- このままの雇用制度では、なんとなく日本はもたないんじゃないか!?とは多くの人が、うすうす感じていることだと思いますが、なかなか毎日の行動までは変えられていないのが現状ではないでしょうか。
- 実は、そのうすうすはあたっていて、20年後にはサラリーマンが消滅します。
- なぜなら、少子高齢化社会の中で、このままでは年功序列制度、終身雇用制度が破綻してしまうからです。
- 本書では、そんな日本の雇用の将来像を見通した上で、雇われる側としてのキャリア戦略を著者が説明しています。
- 本書を読み終えると、これからのキャリアビジョンを持つ重要性とその考え方を見つけることができるでしょう。
ジョブ型雇用時代、はじまる。
今から20年後には、日本から「サラリーマン」が消滅します。
はじめに「ジョブ型雇用」時代の「新しい働き方」とは?
富士通、日立製作所、KDDI等の日本を代表する大会社が、すでにメンバーシップ型雇用を廃止して、ジョブ型雇用を採用しているといいます。
メンバーシップ型とは、旧来の日本企業の多くが採用していた人を重視する雇用形態のことです。まずは人ありきなので、何ができるかは差し置かれます。年功序列制度によって支えられた雇用は、一定期間の安定をもたらすものの、意欲の低下と人材の目覚ましいスキルアップを阻害します。
一方で、ジョブ型雇用とは、その人の能力と成果で評価され、収入が決定される制度です。人ではなく、その人の専門性が評価対象になります。多くの欧米企業がこのスタイルをとります。
少子高齢化の中で、日本のメンバーシップ型雇用は、破綻を迎えます。著者は、以下のような未来シナリオをえがきます。
2025年――団塊ジュニアが50代となり、その人件費負担を避けるために「大リストラ時代」が始まります。
2027年――「大リストラ」を受けて、サラリーマンの間で「学び直し」が大ブームに。
2029年――若手社員は、外資系企業へと「大転職」の時代を迎えます。
2031年――日本企業にもジョブ型雇用が浸透する結果、キャリアの超格差社会が誕生します。
2033年――実力ある外国人や女性が社長ポジションに就くことがあたりまえに。
2035年――変われない企業の衰退が目に見える形になります。
2037年――若手社員が、国外流出。
2039年――放漫財政の日本株式会社が崩壊します。年金も崩壊することで、1億総生涯現役社会へ。
2041年――混乱の中から這い上がる意志を持った人によりスタートアップ企業が増加へ。
こうした未来は、当然、確定されているものではありませんが、少なからず予見されています。
ではどうするか?
まずは、自分の力で切り抜くよりほかありません。というかそれしかありません。だから、キャリアビジョンを見つめよう。気づけば、会社が提供してくれるストーリーに乗っている(ことが多い)だけで、ほったらかしにしていた自分を見つめましょうと著者は繰り返し伝えます。
キャリアビジョンのえがき方。
とにかく、その時その時、一生懸命考えて、自分としてなりたいもの、キャリア・ビジョンを設定する。そして、設定したら、それに向かって行動する。でも、自分が興味を持つ対象が変わったら、いさぎよく切り替える。そして、またそれに向かって努力する――。ビジョン設定は、こんな試行錯誤のプロセスだと割り切ってほしいのです。
1まずは、自分のキャリア・ビジョンを描く
著者は、ユニークなキャリアの持ち主です。まさに紆余曲折。さまざまな企業でのジョブキャリアや留学を経験した後、40代後半から弁護士にチャレンジして、いまでは弁護士事務所を経営しています。
その中で、はじめから確固たるキャリアビジョンがあったかというと、そうでもなかったと言います。だから、キャリアビジョンを描くときにも肩肘をはらずに、ぼやっとしていてもいいから、どんなことがやりたいのか?を漠然と考えることが大事といいます。
そのかわり、常に自分のキャリアビジョンに対して敏感でいられるか?考え続けているか?その継続性が大切になります。
ビジョンは、試行錯誤のプロセスだから、常に生まれ変わり続ければ大丈夫。そう背中を押してくれているようです。
オオカミになれ。
つまり、日本社会のサラリーマンはヒツジになることを求められますが、外資系の世界、つまり未来の日本の世界では、オオカミになることを求められるのです。
5「会社員マインド」から「ジョブ型マインド」に切り替える
キャリアビジョンをえがきながら、マインドセットも同時に生まれ変わらせていきたいものです。
積極性がなくて、指示待ち体質で、ただ会社に来ていればいいというスタイルは、メンバーシップ型雇用では通用したと思いますが、ジョブ型雇用では通用しません。
ヒツジではなく、オオカミのマインドセットが大切です。
失敗することもあるでしょう、しかしそんなときも、カラリと忘れる、そして次の挑戦を続けることを意識しましょう。
日本企業でも、スタートアップ企業、中小企業では、外資系と同じような状況です。業績の変動が極めて激しいので、突然雇用が打ち切られたり、リストラされたりします。でも、案外そんな業界の人は楽天的なものです。
なぜか?
それは、そんな業界に足を踏み入れる時に、腹をくくっているから。こうした割り切りも大切なのです。
岡本太郎の生き様を思い出します。過去の投稿「【自分の人生を引き受ける覚悟はあるか?】自分の中に毒を持て|岡本太郎」で、岡本太郎は、とにかく人生は自分との闘いだと言っていました。社会や組織に頼っているうちは、本当の自分なんかじゃないと。
本質的に人生を生き抜きたいのならば、死に直面するように、毎日、その瞬間瞬間を自分と闘いながら生きるのだと伝えます。
彼の生き方と、未来へのキャリアが重なったように見えました。
まとめ
- ジョブ型雇用時代、はじまる。――日本株式会社は破綻します。そこに所属する企業はいずれ多くがジョブ型制度を採用します。
- キャリアビジョンのえがき方。――ジョブ型制度では能力と成果が重視されます。いまから、キャリアビジョンをえがく練習をしましょう。
- オオカミになれ。――覚悟を決めて、自分と見つめ直しましょう。社会や会社に自分を委ねるのではなく、自分との闘いに身を置きましょう。
わたし自身、2020年5月に中小企業診断士を取得してから、とにかくJUST DO ITの精神で、会社内外で、色んな人と会い、いろんな会社とお仕事をさせていただいています。そんな中で、いろんなことを考えます。そんな機会があること自体に狂喜しながら、がむしゃらにやっている感じです。自分と闘いながら、また、新しいことを始めていきます。一緒に、自分の人生に挑戦していきましょう!