【人生のコンパス持ってますか!?】Dark Horse|T・ローズ他

Dark Horse 「好きなことだけで生きる人」が成功する時代
  • 人生の目標がない!漠然とした不安感が拭えない!と、いつになってもどこか満たされない気持ちはありませんか?
  • 実は、それって「生き方」自体が今の時代にあっていないのかも。
  • なぜなら、今は標準化の時代から、個別化の時代の過渡期なんです。
  • 本書では、個別化の時代の理想の生き方をして、充足感を得て、結果的に成功を手にしている人を「ダークホース」と名付け、彼らの生き方から4つのポイントを導き出しています。
  • 本書を読み終えると、今まで学校や社会から知らずしらずのうちに染み込まされていた先入観を見つけることができるでしょう。そして、あなたがあなたらしく個性を活かして生きることへの勇気をもらえるはずです。
T・ローズ他
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現代人の生き方は、近世の「標準化」の時代からアップデートされていない。

人間の一生のすべてが標準化されてしまった

Chapter1 自分を縛る「見えないツール」に気づくこと――なぜ、「人生が順調」でも満たされないのか?

産業革命から始まった近代化の中で、人は便利な暮らしを手に入れました。より多くのものに囲まれて、より早く、より遠くへ。物理的な充足を常に満たしてきた時代です。効率が重視されるあまり、いつの日か、自分たちの人生まで効率性に当てはめて考えるようになってきてしまっています。

例えば、受験、資格制度、昇進など、これらは全て効率的に人を判別して、組織が人を活かすための指標でしかありません。人中心ではなく、組織中心の生き方にいつしか私たちは慣れてしまって、異を唱える暇すらありませんでした。

しかし、時代は、標準化の時代から、個別化の時代に変わってきています。モノだけではなく、コトも含めて価値を感じたり、技術の進歩で一人ひとりの好みや生き方を追求する環境が整ってきています。

唯一、いまだ未発達である!と著者が指摘するのは、「生き方」の「個別化(パーソナライズ)」です。いまだ、書店にいけば自己啓発本が並んでいますが、これは標準化時代の産物だと著者は指摘します。標準化時代は皆が同じ目標を目指し、同じルートからそれないように気を配ることが大切でした。いわゆる自己啓発本は、そんな画一的な生き方に自分を当てはめる指南書であると言うのです。

では、「個別化の時代」をいきいきと生きるためにどんなマインドセットが重要なのでしょうか?

「個別化」の時代における個人の使命とは、「充足感」の追求である。

会社の枠組みに従うだけでなく、自分の生き方を問う、すなわち自分自身の「小さなモチベーション」に向き合うことで「個別化の時代」に踏み出すチャンスなのだと私は思う。

Chapter1 自分を縛る「見えないツール」に気づくこと――なぜ、「人生が順調」でも満たされないのか?

個別化の時代において、主体性を取り戻し、「個人軸の成功」(社会軸ではなく)を目指すことです。

この時、最も重要になるマインドセットが、「充足感」が先で成功は後からついてくる。ということです。これは、標準化時代の「成功を目指して努力を重ねれば、いずれ充足感を得る」というものと、180°異なる点に注意したいところです。

個性が本当に重要であることを守り抜くには、あなたが抱く心からの願望を尊重することだと著者は指摘します。

自分が何を好み、何に偏愛を示すのか?自分との向き合いが必要になりますが、でもそれってちょっとむずかしいですよね。人のことはよく分かるけど、自分のことになると、だれもが客観視できないのは仕方のないことです。

そして、著者もそのことをわかっていて、次の3つのティップスを通じて、考えるヒントを提示してくれています。

ステップ1.自分が他者をジャッジ(評価)している瞬間を意識すること。
ステップ2.他者を反射的に評価しながら、どういう気持が湧いてきたかを見極めること。
ステップ3.他社に対してなぜそのような気持ちを抱いたのか自問自答すること。

人のことはより良く気づく人間にとって、この投げかけは有効だと思います。他人を自分のリフレクション(反射)にして、自分の好みと向き合うことができます。

私も実践をしてみると、結構人をジャッジしている瞬間って多いなって思いました。例えば、テレビを見ているときのコメンテーターの一言、店員さんの目配り、取引先の姿勢、バスの運転手など、本当にいろいろなことに気づいている。自分が嫌になるくらい、心のなかで感想を持っているんです。

残念だなと思った感想もあれば、もちろん良いこともあります!こうした心の動きに敏感になることで、自分の偏愛を少しずつ見つけられそうだなって思いました。

「ダークホース」から学ぶ、今をいきいきと生きる4つの心構えとは!?

本当の選択権とは、あなた自身の中にある「好きなこと」「小さなモチベーション」がより多くか生かされる機会を見つけて選ぶ権利である。

Chapter3 「自分に合った道」を選択する――【ルール2】一般的なリスクは無視していい

著者は、個別化の時代において、先人を切って自分らしさのもと楽しく仕事や人生を送り、結果的に成功を収めている人を「ダークホース」と名付け、深く研究をしました。ダークホースは結果であり、目指すべきものではないと著者は念をおしつつも、4つの生き方の共通点を見つけたそうです。

1.大事なのは、「大きな情熱」よりも「小さなモチベーション」
ダークホースたちは、競争心とか創造性の追求みたいな、現代でもよく褒められそうな・・・普遍的で漠然とした動機ではなく、きめ細かく特定された、自分自身の(いわば偏った)好みや趣味に突き動かされているのだそうです。

2.一般的なリスクは無視していい
ダークホースたちは、「大胆な選択」をしていると思われがちだが、彼らはリスクの高い選択をするわけではないそうです。彼らも他の人と同じように、最悪の展開を考えます。何が異なるかと言うと、彼らのリスクは、自分にフィットしないことだそうです。このフィットがあるかないか、つまり自分の好みがそこにあるかないかについて、アンテナを立て続けることがポイントです。

3.一見風変わりな方法も自分には「正攻法」になる
標準化されたシステムの中では、One Best Wayが提示されますが、個別化の世界では通用しません。重視されるべきは、その人固有の強みであるはずだからです。強みとは、学びを通じて構築されるもので、たゆまぬ努力によって得られる能力であると著者は規定します。ダークホース的な考え方によると、戦略を選ぶということは、どのように試行錯誤するかという問題に直結していて、トライアンドエラーを行い続けていくことだとしています。前向きなトライも自分の好きなことならできますね。

4.「目的地」のことは忘れて、充足感を今抱いているか自問する
最終地点を目指して駆け上がるのではなく、目の前の急な斜面を登り、そこから見渡してまた目の前の最も急な斜面を登り続けることで、結果的に高みを目指すというスタンスが大切です。自分の個性(強み)にフィットした戦略を選択していれば、その急な斜面もたやすく登れることでしょう。無理は禁物。自分の好きなこと、得意なこと、強みだと思えることを信じて、トライアンドエラーで駆け上がっていきましょう。

さて、これら4つのポイントいかがでしたか。

本書では、著者が見出したダークホース的生き方をする実在の人物が多数登場し、彼らの生い立ちが紹介されています。彼らはヒーローやスターではなく、隣の席にいそうな人だなぁと、私は思えました。

でも、彼らにあるのは、自分の欲望や偏愛に素直な気持ち。きっと誰もが、ダークホース的な生き方を目指せるし、むしろ個別化の時代において人間として目指すべき義務があるものなのかもしれません。

義務というのは著者がアメリカ合衆国の独立宣言を引用しているところにもよります。

「われわれは、すべての人間が生まれながらにして平等であり、その創造主によって、生命、自由、および幸福の追求を含む不可侵の権利を与えられているということを、自明の真理として信じる」

Conclusion 「個人の幸せ」を追求すれば、周りも幸せにできる

アメリカの建国の精神に、「生命(Life)」「自由(Liberty)」だけではなく、「幸福の追求(the pursuit of Happiness)」が至高の権利としてされていたのです。なんと、先進的であり、本質的であったのか・・・。

そういえば、以前の投稿の「【もう周りに流されない!】ぼくらの仮説が世界をつくる|佐渡島庸平」で取り上げた書籍で、佐渡島さんが「変態」について書いていることがありました。

佐渡島さんが編集者としてお付き合いのある安野モヨコさんがかいた漫画「鼻下長真摯回顧録」という変態紳士を描いた作品に「変態」についてこんな描写があると言います。

「変態とは目を閉じて花びんの形を両手で確かめるように、自分の欲望の輪郭をなぞり、その正確な形をつきとめた人たちのことである」

僕らの仮説が世界を作る――自分の「好き嫌い」を把握しているか

まさに、これこそがダークホースが持ち得ている最初の一歩なんだと思うのです。「変態」というと少し、あれですが、でも自分の偏愛をどこまで見つけてあげられるか、が、個別化時代のニーズなのでしょう。

自分をおざなりにせずに、どれだけ素直になれるか。求められ、同時に、チャンスも広がっていると私は考えました。

まとめ

  • 現代人の生き方は、近世の「標準化」の時代からアップデートされていない。――生き方の個別化のすべを私たちは未だ持ちません。先進的なダークホース的生き方をしている人たちから学びましょう。
  • 「個別化」の時代における個人の使命とは、「充足感」の追求である。――自分の好みや偏愛を見極め、それに従い充足感を追求することを考えましょう。最終ゴールを目指すのではなく、毎日の充足がポイントです。
  • 「ダークホース」から学ぶ、今をいきいきと生きる4つの心構えとは!?――人生は、「小さなモチベーション」から始まり、「充足感」を得続けながら、次の充足を目指す、旅路です。コンパスは持ちましたか?

本書は、パーソナライズな時代における人生のコンパスをくれます。地図ではありません。地図がなくてもいいんです。結果、自分が歩いた道のりが地図になるのです。コンパスは、自分の偏愛です。ダークホースは、「良き変態」と言ってもいいかもしれません。変態バンザイ!希望の書!!

T・ローズ他
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