【知らないと損をする!?】認知心理学者が教える最適の学習法 ビジュアルガイドブック|ヤナ・ワインスタイン,メーガン・スメラック

認知心理学者が教える最適の学習法 ビジュアルガイドブック
  • 何が、学習効率を左右するでしょうか!?
  • 実は、すでに証明されています。
  • 認知心理学という、人間の心・知覚・思考を研究する学問の成果です。
  • 本書は、誰もが知っておきたい、学習効率を高める工夫を説く1冊です。
  • 本書を通じて、ヒトの特性を活かした学習を実践することができるでしょう。
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5つの工夫とは!?

教育実践は、多くの場合、研究結果に基づいていません。学習にとって何がベストなのかを考えるときは、研究結果ではなく、直感に基づいて判断することが多くあります。

はじめに

認知心理学的に言うと、人はどのように学習をすれば効率よく学べるかがすでに証明されています。この結果を知っているのと知らないのでは、大きな差があります。ぜひ、5つの特徴を知り、今後の生活の中で実践していきましょう。

認知心理学――その内容を概要でもいいから知っているか、知らないか、大きく成果を分ける研究分野といってもいいかも知れません。

1.間隔化

詰め込み型と継続型。よく二項対立で語られますが、想像通り、継続的に一定の間隔をあけながら学習を続けている方がより良いです。学習する期間と本番(テスト等)の期間の間をいかに過ごすかがとても重要です。学習の機会を細切れに分散化しましょう。インプットする時間と、忘却する時間は等しいです。なので、一時にたくさん覚えてしまっては、抜けていく時間も早い・・まさに一夜漬けが、証明視されているのです。目標は高くとも、それをブレークダウンして着実に重ねていく重要性を知ります。

ちなみに分けて考える視点というのもとても重要です。こちらの投稿「【いかに効率的に考えるためのスキルを身につけるか!?】小さく分けて考える 「悩む時間」と「無駄な頑張り」を80%減らす分解思考|菅原健一」にも改めて触れたいと思いました。

2.精緻化

精緻化とは、解像度と読み替えてもいいかも知れません。ものごとには、その背景や理由、メカニズムなど、結果や見える化していない部分が多分に含まれ、複雑に絡み合っています。学習の際には、その奥行きを含めて考えていくことで、定着効果を格段に上昇させることができます。単に答えだけだと覚えられないのに対して、どうしてそうなるのかを深く考えると、覚えられる上、さらには、応用も効きやすくなります。では、どうしたらそういった奥行きに触れたくなるのか・・・それは、やはり「好奇心の強さ」次第、ということになるかもしれません。「記憶していることになにか新しい情報」を付け加えたして、説明してみましょう。

3.具体化

抽象的な概念や考え方は、捉えどこがなく、なかなか定着させることが困難です。だから、具体的に考えるようにしましょう。具体例を用いて、抽象的なものごとを説明するように、手触りのある内容として、自分自身で理解を促すように工夫するのです。あるいは、学習のタイミングだけではなく、日常生活で見える風景を通じて、学んだ内容を思い出してみることもより良い効果があるかも知れません。社会は学びで溢れています。

4.視覚化

マルチメディアを駆使しましょう。人は、言語だけではなく、絵図、グラフィック、音声、動画などさざまな要素を複合的に提供されると、考えるヒントになります。

5.検索

一度入った情報を思い出すことで、より深い定着機会を提供することになります。また、ひとつの分野に閉じることなく、さまざまな分野を横断的に思い出しながら、全体感を持つことで、学習効果が高まります。例えば、経済学でマクロ経済を研究している時に、企業経営において業界の外部環境分析とリンクさせるなどです。忘れて、思い出した階数だけ、人の頭には内容が定着するようにできています。

学習者としての実践とは!?

上記5つのスタイルを自分の日常的な学習方法に導入してみましょう。

1.間隔化・・学習の最初、もしくは限りなく開始時点において、学習計画を立案しましょう。大切なのは本番(テスト等)までにどれだけ小さく区切った繰り返しのプログラムを設定することができるかどうかです。

2.精緻化・・ものごとの仕組みや理由に関する質問を自ら設定し、考えて見るようにしましょう。単純に答えを覚えるのではなく、「なぜそうなるのか?」という考える学習を繰り返していきましょう。

3.具体化・・学んでいることを具体的な例に置き換えて考えてみましょう。学習している知識や考え方と具体例がリンクするとより覚えやすくなります。

4.視覚化・・同じ情報を複数の形式でよくみるようにしましょう。たとえば、言葉とイラストなどです。よりよい学習効果を得られます。例えば、言葉で書かれた内容を、モデル図のように自分で書いてみて、関連性を通じて理解を深めることも大切かも知れません。

5.検索・・授業で聞いたことや本で書いてあったことを思い出してみましょう。思い出せば思い出すだけ、学習効果が高まります。

教師や生徒は認知心理学を学んでいるのか?

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先生としての実践とは!?

残念ながら、教育現場では、研究成果に頼ることは多くありません。それどころか、教え方や学び方を考える時、教師は直感に頼る傾向があり、望ましくない結果を招くことがあります。

1 教育科学と教育実践の分断

上記5つのスタイルを教える側としても、導入してみましょう。

1.間隔化・・学習者に学習計画を立案する機会を提供しましょう。効果的な学習計画を立案することを支援し、授業中や学期中などに、再学習をすることを促してみましょう。

2.精緻化・・精緻化の学習を促すためには、「どのように」「なぜ」などの質問を投げかけてあげることも大切です。学習者が、ものごとの背景や理由を考えられるように支援するのです。

3.具体化・・具体的な例を提示することが何より欠かせません。抽象的な話題のときにはなおさらです。具体的な事象をもって、説明する時、抽象化ではカバーしきれない例外についても触れていくことで、よりよい機会になります。

4.視覚化・・テキストと絵をもって、学習者に比較させる機会を作りましょう。どのくらい一致しているのか?どのくらい違っているのか?を意識してみるのもいいかも知れません。あるいは、学習者に読んだ内容を絵に表現して理解を促すことも有効です。

5.検索・・情報を繰り返し思い出すことです。小テストという形式でもいいかも知れませんし、単純に問いかけという形式でも良いです。とにかく、何回もわすれては、何回も思い出す。そのことが、定着を促進します。

これら5つの特徴は、社会人にとって、どのような意味を持つでしょうか。一つは、資格学習の機会などにそのままずばり応用が聞くでしょう。私が中小企業診断士に挑戦する時に通った資格学習企業の名物講師は、これら5つの工夫を常に行っていました。いまでも、彼らの口癖を思い出します。いずれもこの5つの要素を繰り返し、私たち学習者にうったえてくれていたのだと気づきました。

日常的な学習にも役立つでしょう。よりよい仕事をするためにインプットを増やすときにも、単純に情報を仕入れることだけではなくて、その背景を知り、その背景を考える続けることが、真の考える力に繋がっていきます。

まとめ

  • 5つの工夫とは!?――間隔化、精緻化、具体化、視覚化、検索です。
  • 学習者としての実践とは!?――「考える学習」を自ら行っていきましょう。
  • 先生としての実践とは!?――5つの視点を活かし学習者とコミュニケーションを取り続けましょう。
ヤナ・ワインスタイン,メーガン・スメラック,オリバー・カヴィグリオリ,岡崎善弘,山田祐樹
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