【信用貯蓄を始めよう!?】なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?|山口揚平

なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?
  • 新しい時代、お金に変わる概念で価値が交換できるかも!?
  • 実は、「信用」の時代がもういちど、来ようとしています。
  • なぜなら、「お金」は目的ではなく手段であったことに皆が気づき始めているからです。
  • 本書は、そんな「お金」との距離感をはかりながら、「信用」と「価値」を考える1冊です。
  • 本書を通じて、これからの時代の生き方について考える補助線を得られます。

ピカソに見えていたこととは!?

ピカソには、「価値」と「信用」の関係性がよく見えていました。だから、「お金」が結果的についてきたのです。

絵が素晴らしいのは前提だ。だが人は、作品という「モノ」にお金を払うのではない。その「物語」を買うのだ、と彼は知っていた。

はじめに
  • たくさんの画商が集まれば、自然と競争原理が働き、彼の作品の値段が釣り上がると知っていた。
  • 自分の作品の「価値を価格に帰る方法」、マネタイズの方法をよく知っていた。
  • 小切手+サインの価値を知っていた。(ピカソの小切手は、換金されにくい)
  • ワインボトルデザインを無償で引受、対価をワインで支払わせたのは、ワインの価値が時間とともに上がることを知っていたからである。

ピカソが教えてくれるのは、人生は創造のプロセスであるということです。そして、お金は、その創造の一要素でしかないということです。

レバレッジのかけ方とは!?

レバレッジのかけ方について、アンテナを立てる必要があります。

「ビジネスには、2つのレバレッジのがある。OPTとOPMだ。OPTとは、Other People’s Time(人を動かす)、OPMとは、Other People’s Money(人のお金を動かす)のことだ」。

後日談 僕がガイシから学んだ2つのこと

最終的な勝者は、人を動かすものです。すべてのビジネススキルの中で、組織力学・行動心理学こそ学ぶ価値があります。

組織や人について関わりのあることとして、B/S(貸借対照表。Balance Sheet)を忘れないという点も強調されます。

「B/Sの読み方に精通しなさい。P/L(損益計算書。Profit and Loss statement)のことを知っていても、B/Sに疎い人は多い」。

後日談 僕がガイシから学んだ2つのこと

P/Lというのは、ある期間の「成果」を表し、B/Sはある時点の「状態」を表しています。

基本的な知識についてはこちらの投稿「【全体観を忘れがちな日本人へ】数字は見るな!3つの図形でわかる決算書超入門|田中靖浩」もたいへんおすすめですので、ぜひご覧ください。

ものごとをシステムで捉えてみましょう。

  • 成果の積み上げは状態(be)を作ります。
  • 状態(be)のコンディションが、実践(do)に影響します。
  • 実践(do)が、次なる成果(have)を作り出します。

ですから、成果(have)=P/Lだけを見ていては、そのポテンシャルを見失うことになります。

状態(be)こそが、戦略的に優位な状況を創り出す要になるのだ。

後日談 僕がガイシから学んだ2つのこと

これは、マネジメントの本質でも議論されるべき内容です。マネジメントとは、本質的には、目標設定と結果のレビューとその管理によるPDCAです。つまり、組織のbeをルールで定め運用するのがマネジメントです。正しくマネジメントが行われているチームは、自ずと目標に向かうことが可能になります。

本質的マネジメント論については、ぜひこちらの投稿「【5つのポイントにフォーカスせよ!?】リーダーの仮面 ーー 「いちプレーヤー」から「マネジャー」に頭を切り替える思考法|安藤広大」もご覧ください。

信用貯蓄の時代、私たちは何に向かうのか!?

beを重視していくべきは、組織だけではなく、個人のレベルであってもそうです。

情報化社会の中、繋がり続けることが可能になった私たちは、「信用」をバーチャル上の繋がりによって見える化できるようになりました。新たな「信用」を担保として「お金」を介さない、「価値」の交換がかのうになる可能性の只中にいます。

たとえば、メルカリが提唱する経済圏がそれかもしれませんし、ジモティのようなサービスの登場をどう捉えるか?もポイントかも知れません。

自分と相手との間に「信用」があれば、お金を介在させることなく、互いの「価値」を直接やり取りすることができる・・それが進むと「価値」を与えた相手から対価を直接受け取るだけでなく、与えた「価値」が別の角度から返ってくる give & givenの仕組みが増えてくるはずです。

そうした、「お金」を介さない関係に、どこかしら温かさを結果的に感じるのではないでしょうか。

give & takeではなく、give & given。

本性のまとめ……身近に勇気経済をつくろう

これもシステム的に捉えてみましょう。

  • 自分が相手に価値を提供します。
  • 相手はその価値をお金で返しません。
  • その代わり、「信用残高」として蓄積されます。
  • そして、「信用残高」が別の誰かから返ってくる。

という関係です。

三者間以上の価値提供関係が幾重にも重なった世界、つまり、誰かに与えられた別の角度から与えられる関係が、これからの新しい経済システムになっていくのではいだろうか。

その敬愛は、長い目で見たら「まあ、いつか返ってくるだろう」という程度の曖昧なものではない。あたえられた価値が別の角度から返ってくるということが、短期的に、悪実に、明確な形を伴って起こる。そして、信用を土台とした価値の直接交換を実践する人が増えれば増えるほど、その価値還元速度は早まるのです。

しかし、重要なポイントは、この経済圏は、もう一翼を持つということです。

  • 自分が相手に価値を提供します。(この起点は一緒)
  • そのことで、自分自身の価値を認識します。
  • そのエネルギーが、愛(?)へと繋がります。
  • 最終的に、使命として自分の行動へと還元されていきます。

この経済圏には、やって「あげた」という考えが消失します。「無償でもいいから、私がしたいからそうしたの」という腹くくり感が必要であり、それが俗にいう愛なのかも?しれません。「あげっぱなしでいい」と決めたのは自分だからこそ、「わたし」が主語になることでの主体的関係性が生まれ、返ってこなかったことへの文句が不要になるからこそ、裏切られようが、返ってこなかろうが、次の与え合いを期待できるのです。

貨幣経済や等価交換という思想からの解脱を志向します。心地よい感覚と、平穏さ、そして、安定へと、私たちはむかえるのでしょうか?

そして、本当は、「個」などはなく、本当の自分とは、物理的な個と個を結ぶ「関係」なのだと気づくかもしれない。それが信用主義時代において前提となる、新しい思想なのである。

お金によって下がる倫理

縁起という言葉を思い出します。「【仏教の教えを一言でいうと!?】完全版 仏教「超」入門|白取春彦」をぜひご覧ください。

お金とは、バリュー(価値)を数値化したものに過ぎません。その基盤となるクレジット(信用)を土台にバリュー(価値)が流通するのであれば、それを使う必要性も薄くなります。

人々は、資本主義に追い詰められ、身体性を失い続けています。もっと、オーガニック(有機的な)身体感覚を取り戻すために農業やヨガなどをやるのも良いかもしれませんが、経済活動そのものを有機的なものに変えていくことも大切なのです。

まとめ

  • ピカソに見えていたこととは!?――人生は創造のプロセスであるということです。そして、お金は、その創造の一要素でしかないということです。
  • レバレッジのかけ方とは!?――状態(be)に注目して、人を動かすことに視点を移しましょう。
  • 信用貯蓄の時代、私たちは何に向かうのか!?――信用を基盤とした価値の循環と愛の手応えの世界を見出します。オーガニックや、フィジカルな世界とも言えます。
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