【あなたの生存本能を駆り立てる問題とは!?】INNOVATION STACK だれにも真似できないビジネスを創る|ジム・マッケルビー

INNOVATION STACK だれにも真似できないビジネスを創る
  • 巨大企業も飲み込むことの出来ない模倣困難なビジネスとは、どのように作られるのでしょうか!?
  • 実は、あなたの生存本能がキーになるかもしれません。
  • なぜなら、人のもっとも根源的な欲望だから・・
  • 本書は、スマホを活用した全く新しい電子決済システムSquareを立ち上げたジム・マッケルビーさんによる創業を振り返る1冊です。
  • 本書を通じて、イノベーションの本質を見つめる着眼点を得られるでしょう。
ジム・マッケルビー
¥2,048 (2024/02/19 19:01時点 | Amazon調べ)

あなたのパーソナルな問題とはなにか!?

起業家を目指す、イノベーションを目指す、独立を目指す、ディスラプターを目指す・・・何でも新しいことに挑戦するのは大切ですが、起業家も、イノベーションも、独立も、破壊も、何らかの手段あるいは結果であることを忘れてはなりません。これらが目的化してしまっては、コスト(時間・お金)をムダにすることになりますし、ましてや自分の価値観を生きることができません。

ジム・マッケルビーさんは、ガラス職人として小さな店舗で自分の作品を販売していましたが、しかし、決済に関して大きな問題を感じていました。クレジット銘柄の多くに対応する手間や、決済手数料の存在です。調べていくと、小さな会社・お店ほど、多くの手数料をクレジット会社に納めていたことに気づいたのです。

クレジットカードは、端末もバカ高く、契約は意味不明で、手数料も実にいい加減に見えた。しかも利用商店として承認を受けるまでの手続きがあまりに面倒なので、ほとんどの小規模商店が現金取引しかしないのも当然だった。

第2章 ボブとピラミッドたち

さらに、すでに開業している企業や店舗だけではなく、これから新規開業したり、キャッシュレスを導入したりする事業も無数に存在することに気が付きます。

決済手段をどうにかしなければならないという非常にパーソナルな問題が、市場の問題に接続したのです。

イノベーションスタックが発達するのは、ほとんどが生存本能に突き動かされてのことだ。もし本当に新しい何かをやろうとしたら、いろいろ新しい問題に出くわす。

はじめに

イノベーションは、スタックする!?

生存本能に突き動かされているときほど、力が発揮されることはないでしょう。新しいことをするには次々に発生する問題を連続して解決していかなければなりません。解決策は結果として、互いに依存しあい、最終的に総体として強固な模倣困難なビジネスになりえます。

Squareのイノベーションスタックは、次のようなものです。

  • 単純な、価格設定。
  • 加盟無料。
  • 安いハードウェア。
  • 契約なし。
  • 電話サポートなし。
  • 美しいソフトウェア。
  • すばやい決済。
  • 純額決済。
  • 低価格。
  • 広告なし。
  • オンライン登録。
  • 新しい詐欺モデル。
  • 決済信用を自社で引き受けるモデル。

詳しくは、本書をぜひご覧いただきたいですが、これらはひとつひとつ問題解決のたびに出現した新しい問題の解決策でした。そして、これらは関係しあっています。

イノベーションスタックの要素を個別に見てはいけない。イノベーションは全体として発展する。どの要素も、出し入れをすれば他の要素のふるまいを変えてしまう。

第13章 スタックの攻撃
ジム・マッケルビー
¥2,048 (2024/02/19 19:01時点 | Amazon調べ)

そもそも人や生物全ては、コピーにすぐれているとジム・マッケルビーさんは強調します。生き残り、子孫を残し続けるための方策としてのコピーを、イノベーションのメタファーかつ実務として掲げられたのは、非常に象徴的です。

コピーできるものはコピー、必要なら発明を繰り返しながら、生き残れるシステム構築を目指すスタンスを持つのです。

顧客と信頼を作り、そして従業員とカルチャーを作る!?

イノベーションスタックは、競合からの顧客奪取を考えません。常に、市場に対して新しい顧客の参入を支援します。

  • Squareは、これからキャッシュレスを導入する無数の商店に、信用取引の方法を教えました。
  • バンクオブイタリーは、銀行を使ったことのない人たちに、銀行取引の方法を教えました。
  • サウスウエスト航空は、長距離バス利用者に、航空機利用を促進しました。

攻撃への対応として、起業的な会社と普通の企業とでは、決定的な差が見られる。競争的な脅威への対応として、普通の会社は競争相手のやっていることに対応する(コピーする)べきだ。これに対して起業的な会社は、顧客に専念して、直接的な攻撃を受けた場合ですら、あまりいろいろ変えるべきじゃない。

第13章 スタックの攻撃

起業的な会社は、イノベーションスタックを武器に使えば良いのです。

市場に新しくきた顧客は、何の思い込みも持っていません。これはイノベーションを通じて産業を大幅に拡大するメリットです。新規顧客は、その市場の参加方法を、こちら(商品・サービス提供者側)のやり方をみて学びます。

キャズム理論で言うところの、アーリーアドプター(初期採用者)は、もしかすると、アーリーアダプター(初期の適用者)と呼ぶほうが正確かもしれません。

実際、一部のイノベーションは、新しい適用力のある顧客がまとめて参加して、自分で家具を組み立て、たわむカードをスワイプしてくれないと不可能だ。

第14章 見えない軍団

イケアのビジネスも、たしかに家具を組み立てさせるし、強大なショールームを訪ねて何十もの選択肢から選ぶように教えました。Squareのサービスも、やや使い勝手の悪いデバイスにカード情報を読み取らせる努力が必要です。また、サウスウエスト航空は顧客にグループ単位で搭乗し、自分でシートを選ぶことを教える必要がありました。

こうした、初期の適用者を味方に、イノベーションに波及効果をもたらすのです。

「価格」は顧客との信頼構築と、従業員とのカルチャー構築の双方に役立つものであるため、重視するべきです。

顧客の信頼以外に、低価格は企業の方向性を一致させてくれる。つまりチームの全員が同じ価値観を共有できるようになる。同僚たちが、会社が値づけにおいてあらゆる優位性につけ込んだりしていないという証拠を見えれば、会社が顧客を重視しているのもわかってくれる。

第15章 低いけれど、最低ではない

従業員数が12人ほど以上になった場合、コントロールは文化にかなわなくなります。そして価格は極めて目に付きやすいから、文化に巨大な影響力を持ちます。

飛行機は、別にライト兄弟の一つの思いつき(たとえば翼の形)ではない。その思いつきなら他の人もやっていた。でもそれに伴う機体、エンジン、燃料、その他様々にからみあった問題をだんだん解決する中で、飛行機というものが生まれてくる。そうしたプロセスの総体がイノベーションなのだ。

訳者解決

果てしない好奇心とともに、問題意識を持ち、圧倒的な行動量により、イノベーションも幸運ももたらされるのかもしれません。

こちらの投稿「【幸運は引き寄せられる!?】その幸運は偶然ではないんです!――夢の仕事をつかむ心の練習問題|J・D・クランボルツ,A・S・レヴィン」もぜひご覧ください。

まとめ

  • あなたのパーソナルな問題とはなにか!?――目的と手段を間違えず、生存本能に照らした深い問題を見出すべきです。
  • イノベーションは、スタックする!?――解決の連続の総体がしなやかな強さを生み出します。
  • 顧客と信頼を作り、そして従業員とカルチャーを作る!?――イノベーションは仲間を増やします。
ジム・マッケルビー
¥2,048 (2024/02/19 19:01時点 | Amazon調べ)
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!