【フィードバックは、成長を阻害する!?】フィードバックの誤謬|マーカス・バッキンガム,アシュリー・グドールフィード

フィードバックの誤謬
  • チームワークを大切にしたり、上司の立場から部下の行動是正・行動強化を行うには、正しくフィードバックすることが望まれています。
  • しかし、実は、フィードバックすることが、他者の成長を阻害しているとしたらどうでしょうか!?
  • なぜなら、フィードバックに往々にして含まれる「批判」は、学習を阻害するだけでなく、そもそもあなたは他者を正しく評価できるわけがないからです。
  • 本論文は、そんなフィードバックに対する正しい認識を持つための貴重な視点をくれます。
  • 本書を通じて、自分自身に他者との関わりの勘違いをフィードバックしてあげましょう。
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フィードバックと一般論とは!?

ビジネスシーンにおいて、すっかり浸透したフィードバックですが、正しいフィードバックとは何でしょうか?!じつは、フィードバックを誤用すると、大変な誤謬に行き着きます。

みなさんは、フィードバックをどのように理解、あるいはイメージを持っているでしょうか!?

フィードバックとは、相手のパフォーマンスに対する意見と改善するための方策を伝えることだと認識されている。

フィードバックの誤謬

しかし、フィードバックとは、そんなに万能ではないのです。

フィードバック3つの誤解とは!?その原因

フィードバックに関して3つの誤解があります。

1)自分の弱点は本人よりも他者の方がよりよくわかるため、自分では気づかないことを他者に教えてもらうことが、一番自分のためになるという説。
2)学習とは空の器を満たすようなものだという説、つまり獲得すべき能力があなたに欠けているなら、同僚がそれを教えてやるべきだと言う説。
3)優れたパフォーマンスは普遍的で、分析可能で、説明可能なものであり、ひとたび定義できれば誰にでも応用できると言う説。

これらはすべて誤りなのです。これらの前提がすべて崩れる中、フィードバックを支持する立つ瀬をみごとにわたしたちは失うこととなるのです。

これらの3つの説に共通するのは自己中心的だということだ。

フィードバック:3つの誤解
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理由1)だれも、他者を正しく理解などできない

なぜ、このような自己中心的な状態に陥るのでしょうか。それは、ずばり、「他人に対する本質的な理解が可能である」と私たちが勘違いをしていることによります。

他者を評価する時には、その評価項目に対する自分自身の理解、ある能力について何をよしとするかという感覚、評価としての厳しさや甘さ、無意識に染み付いた偏見といったものが色濃く反映されます。これを直感的に感じながらも、蓋をして他者と付き合っているように感じることはないでしょうか。この減少は、「特異評価者効果」と呼ばれ、その影響は大きく(人が誰かを評価する時、評価の半分以上には評価対象者ではなく評価者自身の性格が反映せされている)、頑固である(どんなに訓練をしても弱めることはできない)のです。

結論、フィードバックは、歪曲しているのです。

そして、歪曲は、あなたによって引き起こされています。あなたの前提、あなたの価値観、あなたの視点、あなたの評価軸、すべて自分自身の視点によって、相手を巻き込むのがいわゆるフィードバックと理解されている行動なのです。

たとえば、理解しやすいように色覚異常を例に考えてみましょう。もし色覚異常の人にバラの赤さを判定してもらっても、その人が色を識別できず、ましてや赤さを「判定」することなどできないとわかっていれば、その人のフィードバックを信用しようと思わない。常にあなたは、他者にとってその状況にあるのです。

これを「系統誤差」といいます。平均をとっても低減できない、システムに組み込まれた誤差のことです。じつは誤差にはもう一つ「偶然誤差」があり、これはランダムに起こりうる確立のことで、学校でしっかり習い、実業でもケアされるのですが、前者の「系統誤差」だけは習いもしないし、ケアもされないのです。これによって生産される誤謬はとっても、影響が大きいのに・・。

理由2)学習とは欠落したピースを埋めることではおこらない

また、問題のもう一つが、学習に関する認識です。

学習とは、欠けている何かを追加するプロセスというよりも、すでにあるものを認識、強化、洗練するプロセスだ。

学習プロセス

私たちは神経学的に自分が得意とする分野において、より大きく成長するからです。(能力が開発されている分野が、私たちの強みになります)。さらに、もうひとつ重要なポイントとして、自分の強みに他者の注目が集まると学習が促進されるのですが、弱みに注目されると学習が抑制されるのです。

欠点や弱点にフォーカスして、過剰な行動是正を行うことによって、他者は、学習の機会を失うのです。

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正しいフィードバックのあり方とは!?

フィードバックを正しく行うことで、チームの能力、あるいは他者の能力を最大限高めることを志向しましょう。そのためには、学習に対して正しいスタンスをもちましょう

学習のコツは自分の快適ゾーンから飛び出すことだとよくわれるが、研究結果はこのお決まりの考え方とは相容れない。快適ゾーンから遠く離れると、我々の脳は生き延びることで精一杯になり、それ以外のことに注意を払わなくなる。

学習プロセス

相手の強みについて、重点的なフィードバックをする視点を持つことです。

さらに、もう一点、上述のように、自分は他者をすべて理解できている感覚を捨てるのです。そして、成長をコントロールできる幻想から、まず自分自身が抜け出すことです。

具体的な行動は、次のようなものがのぞましいでしょう。相手のパフォーマンスがどれほど素晴らしいか、相手がどれほど優秀かという視点で話をしないことです。相手もそんなこと判断できないことを、直感的に知っています。そうではなくて、相手が示した「卓越性」に目を留めた時に、自分が感じたことを説明しましょう。

  • 「私はこういう印象を受けた」
  • 「あれを見て私はこう考えた」
  • 「君が何をやってのけたのか、わかっていたかい」

などの自分が感じたことを投げかけてみるのです。

また、フィードバックを受ける側としては、次のような視点を持って、相手の「評価」を深掘りしてみるのもいいでしょう。たとえば「いい仕事ぶりだね!」と言われたら・・、

  • 「どのあたりが、よかったと感じましたか」
  • 「何が効果的だったと思いますか」

ここで重要なのは、褒め言葉を集めるのではなく、自分の「卓越性」がどのようなものか探ることです。

「卓越性」を別の観点から問いているこちらの投稿「【たったひとつの問いかけで、すべてを前に進めるには!?】「質問」だけですべてをプラスに変えていくフィードフォワード全技術|久野和禎」の書籍もとてもおすすめです!

まとめ

  • フィードバックと一般論とは!?――いわゆるフィードバックには、他者理解と学習に関して、決定的な誤解があり、本質的に機能しないものになっています。
  • フィードバック3つの誤解とは!?その原因――「自己中心的」な視点から生み出される誤解がフィードバックを機能不全にさせています。
  • 正しいフィードバックのあり方とは!?――他者の「卓越性」を感じた時に、自分が感じたことを感想として伝えることです。
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