- 内向的であることは、良くないことなのでしょうか!?
- 実は、そんなことなくて、むしろ内向的であるという自覚をもとに、もっとよりよいものごとや人との関わり方を見つけることができるようになるかもしれません。
- なぜなら、それこそ特徴であるからです。
- 本書は、内向的な人の人生の歩みを考えるための1冊です。
- 本書を通じて、“内向き”を魅力を見つける視点に変換する方法を知ります。
内向型は、すばらしい特徴をもつ!?
ティボ・ムリスさんは、フランス出身のビジネスコーチ兼著述家として、内向型の特性を深く理解し、その価値を世界に伝える活動を続けています。
彼自身も内向型であり、フランスの大学を卒業後に来日し、一橋大学大学院でMBAを取得。東京のコンサルティング会社での勤務を経て帰国し、現在はエストニアを拠点に活動しています。
注目すべきは、彼の著作が英語圏を中心に23か国語に翻訳され、累計60万部を突破していることです。心理学、能力開発、旅行、外国語学習への深い関心を持つムリスさんは、多様な文化的背景を持つ読者に向けて、内向型の特性を肯定的に捉える新しいパラダイムを提示し続けています。
特に興味深いのは、彼が日本での実体験を通じて東西の文化的違いを肌で感じ取り、それを内向型の理解に活かしていることです。日本社会特有の「協調性」や「空気を読む」文化の中で、内向型の人々がどのような困難に直面するかを深く理解した上で、実践的なソリューションを提供しています。
ティボ・ムリスさんのプロフィールはこちらからもどうぞ。
翻訳を手がけた弓場隆さんは、『うまくいっている人の考え方』や『人望が集まる人の考え方』など数多くの自己啓発書の翻訳を手がける経験豊富な翻訳家です。心理的な洞察に富んだ原著の本質を、日本の読者に分かりやすく伝える技術に長けており、本書でもムリスさんの温かく理解に満ちたメッセージを丁寧に日本語に移し替えています。
この本で最も印象的なのは、内向型に対する根本的な認識の転換を促している点です。
内向型が社会のために役立つ、いちばん良い方法は、自分のそういう性格を適切に評価することだとムリスさんは語ります。
多くの内向型の人が悩んでいるのは、自分の特性そのものではなく、それを「なおすべき問題」として捉えてしまっていることです。
あなたは次のような特徴に心当たりがありますか?
- 集団より1対1の会話の方が好き
- 文章の方が自分を表現しやすい
- 一人でいる時間を楽しめる
- 世間話は苦手だけど、関心のある話題なら深く語れる
- 聞き上手だと言われる
- 電話に出るのがおっくうに感じることがある
- 考えてから話す傾向がある
- 楽しいことでも外出すると疲れを感じる
これらに多く当てはまる方は、内向型の特性を持っている可能性があります。
本書では、内向型の人が持つ特徴を科学的に整理しています。例えば、内向型の人は外向型よりも外部の刺激に敏感であり、一人の時間でエネルギーを回復する必要があります。これは怠惰や逃避ではなく、脳の仕組みに基づく自然な反応なのです。
個人的に印象深かったのは、内向型の人が持つ「深く考える力」と「集中力」という特性でした。
表面的な雑談よりも本質的な話題を好み、少数の人との深い関係を築くことに価値を見出す。一つの物事に没頭して取り組む能力。これらは現代社会においてますます重要になっている資質だと思います。
本書の優れた点は、理論的な説明に留まらず、具体的で実用的なアドバイスが豊富に盛り込まれていることです。
社交の場での振る舞い方から、職場でのコミュニケーション方法、さらには内向型の特性を活かしたリーダーシップの発揮方法まで、幅広いシチュエーションに対応した実践的なヒントが提供されています。
特に印象的だったのは、パーティーや大人数の集まりに対する対処法についてのこの言葉です。
行くかどうか決心がつかない(あるいは行きたくない)パーティーへの適切な対処策は、行かないことだ。これで問題の大半は解決する
シンプルですが、多くの内向型の人が抱える罪悪感から解放してくれる力強いメッセージです。無理に参加して疲弊するよりも、自分のエネルギー管理を優先し、本当に価値のある関係性を築くことに集中する。この視点は、多くの内向型の人にとって目からうろこの発見となるでしょう。
内向型の人間にはどういう人が多いかが明らかになってきました。自分の内向性を見つめることを怠らない性格なのです。
アメリカの心理学者ローリー・ヘルゴーさんは、内向型の価値について、こう語っています。
内向的な人間は、どんなことについてもエネルギーと満足を得ようと、私たちは思索にふけり、私たちは集中力を持った。外向的な活動よりもアイデア、アップワークする。会話をするとき、相手の話をよく文章を書くことが好きがある。脳が働いているので、誰でもできることを読みたい
この引用からも分かるように、内向型の人が持つ思索する力、集中力、相手の話をじっくり聞く姿勢は、決して弱点ではありません。
現代社会では情報があふれ、多くの人が浅く広い知識を求めがちです。しかし、内向型の人が持つ「深く考える力」「1つのことに集中して取り組む力」こそが、真の価値創造につながるのです。
アイデアを練り上げ、文章を通じて深い思考を表現し、相手の話に真摯に耳を傾ける。これらの能力は、リーダーシップやクリエイティブな仕事において、外向型以上の成果を生み出す可能性を秘めています。
内向型の人は「話すより書く方が得意」「1対1の深い対話を好む」「じっくり考えてから行動する」といった特徴を持ちますが、これらはすべて現代のビジネス環境で求められる貴重なスキルなのです。
ムリスさんが強調するのは、内向型の人が自分の特性を理解し、それを強みとして活かすことの重要性です。外向型のように振る舞おうとして疲弊するのではなく、内向型としての自然な働き方を見つけることで、より充実した人生を送ることができるのです。
本書では、内向型の人が持つ特徴を科学的な視点から詳しく解説しています。
内向型を内向型としてたらしめているのは!?
まず注目すべきは、内向型は外向型より外部の刺激を受けやすいという特性です。
内向型の人は外向型の人より小さな刺激に反応しやすいということです。私たちは内向型だから、より少ない刺激で最適な覚醒状態に達することができる。一方、外向型の人がうまく機能するためには、より多くの刺激にさらされる必要がある
この特性を理解することで、内向型の人が大人数の集まりで疲れやすい理由が明確になります。決して社交性に欠けているわけではなく、脳の情報処理の仕組みが異なるのです。
さらに興味深いのは、内向型の人によく見られる特徴についての詳細な分析です。本書では、内向型の人の特徴を次のように整理しています。
- すぐに親密な関係を築かない
- 会話を主導するためにひとりで過ごした時間
- 推敲が苦手で、深い話を好む
- 小人数の集まりを好む
- 話す前によく考える
- 重要なメッセージを伝えるよりも過度に詳細
- 静かな環境で作業することを重点を置く
- 情熱を感じるテーマについて、どこまでもしゃべる
- 多くの人を広く知るより、少数の人を深く知りたがる
- 自分の興味を深く掘り下げる
- 雑談などの軽い話題よりも深い話題について知りたがる
- ひとりきりで考える時間が必要
これらの特徴は、現代の働き方や人間関係において、実は大きな価値を持っています。
深い話を好み、じっくり考えてから発言し、少数の人と密な関係を築く。これらは表面的なネットワーキングが重視されがちな時代において、むしろ貴重な資質と言えるでしょう。
そして、最も重要な指摘がこれです。
内向型の人はだいたい聞き上手だから、コミュニケーションに関しては外向型の人よりもむしろ有利だと言える
内向型の人は「話すのが苦手」と思われがちですが、実際には優れたコミュニケーション能力を持っているのです。相手の話をじっくり聞き、理解し、的確な反応を返す。これこそが真のコミュニケーションの核心ではないでしょうか。
ムリスさんは、これらの特徴を「克服すべき弱点」ではなく「活かすべき強み」として捉えることの重要性を繰り返し強調しています。自分の特性を正しく理解し、それに合った環境や働き方を選ぶことで、内向型の人はより充実した人生を送ることができるのです。
内向型を活かそう!?
内向型についてよく持たれがちな先入観や誤解があります。本書では、そうした思い込みを一つひとつ丁寧に解きほぐしてくれます。
まず重要なのは、内向型とコミュニケーション能力についての誤解です。多くの人が抱く「内向型=コミュニケーションが苦手」という固定観念に対し、ムリスさんは内向型の人の方がコミュニケーションにおいて有利だと指摘します。
内向型の人が雑談を避けたり、大人数の集まりを苦手としたりするのは、他人に無関心だからではありません。むしろ、相手のことをより深く知りたいという気持ちが強いからなのです。
内向型の人は他人のことを深く知りたがるのである。だからこそ、たいしたことのない雑談を避けようとするのだ
また、「内向型の人は話したがらない」という誤解についても、本書は明確に反論しています。大人数の集まりでは控えめでも、少数や一対一の状況では、内向型の人はむしろ活発に話すことを好むのです。
そして、自己表現の方法についても重要な指摘があります。内向型の人が一人で考える時間を必要とするのは、消極的だからではありません。それが彼らにとって最も効果的な問題解決の方法だからです。
問題に直面したとき、外向型の人は他人と話し合うことでエネルギーを得ますが、内向型の人は自分の内面を見つめることで答えを見つけます。どちらが優れているかではなく、単にアプローチが異なるのです。
これらの特徴を「欠点」として捉えるのではなく、「異なるアプローチ」として理解することが重要です。内向型の人は外向型の人とは違う方法で、同じように-いや、時にはそれ以上に-効果的に他者とつながり、問題を解決し、価値を創造しているのです。
ムリスさんが本書で伝えたいのは、内向型の人が自分の特性を恥じる必要は全くないということ。むしろ、その特性を正しく理解し、適切に活かすことで、より豊かな人生を送ることができるのです。
本書を読んで最も心に響いたのは、内向型と外向型に優劣はないという明確なメッセージです。
多くの内向型の人が苦労するのは、社会全体が「外向的であることの方が良い」というステレオタイプに支配されているからです。しかし、ムリスさんは内向型の人に対して、次のようなことを無理にする必要はないと語りかけます。
- すべての人に対して社交的になる必要はない
- 無理にしゃべる必要はない
- 自分の感じ方について語る必要はない
- 恥ずかしさや複雑な気持ちを感じる必要はない
- 外向型の人たちをうらやむ必要はない
これらの言葉は、内向型の人が長年抱いてきた「〜しなければならない」という思い込みから解放してくれます。
内向型と外向型の違いは、単なる特徴の違いでしかありません。どちらも社会にとって必要な存在であり、それぞれが持つ強みを活かして協力することで、より良い結果を生み出すことができるのです。
特に印象的だったのは、内向型の人が不幸になる理由についての分析です。多くの内向型の人は、自分らしさに対する理解が足りず、外向型への憧れというレンズを通して自分を見てしまいがちです。
内向型の人が不幸になりがちな主な理由のひとつは、自分らしさに対する理解が足りなめてありいろと思う。多くの人は自分は内向型だということを恥じるべきものと捉りすぎている
内向型の人にとって大切なのは、外向型のレンズで自分を評価することをやめることです。自分の特徴を素直に受け入れ、それを活かす方法を見つけること。それこそが、充実した人生への第一歩なのです。
内向型であることは恥ずかしいことでも、直すべきことでもありません。それは一つの個性であり、社会に貢献できる貴重な資質なのです。
本書の後半では、内向型の人が日常生活で意識すべき具体的な視点が示されています。
まず重要なのは、一人で過ごす時間の価値を正しく理解することです。
ムリスさんは「ひとりで過ごす能力は、あなたの最大の強みのひとつである」と明言し、その時間をうまく使えば人生でより多くのことを成し遂げることができると語ります。
多くの人がチームワークや協調性を重視する現代社会において、内向型の人は一人での集中作業が得意なタイプだからこそ、効果的な課題解決ができるのです。
また、内向型の人にとって「深さ」は「広さ」よりも重要な価値観です。
私たちは内向型として、一般に「広さ」より「深さ」を好む
表面的な知識を広く浅く身につけるよりも、特定の分野について深く掘り下げて学ぶこと。多くの人と浅い付き合いをするよりも、少数の人と深い関係を築くこと。これらは内向型の人が自然に持っている価値観であり、現代社会においてますます重要になっている資質でもあります。
そして本書で最も印象深いメッセージの1つがこれです。
私たちが持っている最強のツールのひとつは、じっくり考えることだ。自分にとって大切なことに集中すると、内向型の未来の力を発揮することができる
内向型の人は「考える時間」を奪われることで力を発揮できなくなりがちです。
しかし、適切に思考する時間を確保することで、外向型の人には真似できない深い洞察や創造的なアイデアを生み出すことができます。
個人的に最も心に響いたのは、内向型の人の自己受容についての言葉でした。多くの内向型の人は自分らしいものに対する「誇り」を持つことができずにいますが、本書は「それによって、望んでいる結果が得られる可能性が高くなる」と背中を押してくれます。
自分の特性を恥じるのではなく、それを誇りに思い、活かす方法を見つける。その時、内向型の人は本来の力を発揮することができるのです。
改めて「内向的である自分を、どう受け入れ、活かしていけるか」を考えてみませんか?
内向型の人の特徴については、こちらの1冊「「静かな人」の戦略書: 騒がしすぎるこの世界で内向型が静かな力を発揮する法|ジル・チャン,神崎朗子」もとてもおすすめなので、ぜひご覧ください。
まとめ
- 内向型は、すばらしい特徴をもつ!?――内向型であることを認めて、深く考える集中力を味方につけてみることが重要なのです。
- 内向型を内向型としてたらしめているのは!?――外部刺激に対する反応です。
- 内向型を活かそう!?――そのためにも、まず受け入れて、~でなければだめだという先入観を排し、ものごとをポジティブに受け取ってみる工夫をしてみましょう。
