- 社会や会社、なんだかギスギスしているなぁと思ったことありませんか。心ない一言や余計な一言、どうしてそうなっちゃうんだろうなぁっていうコミュニケーション上の間違いの数々・・
- 実は、ダメ出しではなく、「ホメ出し」思考が大切かもしれません。
- なぜなら、「あなたの言葉は、社会の一部分」だからです。
- 本書は、電通のコピーライターである澤田智洋さんが、コピーライティング業務を通じて見出した、褒める技術を詳しく語ってくれます。
- 本書を通じて、人と人の関係性を作り出す新たな「ホメ」という着眼点を見つけられると思います。
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社会を「ホメ」資産で満たそう!?
人をホメていますか?会社や家庭で、ホメていますか?人はホメられると嬉しいものです。
過去の投稿「【脳内麻薬をハックせよ!】脳を最適化すれば能力は2倍になる|樺沢紫苑」でも、褒められると脳内麻薬の「ドーパミン」がドバッと出て、幸せな気持ちになり、その結果、行動が強化されるという分析があるとのことでした。ちなみに、ボランティア活動をしたり、社会貢献活動をしている人の脳内でも同じような作用が起こっていて、とても幸せな気持ちになれると、記載もありました。そういえば、アフリカのたしか、ソマリア付近には、「助けてあげた方が、お礼をいう」言語を持つ人が住むと、むかし学校の国語の教科書かなにかで読んだ記憶もあります。(間違ってたらごめんなさい)
それで、今回取り上げる「ホメ出し」の著者澤田智洋さんの面白いところなんですが、言葉は相手にとっての資産になるといいます。情報って、実は変化しないんですよね。もちろんその捉え方は変化され続けるのかもしれないですが、相手にはなったその一言は、一生涯を通じてその言葉のママなんです。一瞬で忘れられるような言葉もあれば、一生通じて忘れられない言葉もあるでしょう。
相手の「資産」になりうる言葉を贈ること。
0章 そのホメ出し、なんのため?
資産として考えたとき、ホメは資産になり、反対に嫌な言葉は負債になります。このアナロジーがとても面白い。もちろん、適度な負債は大切なんです。たとえば、企業のM&Aのときなどは、負債の保有も企業価値に含まれますから。あるいは、「脳内麻薬」的に考えると、適度なストレスによる「ノルアドレナリン」の効用も期待したいものなのです。
でも、やっぱり何事もバランスが大切で、あまりに負債が多いと、債務超過に陥って、やる気をなくしたり、下手をすれば病気になってしまうかもしれません。負債を得ても、それをポジティブに解釈(資産として有効活用して)利益(ハッピーな気持ち)を向上するチャンスにできれば良いのです。でもやっぱり、資産をインプットすることを増やす前提を持っていることが大切ですね。
そのためにホメが必要なのでは?!といいます。完ぺきな人やものはないのです。だから、いいところを切り取って、ホメていくことで、ひとりの人やブランドが幸福になり、結果的に社会全体に波及していくホメ出しのムーブメントを想定したいものです。
「ホメ」の技術とは!?
ホメと、コピーライティングは近いといいます。そのステップをいかして、澤田智洋さんは、このようにホメ言葉探しを行うといいます。
①惚れる ②観察する ③発見する の3つの軸に、姿勢づくりを始めていきたいと思います。
ホメ出しの姿勢を整える①「ホメる」の一歩は、「惚れる」から。
①惚れる
コピーも、ホメも、まず相手を惚れることです。相手に興味関心を持つということですね。このとき、「惚れレンズ」を通して、対象を見よう!といいます。長所を特に見つけられるように意識付けをすることです。きっと簡単なことです。意識的になれれば。でも継続がむずかしい。だから、いろんな着眼点からその対象を見つめる必要があります。下記に記載する固定化した価値観(資本主義的、競争主義的)からだけではなく、その人(やものごと)のオンリーワンを見つける視点も持っておきたいものです。
そういえば、オンリーワンの視点については、過去の投稿「【「自分らしさ」を極めるチカラとは?】ONLYNESS~組織も肩書もいらない人生をつくる|ニロファー・マーチャント, 栗木さつき」も参考になるかもです。
②観察する
いろんな軸で対象を眺めます。基本軸(外見&機能/価値)、関係性軸、アングル軸、擬音軸、唯一無二軸を活用します。関係性軸とは、他のものごととの関係性を見出すことです。たとえば、ターゲットとの関係性とか、他の国との関係性とか。アングル軸は、まさにカメラのアングルのように対象を切り取る角度を変えます。よりとかひきとか。鳥の目、虫の目、魚の目とか。などなど、本書では、それぞれ具体的に事例も記載されていますので、詳細はぜひご一読いただければと思います。
③発見する
そして、多面的なファクトをもとに、ホメを見つけます。また、ホメのタイミングもとても大切です。
1)相手が自信を失っているとき
2)相手に努力の跡が見えたとき
3)自分が相手に嫉妬をしたとき
などの、タイミングも見ながら、ホメ出しをしていくとよいです。
「ホメ」基準に敏感になろう!?
私が、本書の中でもっとも大切だと思ったのが、この言葉です。
資本主義や競争社会の価値観だけでホメ出ししない
4章 あなたがホメると、世界はよくなる
資本主義は、効率を、そして競争社会は、優劣を大切にします。ここから発せられるホメは、例えばこんな感じじゃないでしょうか!?
- 資本主義的ホメ:書類整理が早いね!漢字の書き取りが正確だね!効率的に仕事を進められて尊敬します!
- 競争社会的ホメ:1番とれたねすごい!◎◎さんよりも、優秀だね!
などなど。
これって、実は効率性や、速さ、正確さ、からくるホメです。たしかに、これらのホメも大切です。でも、これらは、ホメ基準のいち側面でしかないんです。そして、もっと大切なのは、自分たちがそういういち側面でしか、ものごとを見られていない可能性が高いのです。こうした、産業革命後にもてはやされた価値観を知らず知らずのうちに身にしみてしまっていて、言葉にして、相手を苦しめていることに自覚的になる必要があります。
私たちは、言葉から自由にならないといけない。そんな気持ちを、澤田智洋さんのご指摘で思いました。たとえば、いま時代は「多様性」を認めたいという気持ちになっていると思います。これって、もしかしたら、新しいホメの軸を一人ひとりが持ちましょう。ということでもあるのかもしれないですね。
まとめ
- 社会を「ホメ」資産で満たそう!?――ホメは、人やものごとの可能性を引き出し、社会全体をよくします。
- 「ホメ」の技術とは!?――3つのステップで多面的な観察を通じて、ホメを見つけましょう。
- 「ホメ」基準に敏感になろう!?――固定的な価値観だけからのホメにならないように意識しましょう。
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