受け止めない。解釈しながらさばいて、心を整えよう。
現在という「今」に対して、積極的な受け身を取るのはどうだろう?
そのまま「今」を受け止めない。解釈しながらさばいて心を整える
今、この瞬間というのは、人にとって2.5秒だそうです。過去というのは、この現在の2.5秒の積み重ねの結果ですし、未来も、2.5秒の積み重ねであると言えます。
この瞬間にも生まれる自分の衝動に名前をつけて「アンサーを返す」こと。その衝動を流さないで、解釈し続けることで、未来を紡ぐことができます。
また、そうして丁寧に積み上げられた未来から、過去を解釈してみる。そうすれば、過去でさえ、変えることができます。
「あの時の苦い経験があったから、今がある」というような感覚になれるということですね。
未来が変えられるのと同じように、過去も解釈次第で変えられる。そのために、今すぐに、自分自身について、自分の衝動に赴くままに「解釈」をはじめましょう。
「変わらなきゃ!」と思わなくてもいいです。時代が勝手に変わっていく世の中です。変わっていく時代で変化する環境に対して、リアクションをするスタンスも大切です。
「どうありたいか?」「何をしたいか」を常に自分に問いかけてあげよう。
未来は不確かだ。だからこそ、揺るがない意志を持っていたい
未来は不確かだ。だからこそ、揺るがない意志をもっていたい
意志を持ち、人生をよりよく行きていくためには、自分について知る必要があります。阿部さんは、「Being」と「Doing」の2つの視点が参考になると言います。
Beingは、「どうありたいか?」について考える、心の内側へ内側へと手を伸ばしていくイメージ。
Doingは、「何をしたいか?」を考える、体の外側へ外側へと手を伸ばしていくイメージ。
どちらが良いというのではなく、自分にフィットする方で考えればよいです。いずれにしても、大事にしたいのは、今この瞬間の「現在」、わたしは何に心動かされて、それをどう解釈するのか?ということでしょう。
阿部さんが指摘することと、同じことを別の角度で語るのが「Dark Horse」でしょう。「個別化の時代」に、自分の好きを味方につけて、少しずつ未来へのアングルを自分に引き寄せていくことが語られています。
ぜひ、こちらの書籍と合わせて読みながら、現代の生き方について、自分なりの解釈を考えてみたいものです。
まとめ
- 解釈次第で、人の人生は大きく変わる。「積極的解釈」でいこう。――だれかが、決めた物事の味方をするのではなくて、自分流の解釈をすることが、自分と、未来と、過去さえも変えていく力になります。
- そのまま「今」を受け止めない。解釈しながらさばいて、心を整えよう。――「今」この瞬間の衝動を流すことなく、それを解釈することの積み上げが大切です。
- 「どうありたいか?」「何をしたいか」を常に自分に問いかけてあげよう。――自分自身の「好き」に素直になって、物事を解釈しながら、人生を切りひらいていきましょう。
ものごとをよく見ることって、実はできているようで、全くできていないのかもと思いました。自分のことについてはなおさらです。著者がコロナ禍を通じて、あらためて「解釈」したように、私たちも毎日の生活の中で、積極的解釈をする機会を大切にしたいものです。