【絶滅には、理由(わけ)がある!?】わけあって絶滅しました。|ダイヤモンド社,丸山貴史

わけあって絶滅しました。
  • どうしたら、企業や事業の永続性を担保させられるでしょうか!?
  • 実は、外部環境との関係が重要かもしれません。
  • 生物の絶滅の歴史を見ていくと、明らかになります。
  • 本書は、地球上で絶滅してきた生物の図鑑です。
  • 本書を通じて、生物の宿命になぞらえることで、企業経営を考えるヒントを得られます。
ダイヤモンド社,丸山貴史
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絶滅の理由とは!?

地球はみんなに平等。
ただし、きびしい意味で。

地球の前で、生き物は無力。

生き物が絶滅する理由とは、大きく分けると2つのパターンがあります。

1)地球のせい
2)ほかの生き物のせい

圧倒的に多いのが、地球のせいです。ランキングを見てみると次のようになります。

1位(圧倒的)・・理不尽な環境変化による絶滅
2位・・ライバルの出現による絶滅
3位・・人間のせいによる絶滅

地球の環境変化により、大絶滅がこれまで何度も起こってきました。

時に地球上の生物の大半が死滅した時代もありました。しかし、私たちはいま、地球上に生きています。死んで絶滅した生物の裏側で、確実に生き残った種があることもあったということになります。

たしかに外部環境の変化は無慈悲なものがあります。ただし、運もそうかもしれませんが、ポジショニング次第では、生き残る可能性を高めることだってできるはずです。

生き物の内99.9%が絶滅しているのです。

生き残るって、たいへんだ。

地球上に生まれた生物は、いつか絶滅する運命にあります。

環境変化に対応しようとも、最終的には、太陽が巨大化して、地球が飲み込まれてしまうので、それでTHE ENDです。ただし、絶滅するからといって、今が楽しくないわけではないし、楽しいと感じられなくなるわけではありません。この点(生きていく意味のある・なし)については、こちらの1冊「【今を、遊び、楽しもう!?】人生に「意味」なんかいらない|池田清彦」がたいへん興味深い示唆をご提供してくださいます。ぜひご覧ください。

少し話題が、それてしまいました。引き続き、絶滅について考えていきましょう。ひとつひとつの絶滅のストーリーを見ていくと、これからのヒントが見出されます。

絶滅ストーリーとは!?

動物が絶滅してしまった経緯=絶滅ストーリーを見ていくことで、私たちが今後生きていく何かヒントになるのではないかと考えられます。

1匹のネコに狩りつくされて絶滅 スティーブンイワサザイ

スティーブン島という無人島で、飛ぶことを忘れた鳥の事例です。スティーブンイワサザイという小さな鳥で、すずめくらいのサイズで、能力はひよこレベルといった具合です。無人島でのんびり、昆虫やクモを捉えて食べてきました。飛べなくても十分に食料にありつけたんです。

しかし、1890年代に、人がスティーブン島に灯台を建設しました。その際に、1匹のメス猫を連れてきたのです。このメス猫に全滅されてしまいました。自分よりも大型の動物を見るのが初めてで、警戒心もなく、仮に警戒できたとしても、飛ぶことができないので、上手に逃げられない・・たった1匹のネコ(とそのネコが産んだ小ネコ)に絶滅まで追いやられてしまう理由は揃っていました。

平和すぎたのがダメでちた。鳥は飛べないとダメでちゅね

1匹のネコに狩りつくされて絶滅 スティーブンイワサザイさん

くちばしが特殊すぎて絶滅 ユミハシハワイミツスイ

もう1つ鳥の絶滅の事例です。このユミハシハワイミツスイは、ハワイ諸島に1940年まで暮らしていた全長16cmほどの鳥です。主なたべものは花の蜜や昆虫でした。彼らはハワイ諸島のなかで32種類くらいの亜種を構成しており、亜種ごとに異なる食べ物にあわせて異なるくちばしを進化させていました。

ユミハシハワイミツスイは、フトモモという花の蜜を吸えるようにカギ状に伸したくちばしを持っていました。それまでは、フトモモが充実していたので食べるものに困っていなかったものの、人間の登場によって花が激減したせいで、彼らは食べ物がなくなり絶滅となりました。

ひとつのものに頼りすぎるのは危険ということでしょうか

くちばしが特殊すぎて絶滅 ユミハシハワイミツスイさん

中途半端で絶滅 パキケトゥス

小型の動物の事例です。パキケトゥスは、狼みたいな顔つきで、牛みたいな蹄をもち、走るのが得意な動物でした。現在のパキスタン付近に古第三紀時代に生息していました。この動物は、泳ぐのも得意だったため、水辺に生きて、魚や小型の哺乳類を捕食していたと言います。ちなみに、彼らの子孫(海に進出した種)はくじらとして進化したものもあったそうです。

陸にも、海にも、特化せずに暮らしていたパキケトゥスは、ライバルの出現などによって滅んでしまいました。どっちつかずの決断が、明暗を分けてしまった事例です。

生きる場所をかえる決断もときには必要なのかな~

中途半端で絶滅 パキケトゥスさん
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自分から絶滅しないために!?

絶滅しないことを考えるのは、とてもむずかしい問題だということがわかります。生態を専門特化して、スティーブンイワサザイやユミハシハワイミツスイのような事例もあれば、中途半端な状態で、ライバルの出現を待ってしまったパキケトゥスのケースなどさまざまだからです。

ただし、それぞれの事例を見ていくと、大切なポイントが見えてくるのも事実でしょう。

1つは、1つのことに特化しすぎるのはリスクが増大するということです。生きる場所や能力あるいは、食べ物を1つのものに特化してしまえば、外部環境の影響をもろに受けてしまう結果になります。そうならないためにも、常に複数の手段を検討し続けておくことが大切でしょう。

特定の領域で問題がなかったのとしても、それは、中長期的な外部環境の変化で、状況が変わるかもしれません。そういう事態に備えて、専門特化による強みの深掘と、新しい取り組みによる探索を続けておく必要があるでしょう。

両利きの経営については、こちらの投稿「両利きの経営―「二兎を追う」戦略が未来を切り拓く |チャールズ・A・オライリー,マイケル・L・タッシュマン」や「【組織カルチャーが、両利きをもたらす!?】両利きの組織をつくる|加藤雅則,チャールズ・A・オライリー,ウリケ・シェーデ」をご覧ください。

生きる場所というのも、とても大切な視点です。同じ場所にとどまり続けては、自己変革も引き出しづらいのが事実でしょう。だから、よりよい活動をしながら、動き続けることが大切なのかもしれません。パキケトゥスも、大海原に乗り出した仲間は、くじらとして進化を遂げ、現代にも生き続けることができました。躊躇は最大の敵なのかもしれません。同じ場所にとどまるのではなく、挑戦をして新しい場所を探し続けることもぜひ検討したいものです。

新しい場所という観点では、上述の「探索」の重要性も改めて認識できますね。

絶滅を通じて、企業や事業へのメタファー的ヒントを得ることができました。

まとめ

  • 絶滅の理由とは!?――多くが環境の劇的な変化によるものです。
  • 絶滅ストーリーとは!?――何かに特化しすぎたり、決めきれなかったりで絶滅しています。
  • 自分から絶滅しないために!?――深掘と探索、両利きの経営を意識したいものです。
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