- 変化の激しい時代には、何を手がかりにモノゴトを進めていけばいいでしょうか!?
- 実は、「問いかけ」が重要かも。
- なぜなら、良い問いは、志を常に確かめながら、ポジティブなアクションを組織にもたらすからです。
- 本書は、Googleとの協働プロジェクトなどで有名なIDEOの日本代表の野々村健一さんによる「問い方」の1冊です。
- 本書を通じて、(特に掲載されている事例を通じて)良い問いとはなんなのかを具体的に知ることができます。
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Google元CEOが語った「問い」とは!?
未来を予測することが困難な時代になりました。不確実性の時代と言われています。ちなみに、「【VUCAの正しい備え方とは!?】最強の教養 不確実性超入門|田淵直也」では、こんな不確実性の時代では、「予測すること」で対応することが、最もリスクが高いと説かれていました。
数直線上にどうやら未来がない、そんな時代において、人や組織は何を頼りにモノゴトを進めていくことが良いでしょうか!?そのひとつの答えこそ「問い」です。
誰もがゼロから新たな価値を創造する場面に直面しうる中で役に立つのが、「問いかけ」によるアプローチである。
IDEO流問いかける力
グーグルの元CEOエリック・シュミットは、IPO(株式公開)からまだ日の浅い2006年ころにTime誌のインタビューでこのように語ったそうです。
We run the company by questions, not by answers.
エリック・シュミット
(私たちは答えではなく、問いかけで会社を経営している)
答えを出すことを徹底的に義務教育では習います。でも、実は社会に出るとそこで求められる価値もあるのですが、実は、本質的な、そもそも、と言う視点で、「問い」をいかに持てるか?が重要だったりするんですね。
与えられた課題をこなすのも大切ですが、自分の語感や感性を信じて、気持ち悪いこと、気持ちいことはなにかを常に問い続ける姿勢が、案外大切なのです。そして、そういう感覚を持てる環境づくりが組織には求められますし、個人には意識付けの習慣が必要です。
IDEO流の「問い」とは!?
IDEOが大切にする問いかけは、少し角度が異なります。
How might we~?
いまなぜ問いかけ重要なのか
(どうしたら○○を××できるだろうか)
良き問いとはこのような構文を大切にしたいといいます。もう少し、深ぼってみて、次の対比で、Badな問いかけとGoodな問いかけを確認してみましょう。
- Bad「どうすれば○○の売上をあと50%伸ばせるか?」
- Good「どうすればユーザーが○○を繰り返し使いたくなる体験をつくることができるだろうか?」
「人」から始まる問いというのもポイントです。IDEOでは、常に問いの出発点は、「問い」にあるといいます。また、この「人」を考える時に、顧客・ユーザーだけではなく、提供者・開発者の視点も忘れてはいけないことです。
IDEOプロジェクトから「良き問い」の事例とは!?
企業が「これからどうなりたいか」という意志である。
デザイン思考における「問いかけ」
問いは、企業にとって、意志である。それを物語る、事例を野々村健一さんが紹介してくれています。
<食品メーカーの問いと変遷>
Q どうすれば、もっとプレミアムチョコレートを売ることができるだろうか。
NewQ どうすれば、日本のチョコレート文化を高めることができるだろうか。
<電機メーカーの問いと変遷>
Q IoTを活用してお客様の生活をよくする製品・サービスをつくれないだろうか。
NewQ どうすれば、お風呂という環境で、ユーザーがより柔軟かつシンプルに自分の体験をコントローすることができるだろうか。
<金融サービスの問いと変遷>
Q 未来のATMの役割をどのようにつくることができるだろうか。
NewQ どうすれば、人々にATMを使って、よりさまざまなお金に関するアクションを取ってもらえるように、エンパワーすることができるだろうか。
まったく、角度が違います。これが良い問いなのですね。
ちなみにIDEOでは、調査やワークショップを通じて、問いを導き出し、そしてそれをブラッシュアップすることを大切にするといいます。もしかしたら、個人の中で閉じた問いではなくて、”We”の精神で、みなで見つけていくものなのかもしれませんね。
まとめ
- Google元CEOが語った「問い」とは!?――Googleは、AnswerではなくQuestionsで駆動しています。
- IDEO流の「問い」とは!?――How might we~?で始める、人起点の問いです。
- IDEOプロジェクトから「良き問い」の事例とは!?――企業にとって、意志となるものです。
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