【顧客が本当に求めているものとは!?】Jobs to Be Done:顧客のニーズを見極めよ|クレイトン・M・クリステンセン,タディ・ホール,カレン・ディロン

Jobs to Be Done:顧客のニーズを見極めよ
  • どうしたら、顧客に最善のアプローチができるでしょうか!?
  • 実は、「Jobs to Be Done(片付けるべき用事)」を見極めることがイノベーションにつながるかも。
  • なぜなら、あなたが提供しようとしていることは、本当は顧客が望んでいないことかもしれないから。
  • 本論文は、そんな「Jobs to Be Done(片付けるべき用事)」にまつわる研究成果です。
  • 本書によって、本当に顧客が求めているものごとを志向する視点を得られるでしょう。
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何が私たちの目を曇らせているのか!?

私たちは情報化社会の中で生きています。これまでよりも、これからのほうが、さらに情報化が進み、顧客に関するあらゆる情報が手に入るようになるでしょう。そのために、経営判断も顧客に関する情報を使って、行えるようになるのです。

しかし、あまりに顧客情報が膨大であるため、分析を”正しく”することはより困難になります。

根本的な問題は、企業が生み出す大量の顧客データの大部分が、相関関係を示す構造になっていることである。

真のイノベーションがなぜ生まれないのか

なぜ、これがダメなのでしょうか。

たとえば、「この顧客はあの顧客と類似している」というデータが得られたとしましょう。これこそ相関関係ですね。もっと具体的な事例では「商品Bよりも商品Aの方が好きだと答えた顧客が86%」といった具合のデータもあるかもしれません。

これらは、見事な相関を示しているようですが、欠落視点があります。あらゆるデータを分析することができていないため、ある一つの事象が発現すれば、かならずもう片方も発現するとは限らない、この点を見逃すことになるのです。

多くの経営者の方が相関関係に基づいて決断を下すことに慣れていますが、これでは本質を見失う場合もあるのです。

「Jobs to Be Done(片付けるべき用事)」とは何か!?

たとえば、あなたが、不動産屋さんの担当だったとしましょう。とあるエリアでは、離婚者+子1~2名の属性ニーズが合った場合、巨大な家よりも、ミニマムで、価格が抑えられながらも、居住空間がそれなりにある部屋をおすすめするでしょう。

しかし、なかなか住宅が契約されません。それはなぜか・・

同じような事例を著者らは、アメリカの住宅メーカーで検証しました。そこでも、条件はぴったりなのに、何故か契約に結びつかない、問題が発生していました。

理由は、顧客のインサイトにありました。

顧客は、自分たちのライフスタイルに合う家をさがしながらも、本当は、思い出のダイニングテーブルをどこに移動させられるかを考えていたのです。非常に、情緒的な話です。

もっといえば、

新しい家を建てるビジネスをしていると思っていましたが、実は生活を移動させるビジネスなのだと気づきました

生活を移動させるビジネス

ここに本質的な違いがあったのです。こうした、差分はなかなかデータには表れません。ましてや、相関関係で分析された結果には、見えてこないのです。こうした本当に顧客が望むことを、著者らは、「Jobs to Be Done(片付けるべき用事)」と名付けました。

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「Jobs to Be Done(片付けるべき用事)」を見出すステップとは!?

ではこのような本当に顧客が望んでいること「Jobs to Be Done(片付けるべき用事)」を見極めるにはどんなステップが有効でしょうか。それは次の4ステップにあるといいます。

1)「片付けるべき用事」があるか
2)消費が行われていない領域はどこか
3)どのような次善策が編み出されているか
4)避けたいと考えているものは何か
5)顧客が編み出した、既存商品の驚くような使い方はどのようなものか

こうしたステップを参考に、顧客と直接対話を通じて向き合うことが重要なのです。

また、B2Bビジネスにおいて顧客を知るには、次のような視点もかけ合わせで重要です。

最近弊社のサービスに申し込んだ顧客と、サービスを解約した、あるいはサービスの利用方法を大きく変えた顧客です。

B2B顧客のジョブを片付ける

「Jobs to Be Done(片付けるべき用事)」のセンスを磨くためには、リアルな事例で顧客が求めることに触れてみるのも勉強になるように思います。たとえば、過去の投稿「【居心地を求める社会において・・】なぜ、コメダ珈琲店はいつも行列なのか?|高井尚之」などがとってもヒントになる予感です!

まとめ

  • 何が私たちの目を曇らせているのか!?――あらゆる情報が獲得される中で、相関関係だけで分析していると落とし穴があります。
  • 「Jobs to Be Done(片付けるべき用事)」とは何か!?――顧客が本当に欲していることです。データ分析だけでは見えてきません。
  • 「Jobs to Be Done(片付けるべき用事)」を見出すステップとは!?――「Jobs to Be Done(片付けるべき用事)」があるか、消費が行われていない領域はどこか、次善策、避けたいと考えているもの、既存商品の驚くようなつかいかたなどをヒントに見出しましょう。
クレイトン・M・クリステンセン,タディ・ホール,カレン・ディロン
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