- どうしたら「問い」を上手に使うことができるでしょうか。
- 実は、問いの効能と型、方法を学ぶことかも。
- 体系化される知識があれば、自分自身を振り返ることが可能です。
- 本書は、そんな大切な「問う」について説く1冊です。
- 本書を通じて、「問い」の大切さと社会的な認識について俯瞰した視点を得られます。
前回の投稿「【問いで自由になれる!?】問うとはどういうことか~人間的に生きるための思考のレッスン|梶谷真司」に続き、「問い」について、引き続き問いを立ててみたいと思います。
問いで、自由になれる!?
前回の投稿「【問いで自由になれる!?】問うとはどういうことか~人間的に生きるための思考のレッスン|梶谷真司」でも、問いがあれば自由になれることをレビューしていました。今回の投稿では、具体的にどのように自由になれるのかを見ていきたいと思います。
自分自身を縛るものにあらためて意識を向ける。
4 自由になるために問う
大きく4つの私たちを縛るものから自由になることができます。「常識」「偏見」「苦しみ」「無知」です。
常識の側にいる人は、自分がマジョリティだと思っているので、自分がおかしいかもな?と疑うことはありません。でもそれは思考停止です。なぜなら、マジョリティであることは常に正しいとは限らないためです。むしろ、そうでないことのほうが多いかも知れない。より多くが採用している考え方を盲信することから、問いがあれば距離を取ることできます。
偏見からも自由になれます。社会には人を見るときにも、マジョリティの考え方や、差別の視点が働く場合があります。そもそも人は一人ひとり異なる存在のはずです。偏見が何故生まれているのか、意識を向けた時、凝り固まった視点から自由になる術を私たちは見出すことができます。
常識や「らしさ」といった固定的な価値観から、自分を解放することができます。自分自身がそれらに苦しめられていたとしても、問いがあれば、もしかしたら同じように苦しみを感じている人とともに、何かを変えていく力を持つことだって可能なのです。
無知とは知識量のこともあるかも知れませんが、ここでは「分かっているつもりだったが、ちゃんと分かっていなかった」ことです。無知から距離を取ることができれば、差別から開放され、より公平な立場を取ることが可能になります。
問いがあれば、いつも当たり前だと思っていた束縛から開放され、新しい自分を目指していくことが可能になります。
10個の問いの型とは!?
問いは、大きく分けると10個の型があります。
以下を活用して、日常生活の中で、上手に問いを取り入れてみましょう。
1.「意味」を問う――○○とはどういう意味か?
2.「本質」を問う――○○とは結局何か?
3.「理由」を問う――なぜ○○なのか?
4.「方法」を問う――どのように○○するか?
5.「状況」を問う――誰がいつどこで何をなぜどうしたのか?(5W1H)
6.「関係」を問う――○○と△△はどのように関係しているか?
7.「事例」を問う――たとえばどういうことか?
8.「要点」を問う――ようするにどういうことか?
9.「意見」を問う――あなたはどう思うのか?
10.「真偽」を問う――本当にそうか?
考えが漠然としているのは、問いが漠然としているからだ。
はじめに
問いには2つの方向性がある!?
問いには“方向”がある。
問いの方向を決める
「問い方」にも、いくつかのパターンがあります。
大きく分けると、1方向の問いと、多方向の問いです。
1方向の問いは、以下に分けられます。
- 前に進む――それでどうするのか?
- 後ろに進む――どこから来たのか?
- 上に進む――より大きい視点から見ると?
- 下に進む――より深く掘り下げて見ると?
多方向の問いは、以下に分けられます。
- 比較する――どこが違うか/似ているか?
- 違う視点から見る――別の角度から見てみると?
- 反対の立場から見る――自分と違う立場に立つと?
- 時間軸を移動する――昔はどうだったのか?
- 空間軸を移動する――外から自分を見てみると?
ひとことで問いといっても、その方法はさまざまですし、どの問いをどのタイミングで繰り出すかで、その後の関係性や発展性が変わってきます。問いをデザインして、積極的に活用していくことで、ものごとの可能性がともに見出すことが可能なのではないかと感じます。
まとめ
- 問いで、自由になれる!?――問いがあれば、自分を縛るものから自由になれます。
- 10個の問いの型とは!?――型の知識があれば、適切な問いを見つけることができます。
- 問いには2つの方向性がある!?――1方向と多方向の問いをうまく活用しましょう。