【よりよい協働を引き出すには!?】バリューサイクル・マネジメント|沢渡あまね

バリューサイクル・マネジメント
  • どうしたら、もっとゆとりを持って経営ができるでしょうか!?
  • 実は、仕組み化さえすれば、週休3~4日も可能になります。
  • なぜなら、仕組みはより良い協働を生み出し、組織をアップデートするからです。
  • 本書は、バリューを提供し続けるためのマネジメント手法に関する1冊です。
  • 本書を通じて、価値共創のための経営手法について、視点を得られます。

協働(コラボレーション)が前提!?

これからの経営を考えるとき、協働の視点は欠かせなくなっています。これまでのように1本のバリューチェーンだけでは、事業の全体像を捉えることが難しくなっている業種業態が増えているように感じるからです。

例えば、レストランを考えてみましょう。これまでだと、仕入先があって、自社で加工(調理)して、それを顧客(来店するお客さま)に届けて、価値を創造していました。しかし、コロナ禍以降の大きく変わる世界観の中で、例えば、出前を加速させるようなデジタルプラットフォーマーが登場しています。リアルとデジタルの中で、顧客や配達者とのやり取りも複雑化しています。あるいは、環境対応などの問題も出てきています。食品ロスや仕入れの適正化などについても意識を向けて、正しいアクションを積み重ねていけるかどうか、あるいは、地域社会に対して、その一員として責任を果たしていけるか、などの課題も伴っています。

自分たちのことを考えるときに、それは同時に、すべての関係者(ステークホルダー)との関係性を考えるに等しい状況が続いていくといっても良いでしょう。

コラボレーションの「かける数」「かけられる数」になれるか?

コラボレーションの「かける数」「かけられる数」になれるか?

コラボレーションは、掛け算です。足し算ではありません。掛け算だからこそ、思いもよらないアウトカムが得られるのです。掛け算とした時に互いが、数を持てているかということがキーになります。相手にとっての付加価値をつくる主体として、考え方・行動・言葉を発するだけの経験や視点を持っているかがポイントになります。

コラボレーションが起こる前提として、自分にはないもの、あるいは相手が持っていないものを互いが持ち出すことで、価値創造を加速させる視点が大切でしょう。コラボレーションを誘発するには下記のようなステップが肝心です。

  • (必要な能力や経験を持っている)他者を素早く見つけ
  • 素早くつながり
  • 素早くアクションをして
  • 素早く価値を作り出し
  • ふりかえって組織知に変換する

このステップを踏むための阻害要因を徹底的に排除していくのが、経営であり、そしてブランドづくりと言っても良いかもしれません。

共創のためのブランディング!?

これまでの世界線では、競争が前提となっていました。限られた陣地においていかに領土を広げるかをマーケティングでは知らず知らずのうちに主題にしていたのかもしれません。

だから、戦争用語がマーケティングで多く用いられていたのかもしれません。戦略、戦術、勝ち負け、攻略などなど・・でも、これは価値が極端にものに紐づいていたり、あるいは市場は常に限られているという前提にたったものごとの見方であることに気づく必要があります。

資源はたしかに限られていますが、価値創造は無限であるはずなのです。この点の意識を持つか持たざるかで、進むべき道と進み方が異なります。

こうしたものごとの解釈がキーになることは確かで、発想を柔軟にするためにもマーケティングの手法、あるいは経営の新しい手法についても意識を向けてみることが大切かもしれません。

そんな時、こちらの1冊「【「手中の鳥」を探せ!?】エフェクチュエーション|吉田満梨,中村龍太」もぜひご覧いただければと思います。

競争ではなく、共創のためのコラボレーションが必要です。そのためには、ブランディングのベクトルも改める必要がありそうです。

沢渡あまねさんは、ブランドを次の要素の含意だとおっしゃっています。

  • Trust=「信頼」できること
  • Special=「特別な存在」であること
  • Familiar=「親しみやすい存在」であること

この3つの要素を担保するには、自社・自分の事業・チームがどんな特徴を持っているのかを言語として起票しておくことがポイントになります。

その視点として、パーパスやMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)の視点が必要になります。こちらの1冊「【会社は意義を生み出す場!?】理念経営2.0 ── 会社の「理想と戦略」をつなぐ7つのステップ|佐宗邦威」をご覧いただくと着眼点などの整理をすることができます。

ブランディングができている組織や人は、「かける数」にも「かけられる数」にもなりやすい。すなわち、コラボレーションしやすいし、されやすいのだ。

ブランディングはコラボレーションの促進に欠かせない取り組み

「本来価値創出」が、ポイント!?

ブランドを作っていくためには、「本来価値」を見極めることが大切です。これは期待される役割や、理想像を言語化する視点です。4つの視点を大切にします。

1)自分たちが考える本来価値(自己認識)
2)関連部門や社外からの評価や期待役割(他者評価、水平方向)
3)経営層や部門長からの評価や期待役割(他者評価、垂直方向)
4)他者の同職種や同業務の理想像(ロールモデル)

1はすぐには答えを出せないかもしれませんが、2と3については、他者のフィードバックを絶えず獲得しながら見直し続けていく考え方が重要です。アジャイルにブランドを作っていくこともできるんだ!という着眼点を持っておきましょう。

価値の話題やブランドの視点を持つことによって、対外的な視点をもった組織カルチャーを作っていくことが可能です。

組織カルチャーは、「この組織において何がよしとされて、何がそうでないのか」を考える判断基準である。

組織カルチャー~何が正しくて、何が正しくないかを規定する

まとめ

  • 協働(コラボレーション)が前提!?――競争よりも共創を行うスタンスで行きましょう。
  • 競争のためのブランディング!?――コラボのためにはブランドづくり(自己認識)が大切です。
  • 「本来価値創出」が、ポイント!?――ブランドを考える4つの視点を駆使しましょう。
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