【投資とは思想である!?】社会をよくする投資入門:経済的リターンと社会的インパクトの両立|鎌田恭幸

社会をよくする投資入門:経済的リターンと社会的インパクトの両立
  • どうしたら、投資のマインドセットを磨くことができるでしょうか!?
  • 実は、鎌倉投信にその心構えを習うことがヒントになるかも。
  • なぜなら、当社は、「いい会社」という独自の視点で企業や組織を見つめる目を持っているから。
  • 本書は、投資と思想とお金の関係を俯瞰する1冊です。
  • 本書を通じて、投資とは、考え方であることについて触れる機会を提供してもらえます。

お金だけが、投資か!?

投資には、モノサシがいくつもあることをご存知でしょうか!?実は、お金だけではないんですね・・。よくある話でいうと、投資はお金だけを増やすような感覚にも想像できてしまうのですが、鎌倉投信・鎌田恭幸さんは、ここに違和感を唱えます。

金融市場の囁きに動じて、いろんな銘柄を乗り換えながら、お金をただ一つの目的として、投資をすることは本当に本質なのだろうか、と、鎌田恭幸さんは問います。

鎌倉投信は、数ある投資信託銘柄の中でも異彩を放ちます。それは、世の中を良くする「いい会社」を投資先と考え、そうした会社と株主との接続役を担っています。

当初預かった顧客の運用利回りは、約120%、年平均約6%と、安定した成果を収める成績となっています。「社会を良くする投資」と「お客様のお金を増やすこと」を両立する証明となっています。さらには、2023年時点において、2万人以上が参画しお金を預け、「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year」には、運用開始以来14年連続でランクインしています。

鎌倉投信を貫く心構えは、投資の思想に現れます。

本来、投資を含めた金融とは、社会や経済を豊かにするための水脈のような存在だ。

第1章 「社会をよくする投資」とは何か

金融は、社会や経済を豊かにすることが目的であって、お金を増やすことが目的にない!ということを自覚できるかということです。経済の表舞台に出るのではない、裏方であるというのが、鎌倉投信の思想です。

では誰が、主役なのか・・・それは、金融で社会を良くするために活動を続ける人、あるいは、その志に思いを託したい人であるのです。

単にお金が買い手から売り手に流れるだけでは、社会からすると付加価値も生まれない。信用力の低い住宅ローン債権を信用格付けの高い債権と混ぜ合わせ、そのリスクを覆い隠すかたちで証券を組成して大量に販売したことに起因したリーマンショックもその象徴的な出来事だ。

第1章 「社会をよくする投資」とは何か

投資を推進する流れは強くなりつつあります。政府も、国民に「貯蓄から投資へ」という心構えを伝達し、コロナ禍以降さらに個人の投資も加熱しているように思われます。大切なのは、いきなり投資をしようと思ってもなかなか、その軸足が定められないということに自覚することです。それもそのはず、投資とは、個人の思想であり、考え方であり、極端なことを言えば、生き様であるからです。

社会をよくする投資とは!?

鎌倉投信が掲げる「社会をよくする投資」とは、社会そのものに新たな価値が生まれるお金の流れを意味します。経済成長を主目的とした社会ではなく、「人」の困りごと(ペイン;不)や、経済成長を追い求める中で生じた社会の「歪み」を解決することで「新しい経済領域を生む」ことにコミットします。

経済ファーストではなく人ファーストであり、その結果として、社会全体の経済価値が高まるということだ。

第1章 「社会をよくする投資」とは何か

社会課題の解決を目指すということは、そこに新たな社会の転換を模索するということにほかなりません。会社が単純にモノやサービスを増やし、規模の経済を追い求めて成長する時代は過去のものになりました。

会社も、社会課題から自社の「存在意義(パーパス)」や社会のニーズを掘り起こしながら、新たな事業を創出したり、モノやサービスに新たな意味づけを行ったりすることができれば、売上、利益を伸ばすことにつながるはずです。

ポイントは、結果的に伸びるはずだということです。正しいことをすれば、結果が伴ってくるという思想を、正しく信じることができ、その結果、ひとりひとりの活動を作り続けていく覚悟はあるか・・・ということが問われているようでなりません。

こうした「投資観」なくして、投資を正しくすることは難しいでしょう。そうでなければ、かえって自分自身の心を惑わせる要素を増やしてしまうことになりかねません。

投資とは、そもそもなにか!?

投資をはじめよう!という方も、いますでに投資を行っているよ!という方も、一度投資とはなにか、について、考えるきっかけが大切かも知れません。

1.投資とは、いまお金を使わない人から、今お金を必要とする人にお金を託すことです。
2.そのお金は、未来に向けたなにかのために使われるということです。
3.リターンは、投資した会社の経営者や社員の努力によって生まれることです。

こうした投資とはなにか?という視点を得たうえで、いくつかの視点で、さまざまな情報を見つめていくことが大切です。3つの視点で、ものごとを見つめていきましょう。

①人:会社の事業を担う社員を大切にしているかどうか?
②共生:誰とともに社会に価値を提供しようとしてるのか?
③匠:他者にはない独自の強み、差別性があるかどうか?

人が、企業文化の最高のガバナンスを作ります。そのうえで、どんな社会性のあるテーマを見つけていけるかということなのかも知れません、②共生、③匠というのは、普遍的なテーマでありそうですが、実は鎌倉投信の個性が見え隠れしているように感じます。

まず最初に見つめていきたいのは、人であるはずです。社会をよくしようと真剣に向き合う姿に刺激を受けて、あらゆる事業、あらゆる社変革に結びつくムーブメントになっていきます。

「すべてはたった一人の思いから始まる」ということである。「思いが形を成す」ということである。

第6章 「社会をよくする投資」の実践

一人ひとりの意志をいかに大切にできるかが、今後の新しい価値を共創していくためには重要なのです。そうした意志を見える化し、思想をもって、投資をすることが、今後の世界を拓くヒントになりそうですね。

投資に関する他の書籍については、こちら「【定性評価を見極めよ!?】ウォーレン・バフェットはこうして最初の1億ドルを稼いだ――若き日のバフェットに学ぶ最強の投資哲学|グレン・アーノルド」や「【投資は自己肯定につながる!?】投資脳 一生お金に困らない頭を手に入れる方法|上岡正明」も刺激的な視点を提供してくれます。ぜひご覧ください。

まとめ

  • お金だけが、投資か!?――お金は、結果であり、考え方から始めるのが投資です。
  • 社会をよくする投資とは!?――社会のペインや歪みを解消するための思想です。
  • 投資とは、そもそもなにか!?――一人ひとりが考え、社会に積極的に関わる思想のことです。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!