【脳のマニュアル!?】勉強脳―知らずしらずのうちに結果が出せる「脳の使い方」|ダニエル・T・ウィリンガム,鍋倉僚介

勉強脳―知らずしらずのうちに結果が出せる「脳の使い方」
  • どうしたら自分の力を最大限に発揮することができるでしょうか!?
  • 実は、脳をハックすることがポイントかも。
  • なぜなら、脳が無意識のうちにはたらく領域が想像以上に多いからです。
  • 本書は、自分の脳を客観視して、勉強をはかどる工夫をするアプローチをもった1冊です。
  • 本書を通じて、自分の思考を俯瞰することができます。
ダニエル・T・ウィリンガム,鍋倉僚介
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全体感を忘れない!?

自分の脳=思考について、考えることは難しいです。なぜなら、その思考自体も自分のものなので、無意識の領域も含めて、捉えることが非常に困難だからです。やはり自分のことはよく分かるようで、一番良くわからないのかもしれません。

自分の脳のあ使い方についてのマニュアルが用意されているわけではありませんし、誰かに教えてもらいたいと思っても、そんな機会はまずなかったでしょう。

はじめに 脳のしくみがわかれば「学び」はもっと効率化できる!

本書『勉強脳: 知らずしらずのうちに結果が出せる「脳の使い方」』は、認知心理学者であるダニエル・T・ウィリンガムさんがまとめた、「脳の取り扱い説明書」です。本書を通じて、自らの思考の特徴について、くわしく触れることができます。その結果、インプットとアウトプットをコントロールしながら、上手に勉強や仕事を行うことができるようになるでしょう。

まず大前提として考えていきたいのが、認知するということです。認知するとは、脳が情報を受け取り、処理し、そしてその情報を理解または解釈するプロセスを指します。これには、次のようなステップが含まれます。

  1. 感覚入力: まず、私たちの感覚器官(目、耳、鼻、舌、皮膚)が周囲の世界からの情報を受け取ります。
  2. 情報処理: 次に、この情報は神経伝達物質と神経細胞を通じて脳に送られます。脳はこれらの信号を解析し、意味やパターンを識別します。
  3. 認知機能: これには記憶、注意、言語理解、問題解決、意思決定などが含まれます。これらの機能は、情報を解釈し、適切な反応や行動を導き出すのに役立ちます。
  4. 反応と行動: 最後に、脳は解釈された情報に基づいて行動や反応を起こします。これは言葉の使用、身体的な動作、感情の表現など様々な形をとります。

入力があるのですが、ここからして実は厄介です。外部の環境の入力を得ようとすると一部の情報しか入力できないということに気付くからです。たとえば、授業を考えてみましょう。授業は、その先生が伝えたいこと全てではありません。全体の伝えたいことを、カリキュラムとしてコマ切れにして、さらに、それを伝えるときには1トピックスを徐々に伝えていくやり方をとるからです。

実は大切なのは、全体像です。

授業は階層的に組み立てられています。
つまり、今、話していない情報と関連づけながら授業を聴いてほしいと先生は思っているのです。

第1章 授業を理解する

先生は全体像を念頭に授業をしています。しかし、受け手である生徒は、違った経験をしている事実があります。情報を一つ前から順番に、線上に受け取っていくしかないのです。

受け手にとって全体像は意思を新たに想像する必要があります。その1つの情報が20分まえに語られた情報とどういう関連性があるのか、最終的にどういった全体像、あるいは、いくつかの結論を導き出すのか・・・じつは、授業というのは、その見えない、直接的には語られない結論や視点を想像していくことに醍醐味と本質があるのです。

だから、友達の話を聞くように授業を聞いてはいけません。大切なのは、常に考え続けること言うこと。先生が言っていることが、全体の中のどういった論点を支えて、最終的にそれが全体の何を構成していくものなのかを、常に意識して聞いてみましょう。すると、脳をフル活用することになります。これが、授業に対して能動的なスタンスを持ち、本当の意味で、聞くという行為につながるでしょう。

何も授業だけに閉じたことではありません。仕事においても全体感を持つということはとても意味があります。多くの仕事は分業でなりたっています。もっといえば、仕事というのは社会的視点にたてば、すべてが分業であるとも言えるかもしれません。そんな時、全体感を持つととてもいいことがあります。

仕事が分業だとした時に、他者との関係を持ち、その相手方の状況をよく知り、自分の行動や考えにフィードバックすることが、実は、常に求められているからです。全体を意識することで、自らの仕事をよりよくブラッシュアップする思考を持つことができます。

脳をフルに活かすと
話し手の頭の中で組み立てられた内容(階層状)と、授業から受け取る内容(線状)の食い違いを知り、情報をつなげられる。

第1章 授業を理解する

つながりを作れ!?

大切なことは、先生が話したこと=インプットをそのまま落とし込むことではありません。本当に大切なのは、それを自ら考えてつながりを作りながら、落とし込むことです。自分の考えたことをカケば、内容に注意を向けることができます。この時ポイントは、上述の全体像を意識しながら、一つ一つの情報のつながりを見いだすことに注意を払うことです。

一番いいのは、授業全体の論理的な構成を自分でつくり直してみることです。

【脳に効く方法18】情報につながりをつくる

授業は、階層状になっていて、主な「メインポイント」(1つ)と「その下位にあるサブポイント」(3~7つ)、および「各ポイントを裏づける根拠」からなりたっています。これらを下敷きにして、今の情報の位置づけを探りながら、考えを巡らせてみましょう。

これは資格試験においてもとても役に立つ視点です。資格試験は、難易度が上がれば上がるほど、単なる記憶だけではたちうちできなくなります。なぜなら、その資格試験がカバーする社会的価値に照らして、自ら考える力、ものごとの関係性を捉える力が具備されているかを、問うものだからです。

だから、受け身になって覚えるだけの学習から、自ら考え思考する力を養う学習へとシフトチェンジが必要になります。このシフトチェンジは、自己を客観的に捉える能力を問われていると言ってもいいでしょう。自分の思考パターンを知り、それに働きかけ、変革する視点が求められていきます。

勉強には「記憶すること」の必要性もつきまといますが、記憶とはそもそも自分が考えた思考の断片であるはずです。3つのポイントで勉強の本質をおさえてみましょう。

1)記憶は思考の残りかすであるため、「意味について考える」ことが役に立つ
2)構成をつかめば記憶しやすくなる
3)想起練習により情報が記憶に定着する

ダニエル・T・ウィリンガム,鍋倉僚介
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興味こそ最大のポイント!?

興味を起点に、ものごとに触れていくことを考えてみましょう。次のような正のスパイラルを回すのです。

  • 情報に興味を持てれば、その情報にしっかり注意が向かう
  • しっかり注意が向かえば、多くを覚えられる 多くを覚えられれば、試験の成績がよくなる可能性が高まる
  • 試験の成績がよくなれば、自信がつく
  • 自信がつけば、タスクが達成できる気がする
  • タスクが達成できる気がしたら、先延ばしが減る
  • 先延ばしが減ったら、勉強のペースを保つことができる
  • 勉強のペースを保つことができたら、幅広いテーマに詳しくなる
  • 幅広いテーマの知識が増えたら、新しい情報が理解しやすくなる
  • 新しい情報を理解したら、その情報により興味が持てる

あなたにはいつも学ぶことにオープンでいてほしいのです。好奇心を持ち続けてください。いつでも新しい何かを発見する準備をしていてください。それはポジティブに生きるということを意味します。

おわりに 苦しかった勉強が、脳を活かすと断然おもしろくなる

新しい学びはいずれ、興味、楽しみ、満足をもたらすのです。

学習については、こちらの1冊「【知らないと損をする!?】認知心理学者が教える最適の学習法 ビジュアルガイドブック|ヤナ・ワインスタイン,メーガン・スメラック」もぜひご覧ください。

まとめ

  • 全体感を忘れない!?――情報は常に断片です。
  • つながりを作れ!?――断片だけでなく、全体像を意識しながら関連性を考えてみましょう。
  • 興味こそ最大のポイント!?――新しい学びはいずれ、興味、楽しみ、満足をもたらします。
ダニエル・T・ウィリンガム,鍋倉僚介
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