- 変化の時代をいかに味方につけ、永続的な成長を実現できるでしょうか!?
- 実は、組織全体で学習マインドセットを向上していくことが大切です。
- なぜなら、人ひとりの力よりも、やはりチームの力は莫大だからです。
- 本書は、学習する組織の入門書です。
- 本書を通じて、組織学習をどのように誘発していくのか、ヒントを得られます。
学習する組織とは!?
「学習する組織」とは、
表紙
目標に向けて効果的に行動するために
集団としての意識と能力を
継続的に高め、伸ばし続ける組織です。
目的や目標が達成できているとき、社会での役割や存在意義を全うするために、自分の所属する組織は、新しい目的やより高い目標を設定して、組織の潜在能力を発揮するための行動をとることができるでしょうか!?
両利きの経営の重要性が説かれる中で、私たちに向けられる課題は、いかに自己変革をし続ける勇気を持ち続けるか、ということではないでしょうか。人や組織には、慣性の法則が働いています。現状維持バイアスによって、これまでのやり方や目標を踏襲してしまいがちです。
でも、社会は多く変化を続けています。だから、変化を積極的に受け入れることができなければ、永続が難しいのです。もう一つの考え方として、組織や会社の目的が達成されれば、解散することも一つの手でしょう。事業承継やMAなども具体的な組織の出口戦略として脚光を浴びています。
でも、世の中の多くの企業は、変化の時代にあっても、まだまだよりよい社会を目指して、パーパスを更新しながら、社会へのバリュー提供を行い、向上し続けていこうという意志を内在しているように見えます。
大切なのは、そうした意志をいかに組織の成長力につなげていくか、方法論を持つことです。
5つのディシプリン!?
5つのディシプリンが学習する組織への方法論です。
1.自己マスタリー・・ビジョンと現実の両方を見据えて、探求と内省を行い、自ら意識的に選択を行うこと、そして根源とつながって自身のあり方を磨き続けることです。
2.システム思考・・組織や市場や社会における相互関連性を理解すること、多用な個の集まった全体性を感じることです。
3.メンタル・モデル・・自らの思考やコミュケーションの開放性を保つこと、そして、自らの無知を知りながら真実を愛する心を育むことです。
4.チーム学習・・メンバーたちが「今ここ」にありのままにいてエネルギーを集め、メンバー間の意図や理解が「合致」した状態を生み出すことです。
5.共有ビジョン・・メンバーの間で互いの目的やビジョンの共通性を見出し、その理念と互いに対してコミットするパートナーシップを築くことです。
特に大切なのが、1.自己マスタリーにおいて、ビジョンを最初に設定することです。内省や外部環境の状況にあわせて、今後目指していきたい、あるいは全員と見たい絵を想定しましょう。
変化に適応した組織を意図的に、そして人々の潜在力を生かす形で創造的に実施するには、学習能力が必要です。
学習とは?学習する組織とは?
ビジョンについては、こちらの1冊「【MVV理解の解像度上げられる!?】理念経営2.0 ── 会社の「理想と戦略」をつなぐ7つのステップ|佐宗邦威」もぜひお手にとって見てください。ミッション・ビジョン・バリュー(&パーパス)の中における、ビジョンの解像度が上がります。
ビジョンがあれば、「創造的緊張」状態を維持することができます。現実ばかりに引っ張られたり、現実から逃げようとしたりしていては、良いパフォーマンスは得られません。
ビジョンによって方向づけされた、良質で適度な緊張状態が、個々人と組織のパフォーマンスを最大限に発揮するように支援してくれます。
創造的緊張の逆は、「感情的緊張」と呼ばれます。心理的な不安要因が、しばしば外部からの脅威に敏感に反応してしまう状態です。上司や組織からの恐怖によるコントロールがその典型です。ノルマの未達に対して懲罰的な制裁を課すなどのやり方は、緊張感を高めますが、人から想像力を奪います。あるいは、不正に走るなど、手段と目的を取り違える原因にもなりうるのです。
システム思考を味方に!?
組織はとても複雑なものです。ディシプリンの1つ「システム思考」によって、個がつながり構成する全体に意識を向けましょう。
システム思考については、こちらの1冊「【システム思考×対話がポイント!?】ダイアローグ 価値を生み出す組織に変わる対話の技術|熊平美香」もぜひ、あわせてご覧ください。おすすめです。
システム思考において、大切なのが「構造がパターンに影響を与え続ける」という視点です。全体によりよい影響をもたらすには、構造を理解し、少しの力で、全体に作用するポイント=「レバレッジ・ポイント」を見つけ出すことが大切です。
レバレッジ・ポイントは、次の5つをヒントに見出します。
1.物理的な行動(ストック、フロー、バッファ、リードタイムなど)
2.フィードバック構造(自己強化型ツープやパランス型ツープの相対的な強さ)
3.情報の流れの構造(誰が、いつ、どの情報にアクセスできるか、など)
4.制度上の構造(目標、ルール、インセンティブ、罰則など)
5.メンタル・モデル(5つのディシプリンの1つ。自らの思考やコミュケーションの開放性を保つこと)
本書の中では、具体的な打ち手のイメージが語られています。ぜひ本書をお手にとっていただき、組織変革の方法論を実践してみましょう。
複雑なシステムにおいては、構造そのものを変えない限り、パターンを変えることは難しいのです。
システム思考の演習
深い学習とは、自らのバイアスに気づき、それを取り除き、前提そのものを検証することによって、より適切な前提条件を設定することです。これをダブルループ学習と言います。
一方で、計画した行動をとることにより、期待した成果が出ることを前提としているのが、シングルループ学習です。
ダブルループ学習のポイントは、自己の認識、メンタル・モデルに客観的に気づき、それを修正することも学習領域に組み込んでいる点にあります。まさに、自己変革を積極的に行いながら、ものごとを進めていく方法です。
市場の常識や顧客の当たり前、あるいは、自分自身の認識に疑いを持ち、「そもそも」から始める勇気を持つことができます。
まとめ
- 学習する組織とは!?――自己を俯瞰し、客観性のもと、個と組織の学習を続けることです。
- 5つのディシプリン!?――組織のための「道理」を意識しましょう。
- システム思考を味方に!?――レバレッジ・ポイントを見極め構造に働きかけましょう。