【「考える人」こそが資産!?】ニッチ企業は理念で生き残る|大塚雅之

ニッチ企業は理念で生き残る
  • 中小企業の経営で、何が一番大切でしょうか!?
  • 実は、理念を定めることかも。
  • なぜなら、限られたリソースの活用には、理由を常に求めることが良いからです。
  • 本書は、2代目社長が語る理念経営に関する1冊です。
  • 本書を通じて、企業にとって大切なエッセンスに気付くことができます。

会社継続に不可欠なものとは!?

大塚雅之さんは、お父様が始められたろ過のための布を製造販売する事業を引き継ぎ営んでいます。先代から代替わりする時に、多くの困難に立ち向かい、その後の成長の基盤を模索しながらも作り上げることができました。

先代は創業オーナーということもあり、会社全体をぐっと引っ張っていく力を持った方でした。自身の行うことについていけば、会社が成長するのだという認識作りのもと、代表者に対する絶大なる信頼のもと、一丸となって、会社を大きくされてきました。

一方で、こうした企業の事業承継には、大きな課題もつきまといます。それは、先代の圧倒的な影響力がかえって阻害要因となってしまって、なかなか後世の人材を中心とした経営体制が構築されづらいという点です。

また、大塚雅之さんいわく、当社は先代1人による考えるリソースを駆使してきたため、従業員が考える癖を持っていなかったり、考えるとは何か、についてもなかなか定着していなかったことが、当社の成長を阻害する要因だったと指摘します。

どんな企業にとっても、人はかけがえのない資産です。一人ひとりの活用なくしては、企業の永続性や成長性は確保できません。また、変化の多い時代において、すべての思考の拠り所を特定のひとりに置くことのリスクも多分にはらんでいることを忘れてはなりません。

会社を継続させるためには社員に「考える人間」が必要です。

「トップダウンはやめる」と宣言

トップダウン型から、ボトムアップ型の考える組織を志向していったのが、当社大塚雅之さんによる経営引き継ぎでした。ただし、いきなり、従業員に明日からボトムアップ型でたのむ!と伝えたところで、機能するはずがありません。そこで着目するのが理念とビジョンです。

理念とビジョンの重要性とは!?

社員を一つにまとめるためには、経営理念やビジョンが明確に示されている必要があります。

利益の追求が理念だった

経営理念は、会社の考え方の基本です。理念があって初めて会社が向かう方向性、つまりビジョンを見いだすことが可能になります。

また、経営理念は、会社が存続する理由を説くものであるべきです。その理由とは、売上をたて利益を確保することではないということに、注意をはらいましょう。売上や利益は手段です。もっと大切なことがあるはずです。

それは、社会に対してどのような貢献をしていく存在であるのか!?に真正面から応える考えと言葉です。

経営理念はその会社がなんのために・誰のために・何をするために存在するのか、という会社のあり方を示したものです

理念とビジョンとは

経営理念が規定されていく過程で、ビジョンが見出されていきます。ビジョンとは、その会社の理想の姿であり、目標です。ステークホルダー全員と「見たい世界・社会の景色」といってもいいかもしれません。

ビジョンを表明するということは、そこに向けて、みんな(ステークホルダー全員)で進んでいこう!という決意を新たにするということです。

ビジョンがあれば、現在の絵姿・景色との間にギャップを認識することができます。そのギャップにこそ、皆の力を発揮させるスラック(余剰資産)があるのではないかとさえ、思えます。

顧客志向の重要性とは!?

理念を検討する時、自分たちのことだけを検討することは避けましょう。大切なのは、他者との関係性の中に自らを見いだすマインドセットです。社会の中に存在するものとして、会社(個人も)は常に関係性の中で均衡をとっている存在であるとも言えるでしょう。

だから、そのバランスによく注目して、相手方との関係性を重視した理念を検討するのが望ましいです。得意先や取引先企業だけではありません。従業員だって、社会に参加している重要な繋がり先であるとも捉えることが重要です。

顧客の定義を明らかにしましょう。ステークホルダーという言葉を使っていったほうが、ごく一部の関係性にフォーカスしすぎることがないかもしれません。互いに支え合うような関係を、社会のなかでいくつ作り、深めてくことができるのか、それは、まさに理念に関わってきます。

顧客に寄り添う、顧客の立場に立って考えるということです。

売上50%アップの最大の理由とは

理念について考える時、伊那食品工業の塚越寛さんによる、こちらの1冊「【幸せのための経営とは!?】リストラなしの「年輪経営」~いい会社は「遠きをはかり」ゆっくり成長~|塚越寛」も大変多くの示唆を与えてくれます。ぜひご覧ください。

まとめ

  • 会社継続に不可欠なものとは!?――理念、つまり、存在理由です。
  • 理念とビジョンの重要性とは!?――相互に支える存在で、一緒に検討し言語化しましょう。
  • 顧客志向の重要性とは!?――理念はステークホルダーとのつながりを重視して言語化しましょう。
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