【なぜ読書は、今を生き抜く力になるのか?】本を読む人だけが手にするもの|藤原和博

本を読む人だけが手にするもの
  • 読書をしたいんだけど、なかなか習慣化しない!と思う方は少なくないのではないでしょうか。
  • 実は、読書はどれだけいいものなのか、腑に落ちていないだけなのかもしれません。
  • なぜなら、そもそも読書の効能なんて本を読み始めに選びませんからね。
  • 本書では、元リクルート社フェローであり、元杉並区立和田中学校校長の著者が、人生経験の中で、多くの本を乱読する中、見出した読書の効能を時代背景と照らして語っています。
  • 本書を読み終えると、読書はやっぱり良いのかもしれない!という確信を持つことができると思います。
藤原和博
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これからの時代を生き抜くには、読書が大切だ。

成熟社会では、本を読まない人は生き残れない

序章 成熟社会では、本を読まない人は生き残れない

成熟社会になったと言われます。成長社会と異なり、みんな一緒に同じ夢(クラウン)を追いかけていれば、幸せだった時代から、自分だけの幸せを考える時代になりました。

自分だけの幸福論を見つけて、決めていくには、さまざまな教養を身につけながら、体験を解釈する力が求められます。

人生をだれかに託したり、放棄したりしたくなければ、自分で本を読み、自分で世界観を構築しなければなりません。

だれも幸福を与えてくれはしないのです。

しかし、自分一人では、人生という大きなテーマを考えることはできないのも事実です。

読書は、他力です。他の人が経験して、考えたことを書いてくれているから、読むだけで、疑似体験をすることができたり、その人の視線でものごとを見ることができます。

過去の人が多くの経験の中で、見た世界のちからを借りながら、自分でものごとを考える努力をしていくのです。

本を読むとどういいのか?

読書をするだけで、ほぼ「10人に1人」の人材になれる

第1章 本を読むと、何が得か?

時間をマネジメントする力があるかが、自分の人生を自分側に引き寄せるためには必要です。

でも、多くの人は、ダラダラとスマホを見たり、ゲームをしたり、ギャンブルをしてしまったり、受動的な時間を過ごしてしまうのではないでしょうか。

著者は、例えば、自分が人事部長で、「自社に採用する人」を同じ電車に乗り合わせた人から選ぶ場合、「読書をしている人」を優先したと言います。

読書をしている人は、能動的にその時間を選んでいるということです。こういう人は、自分の意志で課題を見つけ、それを解決する仮説を見つけ、そして解決策の方向性も提示できる人である可能性が高いでしょう。

読書は、受動的に情報を提供される、テレビ・ラジオなどと異なり、能動的なアプローチが不可欠です。能動的なので、アクティブラーニングの練習にもなりますし、あとは、脳が活性化して、考えるトレーニングにもなります。

NHKクローズアップ現代「広がる読書ゼロ~日本人に何が~」の中で、読書のことを次のように表現しているそうです。

「本を読むという行為は、決して情報を得たいというためにやることではなくて、むしろ自分のなかからどのくらいひきだせるかという営みなのです。

2014年12月10日(水)放送

自己との対話ということですね。自分のことは、自分が一番わからないものです。

読書によって得られる「情報編集力」をささえる5つの力とは?

これからの時代は、すでにある要素をどうのように組み合わせて価値を生み出すかということが問われることになる。

第4章 正解のない時代を切り拓く読書

情報編集力は、次にあげる5つのリテラシー(知識)によって支えられます。そして、この5つの力を読書から養うことができるのです。

1.コミュニケーションする力
異なる考えを持つ他者と交流しながら自分を成長させる技術です。
人の話をよく聴くという技術は、読書をすることに酔って高めることができます。

2.ロジックする力
常識や前提を疑いながら柔らかく“複眼思考”する技術です。
複眼思考というのは、一義的にものごとを決めつけるのではなく、反対側あるいは、もう一つの着眼点から見ることで、バランス感覚よく状況をジャッジする考え方です。

3.シミュレーションする力
アタマの中でモデルを描き試行錯誤しながら類推する技術です。
とくに自然科学系の書籍は、判断材料を提供してくれます。

4.ロールプレイングする力
他者の立場になって、考えや思いを想像する力です。
ものごとを他人の視点から見ることができると、世界観を広げることができます。
考え方の幅が広がり、思考が柔軟になります。

5.プレゼンテーションする力
相手とアイデアを共有するための表現技術です。

とくに1.コミュニケーションする力のよりよく聴くという視点では、「LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる|ケイト・マーフィ」も合わせて読みたいです。

そして、もしかするとケイト・マーフィが語るよく聴くために、最適なエクササイズは読書なのでは?とも気づきます。

著者は、読書で身につくことを別の視点から、「集中力」と「バランス感覚」だと言います。本と向き合うことは大変な思考訓練になります、だからこそ集中力がつきます。また、得られる知識や視点が多様化することで、ものごとを判断する際のバランス感覚を得ると言います。

まとめ

  • これからの時代を生き抜くには、読書が大切だ。――成熟社会を幸福に生き抜くには、自分らしいものごとの見立て力を鍛える必要があります。それこそ情報の編集力です。
  • 本を読むとどういいのか?――情報の編集力を身につけることができます。
  • 読書によって得られる「情報編集力」をささえる5つの力とは?――情報の編集力は、1.コミュニケーション力、2.ロジック力、3.シミュレーション力、4.ロールプレイング力、5.プレゼン力の複合能力です。これらを読書で身につけながら、自分の価値観にバランス感覚を持ちましょう。

これほど、コンパクトに読書の魅力を語ってくれている本は珍しいと思います。私も毎日1冊読書をしていますが、今とこれからの時代に求められる視点で読書の効能が語られており、モチベーションが上がりました。読書したいな~でも、できていないなーという人のおすすめです。

藤原和博
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